事業概要
同社グループは、都市開発、戦略投資、管理運営、不動産流通の4つの主要セグメントを核とした総合不動産事業を展開しています。都市開発事業では、オフィスビルや商業施設の賃貸・運営、住宅の分譲・請負などを手掛けており、特に広域渋谷圏を中心に大規模再開発を推進し、国際競争力強化を目指しています。戦略投資事業では、インフラ・インダストリー分野への投資や海外での不動産開発、再生可能エネルギー事業などを展開し、ポートフォリオの多様化を図っています。管理運営事業では、マンション管理、ビル管理、ホテル・レジャー施設運営、ヘルスケア事業などを通じて安定的な収益基盤を構築しています。不動産流通事業では、売買仲介や賃貸住宅サービスなどを展開し、市場のニーズに応じたサービスを提供しています。これらの事業を通じて、同社は「誰もが自分らしく、いきいきと輝ける未来の実現」という長期ビジョンに基づき、社会的なテーマと事業を結びつけたプレミアムな価値創造を目指しています。
直近決算ハイライト
2026年3月期において、同社グループは売上高12,460億円、営業利益1,669億円、経常利益1,478億円、当期純利益967億円を達成し、5期連続の増収増益と過去最高業績を更新しました。これは、堅調な不動産売買市場を背景とした投資家向け売却や仲介事業の好調、広域渋谷圏を中心としたオフィス・商業施設の稼働率向上などが貢献した結果です。特に、売上高は前期比+8.3%、営業利益は+18.6%、当期純利益は+24.7%と、大幅な成長を遂げました。セグメント別では、都市開発事業が14.6%増収、戦略投資事業が32.3%増収と大きく伸長しました。管理運営事業は微減収ながらも増益を確保し、不動産流通事業も堅調に推移しました。キャッシュ・フロー面では、営業活動によるキャッシュ・フローが1,295億円と大幅に増加しました。株主還元においては、1株配当48.00円と前期比+31.5%の増配を実施しました。
強みと競争優位性
同社グループの強みは、長年にわたり培ってきたクリエイティブな企業文化と、それを基盤とした新しい事業やサービスの開発力にあります。特に、広域渋谷圏を中心とした大規模な都市開発プロジェクトを推進できる実行力と、多様な事業ポートフォリオから生まれるシナジー効果が競争優位性の源泉です。オフィス・商業施設事業では、都心部を中心に高い稼働率を維持しており、賃料改定の平均増額率も15%に迫る水準で、安定した収益基盤を築いています。また、「BRANZ」ブランドで展開する分譲マンション事業では、高付加価値物件に重点を置くことで、持続可能で環境に配慮した暮らしの提供を目指しています。さらに、再生可能エネルギー事業やDX戦略への積極的な投資、AI活用によるビジネスモデル変革への取り組みも、将来的な成長を支える重要な要素となっています。これらの取り組みを通じて、社会課題の解決と事業成長を両立させる「環境プレミアム」の創出にも注力しています。
リスク要因
同社グループは、投資リスク、財務資本リスク、気候変動リスク、IT戦略・デジタル戦略リスク、人事労務リスク、情報セキュリティリスク、危機管理対応、法務コンプライアンスリスクなど、多岐にわたる事業リスクを認識しています。投資リスクとしては、国内外の景気動向、不動産市況、金利・株価の変動などが挙げられ、これらが事業利益率の低下や資産価値の下落につながる可能性があります。財務資本リスクでは、金利上昇が有利子負債の負担を増加させるリスクがあります。気候変動リスクでは、法規制強化によるコスト増(移行リスク)や、異常気象による建物被害・工事遅延(物理リスク)などが懸念されます。IT戦略・デジタル戦略リスクでは、技術革新や顧客需要の変化への対応遅れが業績に影響を及ぼす可能性があります。また、少子高齢化に伴う労働力人口減少は、人材獲得競争の激化や人件費上昇につながる人事労務リスクも内包しています。これらのリスクに対し、同社はリスク管理体制を強化し、PDCAサイクルを徹底することで、影響の最小化に努めています。
投資テーマとの関連
同社グループは、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを経営の中核に据えており、「サステナブルな環境をつくる」をマテリアリティの一つとして掲げています。具体的には、再生可能エネルギー事業への投資や、環境負荷低減に配慮した都市開発、脱炭素社会への移行計画策定などを推進しており、これはGX(グリーントランスフォーメーション)という投資テーマと深く関連しています。また、DX戦略においては、AI活用や顧客体験価値(CX)の向上、従業員体験価値(EX)の向上を通じて、新たな収益源の獲得やビジネスモデル変革(BX)を目指しており、これはAIやデジタルトランスフォーメーション(DX)といったテーマとの関連性が高いと言えます。さらに、ウェルビーイングな街づくりや多様な人財が活躍できる組織風土の醸成は、人的資本経営やウェルビーイングといった、近年注目度が高まっている投資テーマとも結びついています。これらのテーマへの取り組みは、長期的な企業価値向上に貢献するものと考えられます。