事業概要
当社グループは、「メガネが主役の時代をつくる」をミッションに掲げ、メガネを単なる視力矯正器具としてではなく、ファッションアイテムや人間の可能性を拡張するツールとして捉え、新しい価値を創造する事業を展開しています。SPA(企画・製造・小売)方式を採用し、自社で企画・デザインした商品を、主に「Zoff」ブランドで全国に332店舗、海外に20店舗(香港17、シンガポール3)の直営・フランチャイズ網を通じて販売しています。主力事業は国内アイウェア市場におけるメガネおよびサングラスの小売販売ですが、近年は機能性レンズの拡充や、アパレルブランド・エンターテイメントコンテンツとのコラボレーション商品開発を積極的に行い、顧客の「ニーズ」を「ウォンツ」へと転換させる商品開発力が強みです。また、「Zoff SMART」や「intelligence metal TITAN」といった独自性の高い機能性商品も展開し、市場の多様なニーズに応えています。2025年10月にはHorus HDグループの株式を取得し、事業領域の拡大も図っています。
直近決算ハイライト
2025年12月期(連結)の業績は、売上高が前期比11.8%増の501億51百万円、営業利益が同19.5%増の59億90百万円、経常利益が同22.6%増の59億79百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同17.2%増の41億19百万円と、増収増益を達成しました。これは、TVCMやインフルエンサーマーケティングなどのプロモーション施策が奏功し、「SUNCUT Glasses」や調光レンズといった主力商品の販売が堅調に推移したことが主な要因です。国内事業では、新規出店28店舗により店舗網を拡大し、売上高は同11.9%増の495億43百万円、営業利益は同18.2%増の59億37百万円となりました。一方、海外事業は、香港が安定推移したものの、シンガポールで景気減速の影響が見られましたが、売上高は同3.4%増の8億98百万円、営業利益は52百万円(前期は22百万円の損失)と黒字化しました。Horus HDグループの連結はみなし取得日である2025年12月31日時点の貸借対照表のみを反映しており、損益計算書には影響していません。
強みと競争優位性
当社グループの最大の強みは、「ニーズ」を「ウォンツ」へと変える強力な商品開発力にあります。SPA方式を採用し、自社で企画・デザインした独自性の高い機能性商品(Zoff SMART、Galileo等)や、人気アパレルブランド・エンターテイメントコンテンツとのコラボレーション商品を継続的に投入することで、市場における差別化を図り、顧客の購買意欲を刺激しています。この商品力に加え、顧客一人ひとりに寄り添う丁寧な接客力も競争優位性となっています。マス層向けのキャスティングや若年層向けのSNSマーケティングといった「社会をミカタにするマーケティング」も巧みであり、幅広い顧客層にアプローチできています。また、国内アイウェア市場は成熟化が進む中で、Zoff事業の属するロープライス市場は成長を続けており、当社のシェア拡大余地は大きいと考えられます。さらに、DX化・EC事業の加速や、戦略的な新規出店により、事業基盤の強化と顧客接点の拡大を図っており、これらの複合的な要因が競争優位性を支えています。
リスク要因
当社グループは、事業活動において様々なリスクに直面しています。まず、メガネ販売における度数測定が「医療行為」とみなされる可能性や、コンタクトレンズ・補聴器販売における高度管理医療機器・管理医療機器としての規制遵守は、法令解釈の変更等により事業活動が制限されるリスクを内包しています。また、個人情報保護法遵守は、情報漏洩時の信用失墜リスクに繋がります。製造物責任法(PL法)に基づき、製品の欠陥による損害賠償責任リスクも存在します。国内アイウェア市場の成熟化や、視力矯正手術等の代替サービスの普及は、市場全体を縮小させる可能性があります。自然災害や感染症のパンデミックは、店舗・物流拠点・生産拠点の操業停止リスクをもたらします。さらに、為替変動(特に中国等からの輸入)、資材価格の高騰、金利変動、情報セキュリティリスク、競合他社の出現、海外製造委託先への依存、出店政策の不確実性、敷金・保証金等の回収リスク、人材確保・育成の難しさ、知的財産権侵害リスク、海外進出に伴う各国の法規制・経済状況の変化といった多岐にわたるリスクが存在し、これらは業績に影響を与える可能性があります。
投資テーマとの関連
当社グループは、現代社会における複数の投資テーマと関連性を持っています。まず、デジタル化の進展は、DX化・EC事業の加速という経営戦略に直結しており、オンライン販売チャネルの強化や業務効率化を通じて、投資テーマとの親和性を高めています。また、社会課題解決への貢献という観点では、増加する紫外線量に対するソリューションとしてのサングラス普及促進は、健康・ウェルネスというテーマと関連します。さらに、メガネを「ファッションアイテム」として、あるいは「人間の可能性を拡張するツール」として捉えるビジョンは、ライフスタイル提案やパーソナライゼーションといったテーマとも合致する可能性があります。近年の健康志向の高まりや、ブルーライトカット、花粉カットといった機能性商品の拡充も、消費者の健康・快適性への関心と連動しています。ただし、AIや半導体、EV、防衛といった明確な成長ドライバーを持つテーマとの直接的な関連性は限定的であり、どちらかというと消費財・小売セクターにおけるトレンドへの適応力や、ニッチな市場での競争力といった側面が強いと言えます。