事業概要
当社は、発電事業、送変電事業、電力周辺関連事業、海外事業などを手掛ける総合エネルギー企業です。発電事業においては、石炭火力、LNG火力、水力、洋上風力、太陽光など多様な電源を保有し、電力の安定供給に貢献しています。特に、国内の旧一般電気事業者への卸電力販売が収益の大部分を占めています。送変電事業では、電力系統の維持・運用を担っています。電力周辺関連事業では、石炭の調達や発電所建設・保守サービスなどを展開しています。海外事業では、IPPプロジェクトへの参画や再生可能エネルギー開発などを推進し、グローバルな事業展開を進めています。2026年3月期は、売上高1兆1,823億円(前期比-10.2%)、営業利益1,010億円(前期比-27.0%)、経常利益1,585億円(前期比+13.2%)、当期純利益585億円(前期比-36.7%)となりました。
直近決算ハイライト
2026年3月期の連結決算は、売上高が前期比10.2%減の1兆1,823億円となりました。これは、タイでの販売電力量減少や松島火力発電所の休廃止、容量市場価格の下落などが主な要因です。営業利益は同27.0%減の1,010億円と減少しましたが、経常利益は米国火力発電事業の持分譲渡による持分法投資利益の増加などに支えられ、同13.2%増の1,585億円を確保しました。一方で、豪州の再生可能エネルギー発電設備や高砂火力発電所等での減損損失、大間原子力発電所計画における固定資産除却損といった特別損失の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は同36.7%減の585億円となりました。セグメント別では、発電事業の利益が松島火力発電所の休廃止や修繕費増加により大幅に減少した一方、海外事業は持分譲渡益により大幅に増加しました。
強みと競争優位性
当社の強みは、多様な電源ポートフォリオと長年にわたり培ってきた電力インフラ事業における豊富な経験と技術力にあります。石炭火力、LNG火力に加え、水力、洋上風力、太陽光といった再生可能エネルギー、さらには原子力発電所の開発・運営まで、幅広いエネルギー源に対応できる能力を有しています。これにより、エネルギー市場の変動や政策動向に対応しながら、安定的な電力供給と収益基盤の維持を図っています。また、送配電ネットワークの運用や保守に関する専門知識も、事業の安定性に寄与しています。海外事業への積極的な展開も、収益源の多角化と成長機会の獲得に繋がっています。さらに、国内の電力システム改革に対応し、発電事業における競争力強化や電力販売の多様化といった取り組みを進めている点も、将来的な競争優位性を築く上で重要です。
リスク要因
当社を取り巻くリスクとしては、まず気候変動問題への対応が挙げられます。政府によるカーボンニュートラル目標達成に向けた政策強化、排出量取引制度(GX-ETS)や将来的な炭素賦課金・有償オークションの導入は、発電コストや設備投資計画に影響を与える可能性があります。また、電気事業制度改革の進展に伴う料金収入への影響も懸念されます。市場競争の激化や販売先との協議、法規制の変更により、発電コストに見合った収益を確保できないリスクがあります。さらに、大間原子力発電所計画においては、新規制基準への適合性審査の長期化や、安全強化対策工事に伴うコスト増加、予期せぬ事態の発生リスクなどが存在します。燃料費の変動、自然災害、疫病の流行、サイバー攻撃なども、事業運営に支障をきたす可能性があります。
投資テーマとの関連
当社は、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みを経営の根幹に据えており、再生可能エネルギー(洋上風力、太陽光、水力)の開発・拡大に注力しています。これは、脱炭素化やESG投資といった投資テーマと強く関連しています。また、将来のCO2フリー水素・アンモニア戦略やCCS(二酸化炭素回収・貯留)技術の開発は、次世代エネルギーへの移行というテーマに合致しています。大間原子力発電所計画は、エネルギー安全保障と脱炭素化の両立という観点から注目される可能性があります。さらに、電力ネットワークの増強やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進は、インフラ投資やスマートグリッドといったテーマとも関連があります。海外事業における再生可能エネルギー開発への投資は、グローバルなエネルギー転換の流れに乗るものです。これらの取り組みを通じて、持続可能な社会の実現に貢献し、長期的な企業価値向上を目指しています。