事業概要
unbanked株式会社(旧社名:unbanked株式会社)は、「人と社会に貢献し、価値を創造する」を企業理念に掲げ、主に金地金事業とノンバンク事業を展開しています。金地金事業では、国内および海外の個人投資家や富裕層に対し、金地金の販売や、ブロックチェーン技術を活用した金価格連動型暗号資産「Kinka(XNK)」の発行・販売を行っています。特に、EMURGO社とのパートナーシップによりカルダノブロックチェーン上での「Kinka(XNK)」発行・流通を強化し、Web3.0ビジネスへの投資を通じて収益源の多様化を目指しています。ノンバンク事業では、事業者向け不動産担保ローン事業に加え、融資型クラウドファンディング事業も手掛けています。2025年7月には商号をunbanked株式会社に変更し、コーポレートブランドの刷新を図り、金ビジネスに新たな価値観を付加することで社会ニーズに応えようとしています。インターネットを通じた小口販売や、100g単位で売買可能な金取引サービス「UNBゴールド」の提供など、多様な販売チャネルとサービス開発を進めています。
直近決算ハイライト
2026年3月期の決算は、売上高が94億円で前期比-1.0%となりました。一方で、営業利益は-28億円(前期は1.87億円の利益)、経常利益は-28億円(前期は3.08億円の利益)、当期純利益は-38億円(前期は2.36億円の利益)と、大幅な赤字に転落しました。これは、金地金事業における販売の低調に加え、ノンバンク事業におけるセグメント損失の拡大が主因です。金地金事業は、前期比12.1%減の80億円の売上高で、セグメント損失は10.67億円となりました。ノンバンク事業は、クラウドバンク株式会社の取得により融資残高が増加し、売上高は前期比299.9%増の13.51億円と大幅に増加しましたが、セグメント損失は14.16億円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは-40億円と大幅なマイナスとなり、現金及び預金も21億円と前期比で37.2%減少するなど、資金繰りの悪化も示唆されています。
強みと競争優位性
unbanked株式会社の強みとしては、まず金地金事業における多様な販売チャネルとサービス展開が挙げられます。国内の対面販売に加え、インターネットを通じた小口販売、さらにはブロックチェーン技術を活用した暗号資産「Kinka(XNK)」の発行・海外販売といった先進的な取り組みは、従来の金取引業者との差別化要因となり得ます。特に、EMURGO社との提携によるカルダノブロックチェーン上での「Kinka(XNK)」展開は、グローバルなWeb3.0ビジネスへの展開可能性を示唆しており、将来的な収益源の多様化に繋がる可能性があります。また、ノンバンク事業においては、融資型クラウドファンディング事業への参入により、資金調達手段の多様化と事業領域の拡大に成功しています。これにより、不動産開発案件などへの投資ニーズに応える体制を強化し、事業基盤の強化を図っています。これらの事業展開は、市場の変化に柔軟に対応し、新たな価値を創造しようとする同社の経営戦略の一環と言えます。
リスク要因
同社は複数の事業リスクを抱えています。最も重大なリスクは、2026年5月26日付で東京証券取引所により特別注意銘柄に指定されたことです。これは、2025年12月に発生した金地金取引における13.4億円の売掛金未回収に端を発し、内部管理体制の不備が指摘されたためです。この指定により、上場廃止のリスクに直面しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在します。さらに、貸金業法等の法令遵守に関するリスク、子会社である日本クラウド証券株式会社の自己資本規制比率低下リスク、顧客との紛議・訴訟リスク、金地金事業および事業者金融事業における他社との競合リスク、暗号資産取引プラットフォームの規制強化リスク、取引先の契約不履行リスクなども存在します。特に、売掛金未回収や貸倒引当金の増加は、財務状況の悪化に直結する直接的なリスク要因となっています。
投資テーマとの関連
unbanked株式会社は、保有する「Kinka(XNK)」という金価格連動型暗号資産を通じて、暗号資産・ブロックチェーン、ひいてはWeb3.0といった先進的な投資テーマとの関連性を持っています。特に、カルダノブロックチェーン創設企業であるEMURGO社とのパートナーシップは、同社が単なる金取引業者に留まらず、新たな技術領域への展開を目指していることを示しています。金はインフレヘッジ資産としても注目されており、世界的なインフレ懸念や地政学リスクの高まりといったマクロ経済環境は、金地金事業にとっては追い風となる可能性があります。しかし、暗号資産市場の規制強化やボラティリティの高さ、そして何よりも同社が抱える内部管理体制の問題や上場廃止リスクといった、事業継続性そのものに関わる重大なリスクが存在するため、これらの投資テーマとの関連性は、現時点ではリスク要因の方が強く表面化している状況と言えます。