事業概要
同社は、老朽化した建造物の維持・保全を目的とした外壁・内装リフォーム工事を中心に事業を展開しています。特に、「ホームメイキャップ工法」と称する独自開発の施工技術を核としており、特殊機能性塗料と4つの施工技術(クリアコーティング、カラーコーティング、スケルトン防災コーティング、応用/特殊施工)を組み合わせることで、建物の美観回復と耐久性・補強性の向上を実現します。この工法は、タイルやコンクリートの剥落防止、耐震補強、止水・防水処理など、幅広いニーズに対応可能です。
事業の受注・販売形態としては、自社が元請けとなる直営方式と、認定したFC加盟店が顧客と契約する提携方式の二つがあります。訪問販売は行わず、地域の工務店やゼネコン、ハウスメーカーといった「パートナー」とのネットワーク構築に注力しています。これにより、足場から左官、防水、塗装、シーリングまで一貫したワンストップ対応を実現し、責任の明確化、価格体系の透明化、きめ細やかなアフターサービスを提供しています。また、建築工事業として一般的な新築・改修工事も手掛けるほか、FC加盟店への材料販売や不動産売買・賃貸も行っています。2025年5月期においては、ホームメイキャップ事業が売上高の大部分を占め、順調に成長しています。
直近決算ハイライト
2025年5月期決算において、同社は売上高47億1300万円(前期比8.2%増)を達成し、堅調な成長を示しました。これは、パートナー企業との関係強化による受注拡大と、工事の順調な進捗が奏功した結果です。特に、主力のホームメイキャップ事業は売上高45億8154万円(同14.7%増)、セグメント利益9億1068万円(同28.1%増)と大幅な伸長を見せました。一方で、建築工事業は新築・改修工事の減少により売上高1億2872万円(同60.7%減)、セグメント利益440万円(同99.1%減)と大きく落ち込みました。
利益面では、売上高増加に伴う売上総利益の増加により、営業利益は6億2604万円(同26.5%増)と大きく伸びました。助成金収入などの営業外収益も寄与し、経常利益は6億7237万円(同27.5%増)となりました。当期純利益も4億7229万円(同16.9%増)と増加しました。財政状態においては、流動資産が2億5322万円増加し、特に現金預金や有価証券が増加しました。純資産も2億2367万円増加し、財務基盤の強化が見られます。キャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローが5億6790万円となり、前年に引き続き安定した収入を確保しています。
強みと競争優位性
同社の最大の強みは、独自開発した「ホームメイキャップ工法」にあります。この工法は、特殊機能性塗料と独自の施工技術を組み合わせることで、建物の耐久性、美観、補強性を飛躍的に向上させるものです。特に、タイルの剥落防止や耐震補強といった高度なニーズに対応できる点は、競合他社との差別化要因となっています。また、10年間の品質保証を付与していることも、顧客からの信頼獲得に繋がっています。
さらに、同社は業界でも珍しい「ワンストップ対応」を実現している点も競争優位性となります。足場設置から最終的な塗装、シーリングまで、自社で一貫して施工を手掛けることで、責任の所在を明確にし、工期短縮やコスト削減、品質管理の徹底を可能にしています。これにより、顧客に対して透明性の高い価格設定と、きめ細やかなアフターサービスを提供できる体制を構築しています。直営方式に加え、施工認定店(FC加盟店)との連携も強化しており、全国的な需要への柔軟な対応力も有しています。パートナー企業との強固なネットワークも、安定した受注基盤を支える重要な要素です。
リスク要因
同社が抱えるリスクとして、まず人材の確保・育成が挙げられます。特に、ホームメイキャップブランドの維持・浸透には優秀な人材の確保が不可欠であり、支店展開の加速や営業戦略の立案・実行を担う人材の育成が課題となっています。建設業界全体で建設技術者の減少が深刻化しており、同社も例外なく、適切な人材の確保と育成が滞る場合、事業展開に多大な影響を及ぼす可能性があります。
また、特定取引先への依存度もリスク要因です。ホームメイキャップ事業で使用する特殊機能性塗料の約63%をシーカ・ジャパン株式会社からの仕入れに依存しており、同社との取引条件の不合意や契約解除が発生した場合、業績に影響が出る可能性があります。さらに、工事施工におけるリスクも存在します。設計・施工した物件に不具合が生じた場合の追加費用や損害賠償、施工中の事故、天候不順や季節的要因による工期遅延なども、業績を圧迫する可能性があります。原材料・資材価格や労務費の高騰も、請負代金への転嫁が困難な場合、利益率低下に繋がるリスクを内包しています。
投資テーマとの関連
同社は、建物の長寿命化やインフラ老朽化対策といった、社会的なニーズに応える事業を展開しており、これらのテーマとの関連性は高いと考えられます。特に、近年注目されている「インフラ老朽化対策」や「建物の長寿命化」といったテーマにおいて、同社の「ホームメイキャップ工法」は、耐久性向上や維持保全に貢献する技術として、その役割が期待されます。
また、同社はDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進にも意欲を示しており、現場管理や受発注業務におけるITツールの導入・活用を進めることで、業務効率化や生産性向上を目指しています。これは、建設業界における生産性向上や働き方改革といったテーマとも関連が深いです。さらに、地域経済の活性化や、老朽化した建造物の景観維持・向上といった側面からも、社会課題解決に貢献する企業として、ESG投資の観点からも注目される可能性があります。ただし、AIや半導体、EV、防衛といった、いわゆる成長テーマとの直接的な関連性は現時点では限定的と言えます。