事業概要
当社グループは、電子基板、基板検査機、鏡面研磨機、産業機械等の製造・販売を主力事業とする企業集団です。電子基板事業では、主にプリント配線板(FPC)の試作から少量多品種の量産までを手掛け、特に医療機器・ヘルスケア分野を重点領域としています。小型・軽量化が進む医療機器向けに、高密度多層基板の技術開発に注力しています。テストシステム事業では、AI、EV、高速通信の普及を背景に成長が見込まれるパワーデバイス市場をターゲットとし、セラミックス基板向けの検査装置開発を進めています。AI技術の活用による欠陥検出力・検査精度の向上や、検査設定の自動化、高速化を目指しています。鏡面研磨機事業では、グラビア印刷機や建設機械向けなどの研磨機販売、機械修理・メンテナンス、消耗品販売を展開しています。産機システム事業では、各種産業機械の製造販売及び仕入販売において、顧客仕様に合わせたカスタマイズや組み合わせ提案による差別化を図り、自動シュリンク包装機や工業用処理槽、金属外観検査装置などの販売を行っています。2025年12月期における連結売上高は37億51百万円(前年同期比6.6%増)となりました。
直近決算ハイライト
2025年12月期において、当社グループは連結売上高3,751百万円(前年同期比6.6%増)を達成し、2年連続で増収となりました。これは、電子基板事業(同6.3%増)、鏡面研磨機事業(同5.6%増)、産機システム事業(同235.1%増)の販売増加が寄与しました。特に産機システム事業は、自動シュリンク包装機や金属外観検査装置などの販売により大幅な増収となりました。一方で、テストシステム事業は、一部検査機の販売減少により同35.4%減となりました。損益面では、希望退職募集に伴う人件費の減少や、売上総利益率の上昇(売上原価率が1.3ポイント低下し70.0%)、販売費及び一般管理費の削減(同7.8%減)により、営業利益は142百万円(前年同期は54百万円の営業損失)と黒字転換しました。経常利益も158百万円(同47百万円の経常損失)と黒字化し、親会社株主に帰属する当期純利益は136百万円(同79百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。ROEは5.3%、EPSは22.84円と、前年同期から大きく改善しました。
強みと競争優位性
当社グループの強みは、電子基板事業におけるFPCの試作から少量多品種の量産まで一貫して対応できる技術力と、長年培ってきた幅広い顧客基盤にあります。特に、医療機器・ヘルスケア分野での高密度多層基板の技術開発力は、小型化・軽量化が進む市場ニーズに応えるものであり、差別化要因となっています。また、テストシステム事業では、AI技術の活用による検査精度の向上や自動化に注力しており、パワーデバイス市場など成長分野での競争優位性を確立しようとしています。産機システム事業においては、顧客仕様に合わせたカスタマイズや組み合わせ提案により、競合他社との価格競争を回避し、付加価値の高いソリューションを提供しています。さらに、社内製造品の売上高増加による売上総利益率の上昇や、希望退職者募集による人件費削減といったコスト構造の改善も、収益性向上に貢献しています。
リスク要因
当社グループの事業運営においては、いくつかのリスク要因が存在します。電子基板事業では、FPC製造において知的財産権を保有しておらず、新規参入や新工法発明による競争激化のリスクがあります。また、顧客であるFPCメーカーが試作を内製化したり、低価格で競合したりする可能性も指摘されています。テストシステム事業では、検査方法の標準化が進んでいないことや、顧客による検査省略、検査機の内製化が進むことで市場が縮小するリスクがあります。鏡面研磨機事業も、参入障壁が低い場合、競争激化により収益性が低下する可能性があります。自然災害や感染症の蔓延も、生産・販売活動への影響が懸念されます。これらのリスクに対し、同社は事業リスク低減のため、ビジネスモデルの再構築や多角的な技術の深化・融合、人材確保・育成、知的財産権の調査・取得、情報セキュリティ対策、事業継続計画(BCP)の策定などを実施しています。
投資テーマとの関連
当社グループは、AI、EV、高速通信といった成長分野との関連性を深めています。テストシステム事業においては、AI技術を活用した検査装置開発を進めており、AIの進化や普及が同事業の成長に直結する可能性があります。また、EV市場の拡大は、パワーデバイス市場の成長を後押しし、セラミックス基板向け検査装置への需要増加が期待されます。電子基板事業では、次世代モビリティに不可欠なSDV(Software Defined Vehicle)の市場導入に伴うDX化の加速や、省エネルギー性能向上への取り組みが、電子部品需要の拡大に繋がると見込んでいます。これらの成長分野への積極的な取り組みは、当社の将来的な事業成長と企業価値向上に貢献する可能性を秘めており、投資テーマとの関連性は高いと言えます。特に、AIやEVといった先端技術分野への注力は、今後の市場開拓において重要な鍵となるでしょう。