事業概要
同社グループは、システム開発および情報サービスを主たる事業として展開する企業グループです。ソフトウェア開発を通じて顧客の製品やシステムの価値向上に貢献することを経営目標に掲げ、ソフトウェアのライフサイクル全体にわたる信頼性の高いトータルサービスを提供しています。事業は、制御システム、自動車システム、特定情報システム、組込システム、産業・ICTソリューションの5つのセグメントに分かれています。制御システム分野ではエネルギープラントや交通・運輸システム、自動車システム分野では自動運転・先進運転支援システムや車載情報機器、特定情報システム分野では防災・危機管理・宇宙航空システム、組込システム分野ではストレージデバイスやIoT建設機械・医療機器、産業・ICTソリューション分野ではビジネスシステムや公共システム構築サービスなどを手掛けています。特に、制御・組込分野とその土台となるプラットフォーム分野において、品質に対する強みを有し、社会インフラ分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進することに注力しています。
直近決算ハイライト
直近決算期において、同社グループは売上高10,473百万円(前年同期比10.6%増)、営業利益1,144百万円(前年同期比19.7%増)と堅調な業績を達成しました。親会社株主に帰属する当期純利益は1,478百万円(同102.3%増)と大幅に増加しましたが、これは主に投資有価証券売却益の発生によるものです。経常利益は1,281百万円(同27.1%増)となり、保険解約返戻金等の影響も受けました。セグメント別では、特定情報システムが危機管理関連の大型案件開始により売上高33.7%増、利益85.0%増と大きく伸長しました。また、産業・ICTソリューションもクラウドシステム好調により売上高7.5%増、利益11.7%増となりました。組込システムは市場回復の兆しが見え、売上高8.3%増でしたが、利益は11.8%減となりました。ROEは13.7%と、投資有価証券売却益の影響もあり大幅に向上しました。
強みと競争優位性
同社グループの強みは、長年培ってきた「ソフトウェアエンジニアリング技術」にあります。これは、アウトプット力、プロジェクト管理力、品質管理力、プロセス改善力、開発技術力、人材育成力、顧客接点(コミュニケーション)力の7要素から成り立っており、顧客の多様なニーズに応じた高品質なサービス提供を可能にしています。特に、人や社会の安全に影響を及ぼす制御・組込分野において、品質に対する高い使命感と実績を有しており、競争優位を築いています。また、中期経営計画では「トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービス(T-SES)」のレベル向上を基本方針とし、人材育成による設計・見積・マネジメント能力の向上、T-SESのトータル度向上を通じて生産性を高め、新規設計案件や大規模案件の受注拡大を目指しています。これにより、開発に関わる会社が増えるほど品質が低下する傾向があるソフトウェア開発において、より広い範囲を受注することが品質維持・向上に繋がり、開発効率の向上にも寄与するという考えに基づいた事業戦略は、差別化要因となっています。
リスク要因
同社グループが認識している主要なリスクとして、まず主要取引先への依存度が挙げられます。上位2社で売上高の42.6%を占めており、これらの顧客の事業運営や方針変更が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、システム開発における「一括請負」契約においては、見積工数と実際にかかる開発コストの乖離による不採算プロジェクト発生のリスクが存在します。さらに、保有する有価証券等の市場価格変動による業績への影響、サイバー攻撃等による顧客機密情報の漏洩リスク、社員による不正行為や不法行為のリスクも抱えています。加えて、システム開発事業に不可欠な優秀な人材の確保・育成が計画通りに進まない場合、技術革新への対応が遅れる場合、中国現地法人の事業におけるカントリーリスク、そして東京を中心とした事業所集中による大規模災害時の事業継続リスクなども懸念されます。
投資テーマとの関連
同社グループは、社会インフラ分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)を注力分野としており、IoT、クラウド、AIといった最新技術を活用したシステム開発に注力しています。これは、現代の主要な投資テーマである「DX」や「AI」との関連性が高いと言えます。特に、老朽化が進み改修が困難となっている社会インフラシステムの保守性、拡張性、サイバーセキュリティを備えた先進的なシステムへの変革を目指しており、これらの分野における技術開発力は、今後の社会インフラの高度化という大きな潮流に乗るポテンシャルを秘めています。また、自動車システム分野での自動運転/先進運転支援関連の開発は、「EV/自動運転」といったテーマにも間接的に貢献しており、先進技術への取り組みは、将来的な成長ドライバーとなる可能性があります。社会インフラの「セキュア」で「スマート」なプラットフォームへの変革に貢献する同社の事業内容は、中長期的な視点での投資テーマとの親和性を示唆しています。