事業概要
同社グループは、駐車場事業、スキー場事業、テーマパーク事業を主軸に、社会の「不稼働な資産」に着目し、これを活性化させることで関係者全てのハッピーを目指す「ハッピートライアングル」経営理念を掲げています。駐車場事業では、ノンアセットスタイルを基本とし、ビルに付随する機械式立体駐車場の有効活用や、車両管理業務における包括的なソリューション提供に注力しています。国内では1,512物件の駐車場を運営し、さらなる開拓余地が大きいと認識しています。海外ではタイに進出し、日本で培ったノウハウを活かしたサービス・安全性向上と収益改善を図っています。スキー場事業では、地域活性化の中心としての役割を重視し、ソフト・ハード両面からの再生に取り組んでいます。グリーンシーズン事業の強化や「NSDアライアンス」を通じた事業拡大も推進。テーマパーク事業も同様に地域活性化を担う存在として、集客力向上と地域経済への貢献を目指しています。これらの事業に加え、社会課題の解決や政府が推進する成長分野での新規事業創造にも意欲的に取り組んでいます。
直近決算ハイライト
当連結会計年度において、同社グループは売上高36,832百万円(前期比12.7%増)、営業利益7,659百万円(前期比18.5%増)、経常利益7,832百万円(前期比20.3%増)と、いずれも過去最高を記録する二桁成長を達成しました。特に、駐車場事業、スキー場事業、テーマパーク事業の全ての主力事業において、売上高・営業利益ともに過去最高を更新しました。駐車場事業では、月極駐車場検索サイトの問い合わせ件数が前期比28.9%増加し、国内運営物件数も113物件純増の1,512物件となりました。スキー場事業では、グリーンシーズン・ウィンターシーズン共に来場者数が過去最高を更新し、特にインバウンド客の増加が顕著でした。テーマパーク事業でも、若手社員中心のイベント企画やSNS活用が奏功し、グループ化以降最高の来場者数を記録しました。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は4,799百万円(前期比6.0%減)となりました。これは、韓国法人の清算に伴う特別損失179百万円の計上や、グループ会社の税効果会計適用における一時差異解消に伴う法人税等調整額の増加(前期比876百万円増)が主な要因です。
強みと競争優位性
同社グループの強みは、駐車場、スキー場、テーマパークという異なる事業セグメントを運営し、それぞれの分野で市場のニッチなニーズや「不稼働な資産」に着目し、独自のソリューションを提供できる点にあります。駐車場事業においては、ノンアセット型経営による身軽さと、国内トップクラスの月極駐車場検索サイトの運営による情報網、そしてデータドリブンな営業戦略が、オーナーとユーザー双方にとって価値あるサービス提供を可能にしています。スキー場事業では、グリーンシーズンとウィンターシーズンの両方で収益を上げるための商品開発力、インバウンド需要への的確な対応、そして「NSDアライアンス」によるM&A以外の事業拡大戦略が競争優位性を築いています。テーマパーク事業では、地域特性を活かしたコンテンツ企画力や、宿泊事業との連携による滞在満足度の向上、そして「わんこはかぞく」といった明確なコンセプト設定が、他社との差別化に貢献しています。これらの事業ポートフォリオは、季節性や天候といった外部要因の影響を相互に補完し、安定的な収益基盤を形成しています。
リスク要因
同社グループは、事業運営における様々なリスク要因を認識しており、それらへの対応策を講じています。まず、特定の規制変更のリスクとして、駐車場法や建築基準法など、事業に間接的な影響を与えうる法令の変更に注意を払っています。また、自動運転車の普及による駐車場需給の緩和や、地震・台風・感染症などの自然災害、人災による事業への影響も懸念されます。特にスキー場・テーマパーク事業は天候要因に左右されやすい性質を持っています。海外事業展開においては、タイでの事業運営において政治・経済情勢の変化や法令改正のリスクがあります。為替変動リスクも、海外子会社の損益や資産・負債の円換算に影響を与えます。さらに、保有する有価証券の価格下落による評価損・減損リスク、そして駐車場・スキー場・テーマパーク施設における安全性の問題発生によるブランド・信用への悪影響リスクも存在します。これらのリスクに対し、情報収集、BCP対策、安全管理体制の強化、保有株式の見直し等、多岐にわたる対応策を進めています。
投資テーマとの関連
同社グループは、直接的なAIや半導体といった先端技術分野への関与は薄いものの、その事業活動は複数の重要な投資テーマと関連性を持っています。まず、「観光・地域活性化」というテーマにおいては、スキー場事業とテーマパーク事業がまさにその中核を担っています。地方創生のモデルケースとなることを目指し、地域固有の資産を活かした事業展開や、インバウンド需要の取り込みを積極的に行っています。また、SDGsへの貢献という観点では、カーボンマイナス目標達成に向けたバイオマス発電プロジェクトや、保護犬の里親探し、子供食堂への支援といった活動は、ESG投資の観点から注目される可能性があります。さらに、駐車場事業における「車両管理業務の上流から下流までの総合的なソリューション提供」は、将来的なモビリティサービスの変化や、企業におけるDX推進といったテーマとも接点を持つ可能性があります。特に、災害時の「動く避難所」としてのトレーラーハウス活用といったユニークな取り組みは、防災・レジリエンスといったテーマにも関連付けられます。