事業概要
当社グループは、「食」を通じて顧客満足向上を追求する多業態飲食チェーンを展開しています。主力事業は「ベーカリーレストラン・サンマルク」をはじめとする西洋風レストラン事業、コーヒーショップ「サンマルクカフェ」、回転ずし「すし処函館市場」、スパゲティ専門店「生麺専門鎌倉パスタ」、ドリア専門店「神戸元町ドリア」、フルサービス喫茶「倉式珈琲店」、牛カツ専門店「牛カツ京都勝牛」および「牛かつもと村」など、多岐にわたる業態を運営しています。2026年3月期末時点で、直営店814店舗、フランチャイズ店54店舗の合計868店舗を展開しており、レストラン事業と喫茶事業の二大セグメントを中心に事業を推進しています。経営戦略としては、各業態の責任と権限を明確化する持株会社体制のもと、管理機能や店舗開発機能などを集約し、経営効率の向上を図っています。また、積極的な新業態開発や既存業態のブラッシュアップ、M&Aによる事業領域の拡大も進めており、安定した経営基盤の確立と企業価値の向上を目指しています。
直近決算ハイライト
2026年3月期の連結決算は、売上高が前期比24.7%増の884億32百万円となり、堅調な成長を達成しました。これは、前期に実施したM&Aによる業績の通期寄与に加え、各業態における競争力強化策が奏功した結果です。特にレストラン事業は同35.9%増の599億69百万円、喫茶事業も同6.3%増の284億62百万円と、両事業ともに増収を記録しました。営業利益は同41.3%増の51億49百万円、経常利益は同31.8%増の50億58百万円と、増収効果に加えて販売費及び一般管理費の売上比率が改善したことで、利益面でも大きく伸長しました。親会社株主に帰属する当期純利益は同6.5%増の27億5百万円となりました。売上原価率は、M&Aで獲得した業態の原価率が既存事業より高い影響で、前期の24.9%から26.8%へとやや悪化しましたが、売上販管比率は69.9%から67.4%へと改善しました。営業活動によるキャッシュ・フローは85億79百万円と、前年比49.2%増加し、財務基盤の健全性を示しました。
強みと競争優位性
当社の強みは、多岐にわたる業態展開によるリスク分散と、各業態で培われた独自のノウハウにあります。例えば、「ベーカリーレストラン・サンマルク」や「生麺専門鎌倉パスタ」といった主力業態は、長年の運営を通じて顧客からの支持を獲得しており、安定した収益基盤を築いています。「サンマルクカフェ」は、その店舗網の広さと商品開発力で、コーヒーショップ市場において確固たる地位を築いています。さらに、近年では「牛カツ京都勝牛」や「牛かつもと村」といった成長性の高い業態を獲得し、インバウンド需要や若年層からの支持を取り込むことで、新たな収益源を確保しています。これらの多様な業態は、それぞれ異なる顧客層にアプローチすることを可能にし、市場の変化に対するレジリエンスを高めています。また、企業理念である「We create the prime time for you.」に基づき、味、雰囲気、サービスの三要素を高次元でバランスさせることを目指しており、これが顧客満足度向上とリピート率の維持に繋がっています。
リスク要因
当社の事業運営におけるリスクとしては、まず多業態展開に伴う事業子会社のリスクを包括的に抱える点が挙げられます。具体的には、新業態の開発・事業化の進展如何によっては、経営成績に影響を与える可能性があります。また、主要食材であるパン生地を株式会社タカキベーカリーから仕入れていることや、牛肉、豚肉といった主要食材の調達において、世界的な需給環境の変化、為替変動、地政学リスク、物流の混乱などによる価格上昇や供給不安のリスクが存在します。さらに、多店舗展開における差し入れ敷金・保証金等の回収リスク、顧客情報の漏洩リスク、食中毒事故や重大な衛生問題発生による食品衛生法関連のリスク、飲食業界全体で共通する人材確保・育成の難しさや、労働法令改正に伴うコスト増加リスクも存在します。自然災害による店舗や物流網への影響、のれん及び無形固定資産の減損リスクも、将来的な業績に影響を与える可能性があります。
投資テーマとの関連
当社グループは、多業態展開を通じて、消費者の多様なニーズに応えるサービスを提供しており、特に「食」という普遍的なテーマに深く関わっています。近年、インバウンド需要の回復や、国内における食体験への関心の高まりは、当社の事業展開にとって追い風となっています。また、M&Aを通じて獲得した「牛カツ京都勝牛」や「牛かつもと村」といったブランドは、訪日外国人観光客や若年層からの人気が高く、インバウンド関連や、食のトレンドを捉える投資テーマとの関連性が期待できます。さらに、2026年5月の本社機能京都移転は、「京都ブランド」を活用したグローバル展開や国内事業の加速、採用力強化に繋がる可能性があり、地域ブランドやグローバル展開といったテーマにも間接的に関連する可能性があります。中期経営計画では、2029年3月期までに売上高1,000億円、のれん等償却前営業利益90億円の達成を目指しており、継続的な成長戦略が実行されれば、飲食・小売業界における有望な投資対象となり得ます。