事業概要
当社グループは、温浴施設の運営を中核事業とし、不動産事業、食品事業を併せて展開しています。温浴事業においては、株式会社テルマー湯が温浴サービス、飲食、マッサージを提供する温浴施設を運営し、株式会社エレナは温浴施設と宿泊施設を一体化した施設を運営しています。不動産事業では、当社が自社物件の売買・賃貸を手掛けており、食品事業では、青柳食品販売株式会社が食品・食材・健康食品の企画開発、OEM受託、卸売を行っています。これにより、事業の多角化と収益源の確保を図っています。2026年3月期においては、売上高は27億円で前期比36.0%増と大きく伸長しました。これは、食品事業に進出したことによる貢献が大きく、事業ポートフォリオの拡大が奏功した形です。一方で、営業利益は3億円で前期比10.2%減、経常利益は3億円で前期比9.6%減、当期純利益は2億円で前期比16.3%減と、増収ながらも減益となりました。これは、食品事業におけるれん償却費の計上などが影響したものと考えられます。
直近決算ハイライト
2026年3月期決算では、売上高は前期比36.0%増の27億円と大幅な伸長を達成しました。これは、主に2025年7月に連結子会社となった青柳食品販売株式会社の食品事業が新たに加わったことによるものです。同事業では、大手コンビニ・スーパー向けの具材販売やペットフード製造が好調に推移しました。温浴事業も売上高は同3.6%増の20億円、営業利益は同4.2%増の4.9億円と堅調に推移し、主力事業としての地位を維持しています。特に「テルマー湯 新宿店」では、10周年記念イベントや施設リニューアル、利用時間の延長・深夜早朝料金改定など、集客力向上策が功を奏しました。しかし、全体としては営業利益が前期比10.2%減の3億円、経常利益が前期比9.6%減の3億円、当期純利益が前期比16.3%減の2億円となりました。これは、食品事業におけるのれん償却費の計上や、インバウンド需要の好調の一方で、国内の物価上昇による個人消費の抑制傾向、中東情勢緊迫化に伴うエネルギー価格高騰などが、温浴事業のコスト増に繋がった影響も考えられます。
強みと競争優位性
当社グループの強みは、温浴事業における長年の運営ノウハウと、顧客ニーズに応じたサービス提供能力にあります。「五感を潤す」「くつろげる空間」「癒しの拠点」をコンセプトに掲げ、単なる温浴サービスに留まらず、飲食、マッサージ、さらには宿泊機能やコワーキングスペースの併設など、多様な顧客体験を提供することで、競合他社との差別化を図っています。「テルマー湯 新宿店」の10周年記念イベントや、有名アウフギーサーを招いたイベント、高級ドライヤー・シャワーヘッドへのアップグレード、利用時間の延長など、顧客満足度向上とリピーター獲得に向けた継続的な取り組みは、強固な顧客基盤の構築に寄与しています。また、不動産事業における東京近郊での資産保有も安定した収益源となっています。さらに、新たに加わった食品事業は、ペットフード市場の拡大という成長分野に進出しており、今後の成長ドライバーとなる可能性を秘めています。
リスク要因
当社グループの事業運営には、いくつかのリスク要因が存在します。まず、主力事業である温浴事業は、電気、水道、ガスといったライフラインへの依存度が高く、大規模な自然災害等によるライフラインの停止は、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、衛生管理や水質管理の不備は、営業停止やブランドイメージ低下に繋がるリスクを伴います。さらに、同業他社との競争激化や消費者ニーズの変化も、業績に影響を与える可能性があります。不動産事業においては、国内景気の冷え込みや不動産市況の悪化、テナントの信用力低下による賃料収入の減少がリスクとなります。食品事業においては、食品衛生法等の法令遵守が求められ、予期せぬ品質・衛生問題の発生は、社会的信用の失墜を招く恐れがあります。加えて、温浴事業への依存度が高い事業構造も、当該事業の競争力低下が生じた場合の業績への影響を大きくする要因となっています。
投資テーマとの関連
当社グループは、直接的にAI、半導体、EVといった先端技術分野との関連は薄いものの、インバウンド需要の回復というマクロ経済的な投資テーマとの関連が挙げられます。温浴施設における外国人観光客の利用増加は、同社の売上拡大に貢献しており、今後も訪日外国人観光客の動向が業績に影響を与える可能性があります。また、食品事業においては、ペットの家族化というトレンドを捉え、安心・安全なペットフードの開発・販売に注力しており、これも生活消費関連の投資テーマとの関連性が見られます。さらに、SDGs達成を目指し、持続可能な企業となることを目指している点も、ESG投資といった観点から注目される可能性があります。ただし、現時点では、これらの投資テーマとの直接的かつ強力な結びつきは限定的と言えるでしょう。