事業概要
当社グループは、トータルセキュリティネットワークの構築を基本方針とし、コア事業である警備事業を通じて社会に「安心・安全」を提供する提案型の警備を幅広く展開しています。具体的には、建築現場や工事現場等における交通誘導警備、オフィスビルや工場等での施設警備、鉄道関連工事現場での列車見張り警備を主力としています。中でも交通誘導警備は売上高の約57%を占める最重要事業であり、大規模イベント等における雑踏警備も得意分野としています。施設警備も今後拡大が期待される分野と位置づけ、注力しています。連結子会社である株式会社ビルキャストはビルメンテナンス、清掃、労働者派遣業務を手掛け、I・C・Cインターナショナル株式会社はイベント関連の電源供給事業を展開しています。2025年7月1日付で株式会社メーリングジャパンの全株式を譲渡したことに伴い、メーリングサービス事業は連結範囲から除外されました。売上総利益率を重要な経営指標とし、高付加価値営業とコスト管理を徹底することで、事業の更なる発展と経営の安定を目指しています。
直近決算ハイライト
2025年9月期における当社グループの連結業績は、売上高11,907百万円(前連結会計年度比3.0%増)、営業利益859百万円(前連結会計年度比5.2%増)、経常利益964百万円(前連結会計年度比7.0%増)と増収増益を達成しました。これは、主力である警備事業の好調、特に交通誘導警備がゼネコン等への積極的な営業展開により4.4%増、施設警備も首都圏での展開強化により6.6%増と伸長したことが寄与しています。電源供給事業もイベント・コンサートの再開に伴い7.5%増と回復しました。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は757百万円(前連結会計年度比15.0%減)となりました。これは、関係会社株式売却益があったものの、税金等調整前当期純利益の減少が影響したためと考えられます。セグメント別では、警備事業計は10,207百万円(前連結会計年度比4.1%増)となり、セグメント損失は29百万円となりました。ビルメンテナンス事業は22.7%減、メーリングサービス事業は18.0%減となりました。
強みと競争優位性
当社グループの強みは、創業以来培ってきた「安心・安全」を提供する警備事業における長年の実績とノウハウにあります。特に、交通誘導警備においては、建築・工事現場等での豊富な経験を持ち、ゼネコンや建設会社からの信頼も厚く、安定した受注基盤を築いています。また、大規模イベント等における雑踏警備も得意分野としており、そのノウハウを活かせる分野と位置づけています。施設警備も今後の成長分野として注力しており、首都圏を中心に積極的な営業展開を行っています。さらに、警備員の質的向上に力を入れており、教育の徹底や資格取得者の増加を通じて、競合他社との差別化を図っています。具体的には、警備員一人ひとりのスキルアップを推進し、高い専門性を持つ人材育成に努めています。これにより、顧客からの要求水準が高い案件の受注や、警備業法における「検定合格者の配置基準」義務化といった法規制への対応力も強化しており、参入障壁を高めています。
リスク要因
当社グループが認識している主要な事業リスクとして、まずお客様情報の管理に関するものが挙げられます。警備契約において大量の得意先情報を取得するため、万が一、不可抗力の事故等により情報流出が発生した場合、損害賠償請求や信用の低下を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。次に、警備業法をはじめとする法的規制の遵守が挙げられます。警備業法及び関係法令に違反した場合、処罰の対象となったり、認定取消等の行政処分を受けるリスクがあります。これに対応するため、管理体制の強化や社員教育の徹底に努めていますが、リスクが完全に排除されるものではありません。さらに、警備員の採用・退職に関するリスクも存在します。2025年9月期には警備員数が前年比で減少しており、採用計画通りに人材を確保できない場合、受注機会を失う可能性があります。また、警備業界全体として、物価上昇、人件費高騰、人手不足といった課題に直面しており、これらが過当競争による受注単価の低下と重なった場合、売上高や利益を圧迫する要因となり得ます。
投資テーマとの関連
当社グループは、直接的にAIや半導体、EVといった先端技術分野に深く関与しているわけではありませんが、社会インフラを支える「安心・安全」の提供という点で、広範な経済活動の基盤を支える役割を担っています。特に、国土強靭化やインフラ整備といったテーマにおいては、建設現場等での交通誘導警備が不可欠であり、間接的にこれらのテーマへの貢献が期待できます。また、大規模イベントやコンサートの再開に伴う電源供給事業の拡大は、アフターコロナにおける経済活動の正常化というテーマとも関連しています。さらに、警備員一人ひとりの質的向上やDX(デジタル・トランスフォーメーション)への取り組みは、労働生産性の向上やサービスの高付加価値化を目指す現代の経営戦略とも合致しており、将来的な事業成長の可能性を秘めています。警備業界全体が抱える人手不足やコスト上昇といった課題に対し、教育強化やシステム革新を通じて対応していく姿勢は、持続可能な成長を目指す上での重要な要素と言えるでしょう。