事業概要
当社は「日本に新しい洗車文化を」という企業理念のもと、高品質なカーコーティングサービス「KeePer」ブランドの展開を中核事業としています。事業は大きく「キーパーLABO運営事業」と「キーパー製品等関連事業」の二つに分かれます。キーパーLABO運営事業では、直営店およびフランチャイズ(FC)店を通じて、KeePerコーティングの施工・販売、洗車サービスを提供しています。2025年6月末時点で156店舗体制となっており、今後も積極的な出店を計画しています。キーパー製品等関連事業では、KeePerコーティングに必要なケミカル用品、道具、機械類などの開発・製造委託・販売を行います。この事業は、ガソリンスタンドを中心としたカーアフターマーケットへの製品供給、新車ディーラーへの販売強化、さらには海外事業や車以外の分野(モバイル、ハウスクリーニング、家電など)への展開も進めています。企業文化として、単なる洗車・コーティングサービスに留まらず、車の美的価値を高めることで顧客に喜びを提供し、従事する人々に誇りを持てる職場環境を創出することを目指しています。
直近決算ハイライト
2025年6月期は、売上高230億93百万円(前期比12.2%増加)、営業利益70億98百万円(同16.3%増加)、経常利益71億31百万円(同17.4%増加)と、売上・利益ともに過去最高を更新しました。キーパーLABO運営事業では、売上高126億92百万円(前期比13.5%増加)、営業利益27億16百万円(同19.5%増加)と堅調に推移しました。特に、高付加価値のEXキーパーの施工台数が前期比13.3%増加するなど、高単価商品の需要が伸びています。一方、キーパー製品等関連事業は、売上高104億円(前期比10.7%増加)、セグメント利益43億81百万円(同14.4%増加)となりました。同事業の主力であるアフターマーケット(ガソリンスタンド中心)は、燃料価格高騰や石油元売り系列の再編による混乱の影響で、売上高が前期比0.8%減少しました。しかし、新車マーケット向け販売は同32.4%増加し、構成比も伸長するなど、事業構造の転換が進んでいます。
強みと競争優位性
当社の強みは、高品質なカーコーティングブランド「KeePer」の確立と、それを支える独自のビジネスモデルにあります。KeePerブランドは、その高い品質と顧客満足度から、リピート率約85%という高い顧客定着率を誇り、これが安定的な収益基盤となっています。また、全国に広がるトレーニングセンターとインストラクターによる技術指導体制、さらにはキーパープロショップやキーパーLABOの施工技術力の高さが、競合との明確な差別化要因となっています。さらに、製品開発から卸販売、直営店運営、技術研修までを一貫して手掛けるビジネスモデルは、現状では競合が存在しない独自の強みです。新車マーケットへの積極的なアプローチや、トヨタ、ホンダ、スバル、ボルボ、メルセデス・ベンツといった主要自動車メーカーとの純正採用が進んでいることも、ブランド力と市場シェア拡大に貢献しています。
リスク要因
当社の事業運営におけるリスクとしては、まず主要取引先であるドイツSONAX社への依存が挙げられます。SONAX社が製造するケミカル製品は、当社のボディガラスコーティングの大部分に使用されており、仕入高の42.1%を占めます。同社の事業政策の変更や事業再編等により取引関係が継続困難となった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、SONAX社がドイツを拠点としていることから、欧州の地政学リスクが調達に影響を与える可能性も指摘されています。人材採用・保持もリスク要因であり、キーパーLABO事業の急速な拡大に伴い、技術・ノウハウを習熟した人材育成に時間がかかることが、成長の足かせとなる可能性があります。さらに、ガソリンスタンド業界の再編成や燃料油販売数量の減少は、アフターマーケット事業に構造的な課題をもたらしています。為替変動リスクも存在し、輸入仕入高の48.4%が海外からの製品であるため、急激な為替変動が業績に影響を与える可能性があります。
投資テーマとの関連
当社は、自動車関連ビジネスの中でも、環境意識の高まりや「車を大切に長く乗りたい」という消費者のニーズ増加を捉え、カーコーティング市場で独自の地位を築いています。これは、SDGs(持続可能な開発目標)における「つくる責任 つかう責任」や、長寿命化・リサイクルといったテーマとの関連性が考えられます。また、自動車業界におけるCASE(Connected, Autonomous, Shared & Services, Electric)の進展は、必ずしも直接的な事業機会とは言えないものの、自動車のメンテナンスや美装に関する需要は、長期的に安定して存在すると見込まれます。特に、新車販売台数が将来的に減少する見込みの中で、既存車両の価値維持・向上のためのサービスへの需要は、相対的に高まる可能性があります。現時点では、AI、半導体、EV、防衛といった直接的な投資テーマとの関連性は限定的ですが、自動車のライフサイクル全体を捉えたサービス提供という観点から、将来的な関連性の深化も期待できるかもしれません。