事業概要
当社グループは、土木用セメント製品、建築用セメント製品、および不動産関連事業を主要な事業領域として展開しています。土木用セメント製品事業では、道路用製品や景観用製品などのコンクリート二次製品の製造・販売、関連商品・資材の販売、および施工を手掛けており、当社の全連結子会社がこの事業に関与しています。建築用セメント製品事業では、プレキャストコンクリート(PCa)による床・梁・柱・バルコニーや戸建て住宅用壁・床などの製造・販売、および関連商品・資材の販売、施工を行っています。不動産関連事業においては、木造住宅等の施工販売、不動産販売、宅地開発などを主軸としています。これらの事業を通じて、社会インフラ整備や建築、住環境の向上に貢献しています。2026年3月期においては、売上高は261億円、営業利益は29億円を計上しており、堅調な事業運営を示しています。
直近決算ハイライト
2026年3月期の業績は、売上高が前期比11.4%増の261億円と堅調に増加しました。営業利益は同6.6%増の29億円、経常利益は同7.8%増の29億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同5.1%増の21億円となり、増収増益を達成しました。これは主に建築用セメント製品事業における九州地区の大型物件の寄与によるものです。売上原価は、売上高の増加に加え、原材料・資材価格の高騰や賃上げに伴うコスト増加により、14.2%増加しました。販売費及び一般管理費は、売上高増加に伴う運賃増加などにより2.7%増加しました。セグメント別では、土木用セメント製品事業は売上高168億円(前期比4.0%増)、営業利益33億円(前期比7.1%増)となり、建築用セメント製品事業は売上高85億円(前期比35.7%増)、営業利益8億円(前期比14.6%増)と大きく伸長しました。その他の事業は、売上高8億円(前期比19.6%減)、営業損失26百万円となりました。総資産は168億円(前期比6.3%減)、純資産は100億円(前期比17.6%増)となり、財務基盤も強化されました。
強みと競争優位性
当社の強みは、社会資本整備や建設需要の変動に柔軟に対応できる事業ポートフォリオと、プレキャスト化技術への注力にあります。特に、土木用セメント製品事業では、公共事業投資や国土強靭化、防災・減災対策といった政府の施策動向に合わせた事業展開が可能です。また、建築用セメント製品事業においては、建設現場の人手不足や働き方改革といった業界課題に対応できるプレキャスト工法の需要増加を捉え、営業体制および製品供給体制の強化を進めています。さらに、九州地区における半導体関連産業の集積や、防衛省関連施設整備に係る需要拡大といった地域特性や政府の重点施策にも注視し、事業機会を追求しています。「防衛チーム」の組織化や、宮崎県における「南九州営業部」の新設など、戦略的な営業体制の強化も進めており、これらが競争優位性の源泉となっています。ROE目標10%以上を掲げ、資本効率を重視した経営も強みと言えます。
リスク要因
当社の事業運営におけるリスクとしては、まず土木用セメント製品事業が公共事業投資の動向に大きく左右される点が挙げられます。国土交通省や地方自治体の予算執行や物件発注の増減が、製品需要に直接影響を与えます。また、冬季の工事凍結や天候不順など、季節的変動も業績に影響する可能性があります。さらに、短期借入金の多くが変動金利であるため、金利の急激な上昇は財務成績に影響を及ぼすリスクがあります。自然災害による工場や資材への被害、感染症拡大による経済悪化や建設工事の中断・遅延も、事業継続に影響を与える可能性があります。原材料価格の高騰も、収益性を圧迫する要因となり得ます。これらのリスクに対し、有利子負債の圧縮、災害対策、調達戦略の強化などに取り組んでいますが、不確実な外部環境の変化には常に注意が必要です。
投資テーマとの関連
当社は、国土強靭化や防災・減災対策といった公共事業の推進、および防衛省関連施設整備への需要拡大といった投資テーマと密接に関連しています。国土強靭化計画や防衛費の増加は、当社の主力製品である土木用セメント製品の需要を直接的に押し上げる要因となります。特に、老朽化対策や災害対策としてのインフラ整備は、今後も継続的な需要が見込まれます。また、半導体産業の集積に伴う産業用地や周辺道路整備といった地域開発も、事業機会として捉えています。建設業界全体で省人化・効率化が求められる中、プレキャスト工法への注力は、建設DXや生産性向上といったテーマとも関連が深いです。これらの政策動向や社会課題への対応を通じて、持続的な成長を目指す企業として、投資テーマとの関連性は高いと考えられます。