事業概要
ステップは、神奈川県を中心に「楽しくて、かつ力がつく」授業をモットーとした学習塾・学童保育の経営および教材制作・編集、印刷・製本を手掛ける企業です。主力事業は、小中学生向けの高校受験コースと高校生向けの大学受験コースであり、特に神奈川県内の公立トップ高校への進学実績No.1を堅持し、難関国私立高校への合格実績向上を目指しています。また、学童教室「STEPキッズ」や企業主導型保育施設も展開し、子供たちの安全で豊かな放課後ライフの実現にも貢献しています。教材制作・印刷部門も有しており、学習塾事業で利用するオリジナル教材の制作から印刷、製本、物品配送までを一貫して行っています。この教材部門の収益は、各学習塾部門の売上高に含まれています。事業展開は神奈川県内に集中しており、特に川崎市と横浜市東部・臨海・南部地区を戦略的重点エリアと位置づけ、強力なスクールネットワークの形成を目指しています。
直近決算ハイライト
2025年9月期決算では、売上高は前年同期比5.0%増の158億46百万円、営業利益は同7.7%増の37億80百万円となり、好調な業績を維持しました。期中平均生徒数は前年同期比4.3%増の35,126人となり、初めて35,000人を突破しました。特に小学生(小5・6)の期中平均生徒数は10.5%増と大幅に伸長しました。学童部門も期中平均生徒数が20.3%増加しました。新規開校を抑制し、既存スクールの充席率向上や満席学年のクラス増設に注力した結果、生徒数と営業利益の両面で順調な成長を達成しました。経常利益は同8.5%増の38億65百万円、当期純利益は同7.2%増の26億89百万円となりました。営業利益率は23.9%を達成し、学習塾業界において高い水準を維持しています。
強みと競争優位性
ステップの最大の強みは、神奈川県における盤石なブランド力と高い進学実績にあります。特に県内公立トップ高校への進学実績No.1という地位は、生徒および保護者からの厚い信頼を獲得しており、新規入塾生の獲得において強力なアドバンテージとなっています。また、東京学芸大学附属高校への17年連続トップ合格者数、主要国公立大学医学部医学科への合格実績など、最難関校においても高い指導力を証明しています。教材制作・印刷部門によるオリジナル教材の開発力と、それらを活用した質の高い授業提供能力も競争優位性の一つです。さらに、神奈川県に事業を集中させるドミナント戦略により、地域におけるブランド認知度を高め、効率的なスクール運営を実現しています。社員を正社員として雇用し、自社で育成する方針は、指導の質の均一化と安定化に寄与し、人材確保リスクを低減する要因にもなっています。
リスク要因
学習塾業界共通の最大のリスクは少子化の進行です。神奈川県においても15歳人口の減少が予測されており、長期的に見ると学習塾市場全体の縮小は避けられません。また、教育制度の変更や入試制度の変動への対応が遅れると、競争優位性が低下する可能性があります。競合他社との合格実績を巡る競争も激しく、合格実績の低下は生徒数の減少に直結しかねません。さらに、講師の質を維持・向上させるための人材確保・育成が計画通りに進まない場合や、大規模な自然災害、感染症の流行による授業実施の制限なども業績に影響を与える可能性があります。個人情報の厳格な管理が求められる中での情報漏洩リスクや、法令遵守の徹底も継続的な課題となります。
投資テーマとの関連
ステップは、教育分野におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展や、教育格差是正といった投資テーマとの関連が考えられます。感染症流行下でのオンライン授業への迅速な対応は、デジタル技術を活用した教育提供能力を示唆しています。また、難関校への合格実績を公立高校生中心に打ち出している点は、教育機会の均等や、学力向上のための質の高い教育へのアクセスの重要性を強調するテーマと合致します。福利厚生制度としての奨学金返還支援制度の導入は、優秀な人材の確保・定着を図る取り組みであり、労働市場の変化への適応という観点からも注目されます。AIや半導体といった直接的なテーマとは距離がありますが、社会インフラとしての教育サービス提供者として、長期的な安定成長が期待できる銘柄と言えます。