事業概要
当期決算期(2026年3月期)において、同社はバックオフィス業務の効率化と改善をミッションに掲げ、主に個人事業主や中小企業をターゲットとした事業を展開しています。主要事業は「アカウンティングサービス事業」「コンサルティング事業」「ビジネスソリューション事業」の3つです。アカウンティングサービス事業では、生命保険営業職員を中心に記帳代行などの会計サービスを提供しており、会員数を着実に増加させています。コンサルティング事業では、中小企業向け管理部門支援、補助金申請支援、経営改善計画策定支援などを手掛け、「エフアンドエムクラブ」の提携金融機関数を拡大し、補助金検索サイト「ホジョサーチ」の提供も開始しました。ビジネスソリューション事業では、士業向けコンサルティングや、人事労務クラウドソフト「オフィスステーション」シリーズの提供を行っており、企業および士業の利用社数・事務所数を着実に伸ばしています。これらの事業は会員制ビジネスを基盤としており、ストック型ビジネスモデルによる安定的な収益確保を目指しています。
直近決算ハイライト
2026年3月期決算は、売上高が208億7百万円と前期比21.9%増と大幅な伸長を遂げました。営業利益は38億58百万円(同42.0%増)、経常利益は39億円(同42.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は28億25百万円(同55.7%増)となり、利益面でも力強い成長を示しました。特に、アカウンティングサービス事業は売上高55億4百万円(同11.8%増)、営業利益18億73百万円(同16.3%増)、コンサルティング事業は売上高81億92百万円(同23.8%増)、営業利益25億92百万円(同55.9%増)、ビジネスソリューション事業は売上高65億24百万円(同28.7%増)、営業利益8億48百万円(同26.4%増)と、主要3事業全てで増収増益を達成し、会社全体の業績を牽引しました。総資産は206億42百万円(同19.3%増)、純資産は154億23百万円(同16.8%増)と、財務基盤も着実に強化されています。
強みと競争優位性
同社の強みは、中小企業や個人事業主といった、きめ細やかなサポートが求められる顧客層に特化したビジネスモデルにあります。特に「サービスの水道哲学」という企業理念に基づき、顧客の多様なニーズに応じた実用性と価値の高いサービスをリーズナブルな価格で提供することで、顧客との長期的な信頼関係を構築しています。また、地域金融機関や税理士、社会保険労務士といった専門家との強力なネットワークを有していることは、顧客へのリーチを広げ、付加価値の高いサービス提供を可能にする独自の優位性です。さらに、AI技術の積極的な導入により、属人的なスキルに依存しない業務の自動化・最適化を図り、オペレーション効率とサービス品質の向上を両立させています。これにより、顧客生涯価値(LTV)の最大化を目指すとともに、競合他社との差別化を図っています。「オフィスステーション」シリーズにおいては、人事労務分野における豊富なノウハウを活かし、機能開発とシリーズ展開を進めることで、市場での存在感を高めています。
リスク要因
同社が認識している主要なリスクとして、まず主要事業の対象マーケットの将来的な減少懸念が挙げられます。アカウンティングサービス事業における生命保険会社営業職員のマーケットは、過去10年間で変動を繰り返してきたものの、将来的には減少する可能性が指摘されています。また、コンサルティング事業における中小企業マーケットは、原油・原材料価格の高騰や人手不足といった供給面の制約が続いており、政府支援の縮小はサービス内容の見直しにつながる可能性があります。海外(中国)への業務委託に関連し、予期せぬ法律・規制の変更や社会情勢の混乱によるサービス提供への影響もリスクとして存在します。さらに、個人情報の管理体制に不備があった場合、情報流出による損害賠償請求や社会的信用の失墜といった深刻な影響を受ける可能性があります。減損会計の適用や、許認可を要する事業における法規制の改正も、経営成績に影響を与える可能性があります。
投資テーマとの関連
同社は「生成AI」という投資テーマと深い関わりを持っています。有価証券報告書においても、生成AIが「導入」から「収益貢献」のフェーズへと移行し、企業の収益に直接寄与する段階に進んだと分析しています。同社は、AI技術を導入したサービス基盤の構築を積極的に進めており、属人的なスキルに依存しないAIによる業務の自動化・最適化、社員の暗黙知をAIで解析・モデル化する取り組みなどを通じて、効率化と高品質なオペレーションを両立させています。これにより、一人ひとりに最適化されたパーソナライズド・サービスを提供し、顧客満足度の向上と営業効率の最大化を目指しています。これは、深刻な労働力不足を打破する抜本的な解決策としても期待されており、AIエージェントへの進化といったパラダイムシフトを捉え、事業成長を加速させる可能性を秘めています。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進という観点からも、同社が提供するクラウド型ソフト「オフィスステーション」シリーズは、企業のバックオフィス業務の効率化に貢献しており、社会全体のデジタル化の流れに沿った事業展開を行っています。