事業概要
当社グループは、建設事業と防災安全事業を主軸に、社会インフラの整備や安全確保に貢献する事業を展開しています。建設事業では、交通安全施設工事、法面工事、環境メンテナンス工事の施工、および関連資材の販売を手掛けており、当社に加え佐賀安全産業、旭友、大邦興産、西部保安、開発工業、光栄産業といった連結子会社が施工や販売を担っています。また、ニチボーは地盤改良や法面工事を、大正工業は特殊機械の製造販売及び建設・防災・環境関連事業を、それぞれ展開しています。防災安全事業では、防災安全衛生用品や保安用品の販売を中心に、佐賀安全産業、旭友、大邦興産が事業を推進しています。2025年9月期には、交通安全施設工事を主力とする西部保安グループと、特殊機械メーカーである大正工業を子会社化し、北部九州及び関西エリアにおける事業基盤の強化と地域密着型事業の加速を図っています。環境配慮型製品の開発にも注力しており、竹短繊維入り土系舗装材「かぐやロード」はグッドライフアワードを受賞するなど、サステナビリティ経営を推進しています。
直近決算ハイライト
2025年9月期の連結業績は、売上高が前年比0.3%増の176億円と微増に留まりました。利益面では、グループ競争力強化やM&A実行に伴う販売費及び一般管理費の増加が響き、営業利益は同20.1%減の7億円、経常利益は同17.5%減の8億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同23.3%減の5億円となりました。セグメント別では、建設事業の売上高は3.2%減の147億円、セグメント利益は16.9%減の12億円となり、特に交通安全分野での大型工事減少や手持ち工事の進捗遅れが影響しました。一方、防災安全事業は、鳥インフルエンザ防疫用品や防災備蓄資機材の販売が好調で、売上高は23.5%増の28億円、セグメント利益は82.7%増の3億円と大きく伸長しました。期末の純資産は93億円、総資産は143億円となり、それぞれ前期比で増加しましたが、現金及び預金は53億円と17.4%減少しました。営業キャッシュフローも5億円と、前期比65.7%減となりました。
強みと競争優位性
当社の強みは、建設事業と防災安全事業という二つの柱による安定した収益基盤と、M&Aを通じた積極的な事業拡大戦略にあります。特に、交通安全施設工事や法面工事といったインフラ維持・整備に不可欠な分野での実績は、公共投資の動向に左右されやすい側面はありますが、防災・減災や国土強靭化といった社会的なニーズに支えられています。また、近年はM&Aにより事業領域を広げ、西部保安グループや大正工業といった企業を傘下に収めることで、北部九州および関西エリアでの施工体制強化や製品・サービスの提供範囲拡大を実現しています。環境配慮型製品の開発・販売や、DX推進による生産性向上への取り組みも、将来的な競争優位性を築く上で重要です。子会社化された企業とのシナジー創出や、多様な働き方を支援する環境整備は、人材確保という建設業界共通の課題への対応力強化にも繋がると考えられます。
リスク要因
当社の事業運営におけるリスクとしては、まず公共事業の削減による官公庁工事の減少が挙げられます。国の財政状況や地方自治体の予算編成によっては、主力事業である建設事業の受注が大きく変動する可能性があります。また、建設資材価格や労務費の高騰は、工事採算の悪化を招き、収益性を圧迫する要因となります。さらに、建設業界全体で深刻化する建設労働者不足や、2024年4月から適用された建設業における時間外労働の上限規制への対応は、人材確保と生産性維持の両面で課題となっています。重大な労災事故の発生は、指名停止処分等につながり、事業継続に重大な影響を及ぼすリスクがあります。加えて、M&A戦略においては、期待したシナジー効果が得られない場合や、のれんの減損リスクも考慮する必要があります。感染症の拡大による建設市場の縮小や工事中断も、事業活動に影響を与える可能性があります。
投資テーマとの関連
当社の事業は、直接的にAIや半導体、EVといった先端技術分野に深く関わるものではありませんが、社会インフラの維持・更新や防災・減災といったテーマと関連が深いです。特に、老朽化したインフラの更新需要や、自然災害への対応力強化に向けた投資は、政府の政策や社会情勢によって需要が変動するものの、中長期的な観点からは安定した需要が見込まれます。また、当社が注力する環境配慮型製品の開発は、サステナビリティやSDGsといった投資テーマとの親和性があります。自社開発製品「かぐやロード」がSDGsビジネス賞を受賞したことは、環境問題解決への貢献を示唆しており、ESG投資の観点からも注目される可能性があります。M&Aによる事業拡大戦略は、非連続的な成長を目指す企業への投資といったテーマにも合致する可能性があります。地域社会の安全に貢献するという企業理念は、社会課題解決型ビジネスへの投資という流れとも繋がります。