事業概要
当社は、「コンサルティング事業」と「デジタル資産トレジャリー事業」の二つの事業セグメントを運営するハイブリッド型ビジネスモデルを展開しています。コンサルティング事業では、中堅・中小企業から国内大手企業までを対象に、経営戦略立案から内部統制構築まで、幅広い経営課題に対するハンズオン型コンサルティングサービスを提供しています。特にITエンジニアリング領域に注力し、独自の育成体制を基盤としたDX推進やシステム開発支援、常駐型技術支援(SES・人材派遣)などを手掛けています。デジタル資産トレジャリー事業では、イーサリアム(ETH)を中心としたデジタル資産の保有・管理を行い、企業のバランスシートを活用した次世代のトレジャリー戦略を推進しています。具体的には、調達資金を用いたデジタル資産の取得、安全な保管・管理に加え、ステーキングや分散型金融(DeFi)といった運用によるインカムゲインの獲得を目指しています。この二つの事業を両輪とすることで、実業による安定的な収益基盤と、デジタル資産による成長ポテンシャルを融合させ、中長期的な企業価値の最大化を図っています。2026年3月期においては、デジタル資産トレジャリー事業を新たに開始し、事業ポートフォリオを拡大しました。
直近決算ハイライト
2026年3月期において、当社は売上高9億円(前期比+37.8%)と大幅な増収を達成しました。これは、コンサルティング事業の順調な拡大と、新たに開始したデジタル資産トレジャリー事業の寄与によるものです。しかし、損益面では、将来の飛躍的な成長を見据えた人材採用や社内体制構築への先行投資を継続したこと、さらにデジタル資産トレジャリー事業におけるイーサリアム(ETH)の期末時点の市場価格に基づく会計上の評価損16.9億円を計上したことが響き、営業損失は4億円(前期比+1.7%で損失幅縮小)にとどまりました。経常損失は22億円、当期純損失も22億円と、前期から大幅に悪化しました。これは、新株予約権の発行・行使や社債発行に伴う資金調達費用に加え、暗号資産の評価損が大きく影響したためです。コンサルティング事業では8.2億円の売上高に対し1.4億円のセグメント損失、デジタル資産トレジャリー事業では0.4億円の売上高と0.4億円のセグメント利益となりました。
強みと競争優位性
当社の強みは、コンサルティング事業におけるITエンジニアリング領域での人材育成・輩出能力と、デジタル資産トレジャリー事業における国内上場企業としての先進的な取り組みにあります。コンサルティング事業では、ポテンシャル層をプロフェッショナルへと育成する独自の集中研修プログラムを強みとしており、慢性的なIT人材不足という社会課題の解決に貢献しています。この「ITエンジニア創出プラットフォーム」は、採用・育成・現場支援までを一気通貫で提供するモデルとして、安定的なストック型収益基盤を構築しています。一方、デジタル資産トレジャリー事業においては、国内上場企業としてはいち早くイーサリアム(ETH)を戦略的に保有・運用する体制を構築しており、これは「デジタル時代の石油」とも称される次世代インフラ資源の確保という点で、他社にはない競争優位性をもたらします。スマートコントラクトの基盤であるETHの希少性と有用性は今後さらに高まることが予想され、ステーキング運用等によるインカムゲイン獲得は、労働集約型ビジネスの制約に縛られない利益成長のドライバーとなる可能性を秘めています。
リスク要因
当社の事業運営におけるリスク要因は多岐にわたります。まず、経済変動リスクとして、国内経済の動向や為替相場の変動、感染症の拡大などがクライアントのIT投資抑制につながる可能性があります。人材採用・育成リスクでは、優秀なITコンサルタントやエンジニアの獲得競争激化による人材流出や採用計画の遅延が、競争力低下や事業拡大の制約となる恐れがあります。プロジェクト管理リスクとしては、クライアント要求の高度化や案件の複雑化により、想定外の作業工数増加や品質低下が発生し、採算が悪化する可能性があります。特にデジタル資産トレジャリー事業においては、暗号資産市場のマーケット・ボラティリティ、規制環境・法令改正、保有暗号資産の保管・管理及びサイバーリスク、イーサリアム(ETH)に関する技術的・制度的リスクなどが、財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。さらに、新規事業への継続的な投資による財務基盤の脆弱性や、将来的な株式追加発行による希薄化リスク、M&A等に伴う一時的な業績悪化リスクなども考慮すべき要因です。
投資テーマとの関連
当社は、複数の重要な投資テーマと関連性の深い事業を展開しています。まず、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」というテーマにおいては、コンサルティング事業を通じて企業のDX推進を支援しており、ITエンジニアリング領域での人材育成・輩出は、このテーマの根幹を支えるものです。次に、「Web3」や「ブロックチェーン」、「暗号資産」といったテーマとは、デジタル資産トレジャリー事業を通じて直接的に関わっています。イーサリアム(ETH)を戦略的に保有・運用し、ステーキングやDeFiプロトコルの活用を視野に入れている点は、これらの先端技術の社会実装と企業価値向上を目指す投資家の関心を集める可能性があります。また、「人材」というテーマも、コンサルティング事業の核となる部分であり、優秀なIT人材の獲得・育成への注力は、企業の持続的な成長に不可欠な要素として、投資家の注目を集めるでしょう。これらのテーマへの取り組みは、当社の事業成長のポテンシャルを示すと同時に、市場のトレンドとの連動性を示唆しています。