事業概要
当社グループは、道路舗装に関連する製品、技術、工事などを幅広く提供する事業を展開しており、持株会社としてグループ会社の経営管理を行っています。事業は大きく「アスファルト応用加工製品事業」「道路舗装事業」「その他」の3つに区分されます。アスファルト応用加工製品事業では、連結子会社であるニチレキ株式会社がアスファルト乳剤や改質アスファルトなどの製造・販売を担っています。道路舗装事業では、日瀝道路株式会社を含む37社の連結子会社や海外関係会社が、舗装工事や防水工事の請負を手掛けています。その他事業としては、不動産賃貸や損害保険代理業などが含まれます。この事業構造は、道路インフラの整備・維持管理という社会基盤を支える重要な役割を担っています。
直近決算ハイライト
2026年3月期の業績は、売上高が759億円で前期比0.1%増と微増にとどまりました。営業利益は59億円(同-5.6%)、経常利益は61億円(同-13.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は43億円(同-11.4%)といずれも減益となりました。アスファルト応用加工製品事業においては、原材料価格の高値圏での推移と実質ベースでの道路舗装工事の伸び悩みにより、売上高は247億円(同-4.3%)、セグメント利益は35億円(同-17.9%)となりました。一方、道路舗装事業は、一部発注遅れはあったものの、国土強靭化対策への対応や確実な工事執行、原価管理の徹底により、売上高は508億円(同2.5%増)と伸長し、セグメント利益は47億円(同12.5%増)と増加しました。総資産は1,226億円(同9.1%増)と増加しましたが、現金及び預金は248億円(同-21.7%)と減少しました。営業キャッシュフローは24億円(同-50.6%)と大幅に減少しており、財務体質としては、固定資産への投資増加に伴い、自己資本比率は64.9%と前期の68.8%から低下しました。
強みと競争優位性
当社の強みは、道路舗装に関する製品開発から調査、設計、施工、管理までを一貫して提供できるソリューションビジネスモデルにあります。特に、長寿命化・高性能化、環境負荷低減といった付加価値の高い製品・工法の開発に注力しており、これにより価格競争の影響を緩和し、顧客ニーズに応じた提案力を高めています。また、中期経営計画「のびやか2030」では、新生産・物流拠点「つくばビッグシップ」の建設を通じて、生産能力の向上、高付加価値製品の製造、品質管理体制の強化、物流管理の最適化を図る計画です。これにより、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、サプライチェーン全体の高度化と生産性・品質・安全性の向上を目指しています。全国を9つのエリアに分けたエリア経営も、地域ごとの市場特性に合わせたきめ細やかな事業展開を可能にする強みと言えます。
リスク要因
当社の事業運営におけるリスク要因として、まず原材料価格の変動および供給動向が挙げられます。アスファルト応用加工製品の主原料である原油価格の高騰や供給不安は、コスト増加に直結し、製品販売価格への転嫁が困難な場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、道路舗装事業における公共事業への依存度が高いこともリスクです。国や地方自治体の財政状況による公共事業予算の削減は、受注量に直接的な影響を与えます。さらに、市場における価格競争の激化は、製品販売価格や工事受注価格の下落を招き、収益性を圧迫する要因となり得ます。加えて、自然災害や感染症の発生、サイバー攻撃による情報漏洩、国際情勢の不安定化に伴う影響なども、事業継続性や業績に影響を及ぼす潜在的なリスクとして認識されています。
投資テーマとの関連
当社グループは、インフラ整備・維持管理という社会的なニーズに応える事業を展開しており、特に「国土強靭化」や「防災・減災」といったテーマとの関連性が深いです。近年、自然災害の激甚化・頻発化を受け、老朽化したインフラの更新や強靭化への投資は不可欠となっており、当社の道路舗装事業や関連製品は、こうした政策の後押しを受けて安定的な需要が見込まれます。また、環境配慮型製品・工法の開発・提供に注力しており、これは「脱炭素」「サステナビリティ」といったESG投資の潮流とも合致しています。中期経営計画では、環境配慮型製品の売上比率向上を目標に掲げており、社会的な要請に応えながら事業成長を目指す姿勢が見られます。DX推進によるサプライチェーンの高度化は、「デジタル変革(DX)」という投資テーマにも関連します。