事業概要
当社は、地震や地盤沈下によって発生したコンクリート床の沈下、傾き、段差、空隙、空洞などを、独自の「アップコン工法」を用いて修正する建設事業を主力としています。この工法は、完全ノンフロンのウレタン樹脂と小型機械を使用し、従来のような大規模な解体工事や、操業・営業を停止させる必要がない点が最大の特徴です。これにより、工場、倉庫、店舗、住宅など、様々な建物の沈下修正工事を短期間かつ効率的に実施することができます。さらに、このアップコン工法で培われた技術を応用し、道路、港湾、空港といった社会インフラの維持・補修工事も手掛けています。農業用水路トンネルの空洞充填工事や、道路の段差修正、港湾の岸壁部の沈下修正など、公共事業分野へも事業を拡大しています。硬質発泡ウレタン樹脂の用途開発を通じて、市場を自ら創造しながら、社会インフラの長寿命化に貢献し、「ストック型社会」の形成に寄与する研究開発型企業を目指しています。
直近決算ハイライト
2026年1月期(2025年2月1日~2026年1月31日)の決算では、売上高が1,387,514千円となり、前年同期比で16.1%増加しました。これは、民間事業における大型案件の受注減少(同10.0%減)があったものの、公共事業分野において道路等の受注件数が増加し、同244.5%増と大幅に伸びたことが主な要因です。売上原価は前年同期比8.2%増にとどまり、売上総利益は同20.8%増の911,022千円となりました。販売費及び一般管理費は同16.1%増でしたが、営業利益は同26.7%増の420,606千円を達成しました。経常利益も同27.1%増の428,983千円、当期純利益は同24.5%増の304,490千円となり、会社設立以来の売上高および各段階利益ともに過去最高益を記録しました。この好調な業績は、大型案件の受注獲得、社内資料のDX化推進、調査無料キャンペーンの好評、そして個人株主向け説明会やデモンストレーションといった積極的なIR活動によるアップコン工法の知名度・認知度向上への貢献が寄与したと考えられます。
強みと競争優位性
当社の最大の強みは、独自の「アップコン工法」にあります。この工法は、操業や営業を停止させることなく、短期間でコンクリート床の沈下修正が可能なため、顧客である企業や住宅所有者にとって、事業活動や生活への影響を最小限に抑えられるという大きなメリットを提供しています。従来工法のように建物を破壊する必要がないため、解体費用やそれに伴う諸経費も削減できます。また、完全ノンフロンのウレタン樹脂を使用しており、環境への配慮も顧客からの評価に繋がっています。さらに、この工法を応用した技術を公共事業分野にも展開し、社会インフラの維持・補修という安定した需要を取り込んでいる点も強みです。特許取得済みの技術やノウハウの蓄積、ISO27001認証取得による情報管理体制の整備も、参入障壁を高め、他社との差別化要因となっています。これらの要素が複合的に作用し、沈下修正市場において確固たる競争優位性を築いています。
リスク要因
当社の事業運営にはいくつかのリスク要因が存在します。まず、建設業法に基づく許可の取消しリスクが挙げられます。法令違反等があった場合、事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、主力事業である民間地盤沈下修正工事への依存度が高いこともリスクとなり得ます。類似工法の出現や事業環境の激変への対応が遅れた場合、業績に影響を与える可能性があります。知的財産権の不正使用や第三者による侵害リスク、個人情報漏洩リスクも潜在的な懸念事項です。さらに、ウレタンを構成する原材料価格の高騰は、仕入価格及び利益に直接的な影響を与える可能性があり、発生可能性が高いリスクとして認識されています。農業用水路トンネル工事における工期制約や、大規模自然災害、感染症の流行なども、業績変動要因となり得ます。特定人物への依存リスクも指摘されており、経営体制の安定化が課題となっています。
投資テーマとの関連
当社は、老朽化が進む社会インフラの維持・補修という、長期的な視点での需要が見込まれる分野で事業を展開しています。これは、政府が推進する「国土強靭化」や、インフラ長寿命化といった現代社会の重要な課題と直接的に結びついており、防災・減災、インフラ整備といった投資テーマとの関連性が深いです。また、自社開発した「アップコン工法」は、従来の工法に比べ短工期・低コスト・非破壊での施工を可能にする革新的な技術であり、建設業界における生産性向上やDX化といったトレンドとも親和性があります。環境負荷の低減に配慮したノンフロン材料の使用は、ESG投資の観点からも評価される可能性があります。これらの要素から、当社は単なる建設業にとどまらず、社会課題解決に貢献する企業として、将来的な成長が期待できると考えられます。