事業概要
当社グループは、四国電力株式会社を中核とし、電気事業を基盤としながら、情報通信、エネルギー、建設・エンジニアリング、製造、商事、不動産、運輸、サービスなど多岐にわたる事業を展開しています。地域社会との共生を経営の根幹に据え、「地域と共に~地域の発展と、快適・安全・安心な暮らしに貢献します~」を存在意義として掲げています。中期経営計画では「エネルギーとデジタルで未来を創造」を目指し、電気事業と情報通信事業を「コア事業」と位置づけ、収益性向上と事業規模拡大の両立を目指します。さらに、国際事業などを「拡張領域」、脱炭素電力供給・エネルギーソリューション事業を「挑戦領域」と定め、持続的な成長と企業価値の向上を図っています。2026年3月期においては、売上高7,619億円、営業利益678億円を計上しました。
直近決算ハイライト
2026年3月期の決算では、売上高は前期比10.5%減の7,619億円となりました。これは主に、燃料費調整額や容量確保契約金額の減少が小売販売収入および卸販売収入に影響したことによります。営業利益は同23.8%減の678億円、経常利益は同25.9%減の679億円、当期純利益は同25.6%減の508億円と、利益面でも減少が見られました。これは、燃料価格の低下や需給関連費の減少により営業費用は減少したものの、売上高の減少幅が利益の減少幅を上回ったためです。一方、純資産は同9.7%増の4,395億円と増加しており、財務基盤の強化が進んでいることを示唆しています。現金及び預金は同39.6%減の786億円となりましたが、営業キャッシュ・フローは823億円を確保しました。株主還元としては、1株配当が同25.0%増の50円となりました。
強みと競争優位性
当社グループの強みは、四国地域における長年にわたる電力供給事業で培われた安定した事業基盤と、地域社会からの厚い信頼にあります。送配電網というインフラを保有しており、参入障壁の高さが競争優位性となっています。また、伊方発電所のような原子力発電設備を保有していることは、安定的な電源確保という点で強みとなり得ます。さらに、近年は情報通信事業を強化しており、個人向け光通信サービス「ピカラ」やデータセンター事業の顧客基盤を拡大しています。これは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展やAI普及による電力需要増加の可能性を見据えた戦略であり、将来的な成長ドライバーとなることが期待されます。エネルギー事業、建設・エンジニアリング事業など、多角的な事業展開もリスク分散とシナジー創出の観点から強みと言えます。
リスク要因
当社の事業運営におけるリスクとしては、まずエネルギー政策や電気事業制度の変更が挙げられます。これらは事業の前提条件に影響を与える可能性があり、特に脱炭素化に向けた規制強化は、火力発電所の運転制約や再生可能エネルギー導入のための投資増加、カーボンプライシングによるコスト増につながる可能性があります。また、原子力発電所を保有していることから、訴訟への対応や原子力規制への適合、廃炉費用などもリスク要因となります。電力市場の競争激化や電力需要の変動、燃料価格や為替相場の変動も業績に影響を与える可能性があります。さらに、サイバーセキュリティインシデントや大規模な自然災害、設備のトラブルなども、事業継続性や収益に重大な影響を及ぼす潜在的リスクとして認識されています。人材確保の競争激化や資材調達の不安定化も、事業運営上の課題となり得ます。
投資テーマとの関連
当社グループは、脱炭素化という世界的な潮流において、再生可能エネルギー開発やエネルギーソリューション事業を「挑戦領域」と位置づけ、積極的に取り組んでいます。これは、カーボンニュートラルやESG投資といった投資テーマとの関連性が高いことを示しています。また、情報通信事業におけるデータセンター事業の強化やAI活用といった取り組みは、DXやAIインフラといったテーマとも関連しています。将来的には、AIの普及やDXの進展による電力需要の増加が見込まれており、これに対応する電力供給体制の構築は、エネルギーインフラとしての側面から、これらのテーマとの結びつきを強める可能性があります。地域経済への貢献という側面も、広義のSDGs投資という観点から評価され得るでしょう。