事業概要
同社は、「Globe」と「ing」を組み合わせた社名に「地球・世界に羽ばたく、人、企業、社会を育てていく」というメッセージを込めたコンサルティングファームである。Purposeを「Growth Infrastructure」、Visionを「戦略コンサルティングサービスの在り方を、顧客基点で再定義する企業」、Valueを「Passion for Winning(勝たせるコンサル)」と掲げ、本質的な変革に挑戦し、顧客企業を「勝てる集団」に変革することを通じて、日本社会の成長軌道への回帰を目指している。主力事業はコンサルティングであり、戦略策定からDX推進、AI導入支援まで多岐にわたるサービスを提供している。顧客企業のインサイダーとして主体的・継続的にサービスを提供し、客観性の担保と深い関与を両立させることを特徴としている。コンサルティング事業を軸としながらも、高付加価値化やシナジーを生む新規事業の創出にも挑戦し、持続的な企業価値向上を目指している。
直近決算ハイライト
2025年5月期(第10期)の連結決算は、売上高が前期比97.7%増の82億5596万円と大幅に増加した。これは、コンサルタント人員数の着実な増加と、それに伴う新規案件獲得および既存案件の規模拡大、戦略アカウントの拡大が寄与した結果である。営業利益は同657.7%増の28億520万円と、大幅な増益を達成した。売上原価は同73.7%増、売上総利益は同111.6%増となり、販売費及び一般管理費は同23.0%増にとどまったことから、利益率が大きく改善した。親会社株主に帰属する当期純利益も同578.8%増の17億6807万円となった。クラウドプロダクト事業は、セールススイートおよびスペンドインテリジェンススイートの開発を進めているが、投資先行段階のため、売上高は480万円(同166.7%増)、セグメント損失は1億3080万円となった。
強みと競争優位性
同社の強みは、顧客企業のインサイダーとして、外部視点と内部理解を両立させたコンサルティングスタイルにある。CxOクラスとの強固な関係構築や、Joint Initiative(JI)型コンサルティングを推進することで、顧客との一体感を醸成し、変革をリードできる体制を構築している。JI売上高比率は43.6%に達しており、顧客との深い関係性を示唆している。また、AI関連売上高比率が30.0%まで拡大していることは、AI活用ニーズへの対応力の高さを示しており、AI先進企業であるLaboro.AIとのJV設立(X-AI.Labo株式会社)は、AI分野での競争優位性をさらに高める戦略である。コンサルタント平均年収が2012万円と高水準であることは、優秀な人材の獲得・定着につながるインセンティブとなっている。これらの要素が、競合他社との差別化および参入障壁の構築に寄与している。
リスク要因
同社が抱えるリスクとして、まず人材獲得・育成競争の激化が挙げられる。コンサルティング事業の根幹をなす人材の確保が事業拡大のスピードに追いつかず、採用コストの増大や離職率の上昇を招く可能性がある。また、参入障壁の低いコンサルティング業界において、価格・サービス競争が激化するリスクも存在する。さらに、特定の取引先への依存度が高いことも懸念材料であり、売上高の60.8%を上位10社で占め、特にホンダ技研工業、MTG、パーソルクロステクノロジーといった特定企業への依存度が高い。これらの取引先における経営方針の変化や契約内容の変更があった場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性がある。収益認識基準におけるプロジェクトの進捗度見積もりの変動リスクや、新規事業であるクラウドプロダクト事業が想定通りに収益を生み出せないリスクも存在する。
投資テーマとの関連
同社は「AI」という最重要投資テーマに深く関わっている。AI関連売上高比率が30.0%まで成長しており、AIによる顧客のビジネス変革をビジョンに掲げている。AI先進企業であるLaboro.AIとのJV設立は、AI技術の社会実装を加速させる強力な布石であり、今後のAI関連事業の拡大が期待される。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)支援も継続的な需要が見込まれるテーマであり、同社のコンサルティングサービスはこれを包括的にサポートしている。近年注目されている「人材」というテーマにおいても、優秀な人材の確保・育成・定着に注力しており、人的資本への投資を強化している点が評価できる。これらのテーマとの関連性の深さは、同社の成長ポテンシャルを示唆している。