事業概要
当グループは、合金鉄、機能材料、焼却灰資源化、アクアソリューション、電力の5つの主要事業を展開しています。合金鉄事業では、フェロマンガン、シリコマンガン、フェロシリコンなどの製造・販売を行い、鉄鋼産業を主要な顧客としています。機能材料事業では、酸化ジルコニウム、酸化ほう素、リチウムイオン電池正極材などを製造・販売し、電子部品や電池材料分野に貢献しています。焼却灰資源化事業は、電気炉を用いた焼却灰の溶融固化処理を通じて、埋め立て処分場の延命化と資源循環に貢献しています。アクアソリューション事業では、純水製造装置や排水処理装置を提供し、水処理技術で社会のニーズに応えています。電力事業では、水力発電による電力供給を行っています。これらの事業を通じて、鉄鋼、電子部品、電池材料、環境・エネルギー分野など、多岐にわたる産業を支えています。2030年を目標とする中長期経営計画では、「事業活動を通じた社会課題の解決」と「持続的な成長を通じた企業価値向上」の両立を目指し、高品質な製品の安定供給と新技術・新製品開発を推進しています。
直近決算ハイライト
2025年12月期(当連結会計年度)の業績は、世界経済の不透明感、歴史的な円安、資源・物価上昇が継続する厳しい事業環境の中で、合金鉄事業におけるマンガン鉱石市況の急落に伴う在庫影響や定期修繕による生産・販売減が響き、連結売上高は77,277百万円(前期比1.2%減)、連結経常利益は2,703百万円(前期比44.4%減)となりました。特に合金鉄事業は、需要低迷と生産過剰による市況悪化、マンガン鉱石市況の低迷により、売上高は48,440百万円(前期比6.4%減)、経常損失2,127百万円(前期は1,085百万円の経常利益)と大幅な減収減益となりました。一方で、機能材料事業は電子部品関連の需要回復や車載用電池材料の販売増により増収増益、焼却灰資源化事業も処理量の増加と貴金属市況の高位安定により大幅な増収増益となりました。アクアソリューション事業、電力事業も増収を維持しました。実力ベース経常利益は53億円(前期52億円)と、一過性要因を除けばほぼ横ばいを維持しました。
強みと競争優位性
当グループの強みは、長年にわたり培ってきた合金鉄事業における安定した生産・供給体制と、主要顧客である鉄鋼メーカーとの強固な関係性にあります。特に、日本製鉄株式会社との取引は当グループの売上高の約56.6%を占めており(2025年12月期)、安定した収益基盤となっています。また、水力発電によるグリーン電源の活用は、電力事業や焼却灰資源化事業においてコスト競争力や環境価値の向上に寄与しており、今後ますます重要性を増すGX(グリーントランスフォーメーション)への対応という観点からも優位性となります。機能材料事業においては、酸化ジルコニウムやリチウムイオン電池正極材など、成長分野向けの製品開発を進めており、将来的な事業拡大のポテンシャルを秘めています。さらに、中長期経営計画において掲げる「事業活動を通じた社会課題の解決」と「企業価値向上」の両立は、サステナビリティを重視する現代の市場環境において、企業評価を高める要因となり得ます。
リスク要因
当グループの業績に影響を与えるリスクは多岐にわたります。まず、合金鉄事業は国際市況に連動するため、市況の変動や主要顧客である鉄鋼生産量の増減、さらには中国、インド、米国などの経済情勢や関税政策が業績に直接的な影響を与えます。また、マンガン鉱石、コークス、電力などの原燃料価格の変動や調達リスクも、製造コストに大きく影響します。為替レートの変動も、外貨建て取引が多い合金鉄事業や原料調達において、収益に影響を及ぼす可能性があります。加えて、国内外の競合他社との競争激化や、需要家の購買方針の変更もリスク要因となります。自然災害や事故、サイバー攻撃による事業中断リスク、そしてCO2排出規制強化などの環境規制の変更も、操業やコストに影響を与える可能性があります。さらに、海外事業展開におけるカントリーリスクや、人材確保・育成の課題も、持続的な成長を阻害する要因となり得ます。
投資テーマとの関連
当グループは、環境・エネルギー分野において、GX(グリーントランスフォーメーション)に積極的に取り組んでいます。2030年までにCO2排出量を2015年比で45%以上削減するという目標を掲げ、50億円規模のGX投資や、木質コークスの採用、水素還元プロセスの導入、ガスエンジン発電設備の導入などを計画しています。これは、カーボンニュートラルや脱炭素社会への移行といった投資テーマと深く関連しています。また、機能材料事業においては、リチウムイオン電池正極材や水素吸蔵合金などを手掛けており、EV(電気自動車)の普及や次世代エネルギー関連というテーマとの接点があります。焼却灰資源化事業は、資源循環型社会の構築に貢献するテーマとも言えます。合金鉄事業は、インフラ投資や製造業の基盤として、経済成長と密接に関わるテーマですが、一方で、その事業活動が環境負荷につながる側面もあり、GXへの取り組みが今後の企業価値を左右する可能性があります。