事業概要
当社グループは、紙・紙加工品の販売および物流、保管、紙加工業務を主たる業務とする「和洋紙卸売業」と、不動産の売買、賃貸借、管理、仲介を行う「不動産賃貸業」の二つの事業セグメントを展開しています。和洋紙卸売業においては、当社のほか、株式会社辻和、平和紙業(香港)有限公司が紙製品の販売を担い、平和興産株式会社が物流・保管・紙加工業務を担っています。不動産賃貸業は、当社が主導し、平和興産株式会社や取引先と連携して行っています。特に和洋紙卸売業では、特殊紙、ファンシーペーパー、ファインボード、高級印刷紙、ベーシックペーパー、技術紙などを幅広く取り扱っており、多様な顧客ニーズに応えています。2026年3月期における連結売上高は158億円、営業利益は1億円となりました。
直近決算ハイライト
2026年3月期の連結業績は、売上高158億円(前期比1.5%減)、営業利益1億円(前期比30.3%減)、経常利益1億円(前期比29.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1億円(前期比32.8%減)となりました。紙・板紙業界全体で、印刷・情報用紙の構造的な需要減少や物価上昇による需要の冷え込みが継続しており、国内出荷量が前年実績を下回ったことが業績に影響しました。特に和洋紙卸売業では、国内市場における情報伝達媒体のデジタルシフトによる需要縮減や個人消費の冷え込み、海外市場ではアメリカの関税措置の影響もあり、販売量が減少しました。不動産賃貸業では、既存物件の賃貸面積増加により売上は増加しましたが、大阪事務所ビルの賃貸成約遅延や減価償却費の先行により、営業利益は減少しました。
強みと競争優位性
当社グループの強みは、長年にわたり培ってきた特殊紙を中心とした幅広い紙製品の品揃えと、それらを小ロットで供給できる供給能力にあります。ファンシーペーパーなどの特殊紙を多品種在庫として保有することは、新規参入障壁となっており、多様な顧客層からの支持を得ています。また、環境意識の高まりを背景に、脱プラスチック・脱炭素の代替素材として紙への期待が高まっており、特に高級パッケージや機能性付与された技術紙分野において、当社の強みを発揮できる機会が増加しています。さらに、SNS等を活用した販売推進活動や、デザイン・クリエイティブ部門との連携強化、ギャラリーでのイベント開催などを通じて、顧客との関係を深め、新たな需要創造に取り組んでいます。不動産賃貸業においても、保有資産の有効活用を進め、収益化を図っています。
リスク要因
当社グループが直面する主なリスク要因は、紙需要の変動です。デジタル化の進展による印刷・情報用紙の需要縮減は構造的な課題であり、今後も継続すると見込まれています。また、製紙メーカーの価格改定や物流コストの上昇、燃料費高騰、為替変動なども調達コストや採算に影響を与える可能性があります。多品種の在庫を保有することは強みである一方、不回転商品の増加による評価損や減損リスクも存在します。さらに、国際情勢の不安定化に伴う地政学リスクや、自然災害、感染症の発生、訴訟リスクなども、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。資金調達リスクや、コベナンツ抵触による一括返済要求のリスクも潜在的な懸念事項です。
投資テーマとの関連
当社グループは、持続可能な社会の実現に向けた取り組みとして、環境に配慮した「エコロジーペーパー」の開発・販売を推進しており、SDGsへの貢献を企業活動の根幹に据えています。特に、脱プラスチック・脱炭素の流れの中で、紙素材への需要シフトは、パッケージ用途を中心に高まることが期待されており、こうした社会的な要請に応える形で事業機会を捉えようとしています。技術紙分野においても、特殊機能を持つ紙の開発・供給を通じて、特定の産業分野におけるイノベーションを支援する可能性があります。ただし、直接的なAI、半導体、EV、防衛といった先端技術分野との関連性は薄いですが、環境配慮型素材という文脈でのサステナビリティ投資テーマとの親和性は見られます。