事業概要
株式会社インフォマートは、インターネットを活用したBtoB(企業間電子商取引)プラットフォームを主たる事業として展開しています。主要な収益源は、全国の利用企業から得られるBtoBプラットフォーム使用料であり、「BtoBプラットフォーム 受発注」、「TANOMU」、「BtoBプラットフォーム 請求書」、「BtoBプラットフォーム TRADE」といった多様なサービスを提供しています。事業拡大のためには、利用企業の利便性向上による顧客満足度の維持・向上、新規企業獲得による利用企業数の拡大、そして商習慣の変化や顧客ニーズを捉えた機能・サービス開発による月額顧客単価の増加が不可欠となります。同社は、特に「BtoB-PF FOOD事業」と「BtoB-PF ES事業」の二つのセグメントを中心に、食品業界における受発注業務や規格書管理の効率化、企業間の請求書発行・受取業務のデジタル化などを推進しています。これらのサービスを通じて、企業間の取引コスト削減や経営効率化を支援し、グローバルなBtoBプラットフォーム企業を目指しています。
直近決算ハイライト
2025年12月期において、インフォマートは堅調な成長を達成しました。売上高は18,817百万円と、前年度比20.4%増(3,186百万円増)を記録し、中期経営目標である売上高200億円突破へ大きく前進しました。この成長は、BtoBプラットフォーム全体の企業数・事業所数の拡大、特に「BtoBプラットフォーム 受発注」の料金改定や「BtoBプラットフォーム 請求書」の新規導入・稼働拡大が牽引しました。「BtoB-PF FOOD事業」は11,930百万円(同19.9%増)、「BtoB-PF ES事業」は6,886百万円(同21.2%増)といずれも増収となりました。利益面では、売上原価がデータセンター費用のクラウド移行による大幅な減少(前年度比15.4%減)や、売上総利益の増加が販売費及び一般管理費の増加を吸収した結果、営業利益は2,863百万円(同138.6%増)、経常利益は2,836百万円(同138.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,922百万円(同193.3%増)と、大幅な増益を達成しました。これは、中期経営計画における「増収増益基調の継続、高収益性への回帰」という目標達成に向けた確かな一歩と言えます。
強みと競争優位性
インフォマートの最大の強みは、長年にわたり培ってきたBtoBプラットフォーム運営における実績と、それによって構築された広範な企業ネットワークです。特に、標準システムによる低価格帯でのサービス提供は、多くの企業にとって導入のハードルを下げ、価格優位性として競争力の源泉となっています。これにより、「BtoBプラットフォーム 受発注」はフード業界で、「BtoBプラットフォーム 請求書」はインボイス制度開始後も大手企業を中心に導入が進み、それぞれ強固な顧客基盤を築いています。また、株式会社タノムの子会社化など、M&Aや資本業務提携を積極的に推進し、事業領域の拡大やシナジー創出を図っている点も特徴です。さらに、2025年12月期においては、サーバーのクラウド移行によりデータセンター費が大幅に減少するなど、コスト最適化への継続的な取り組みも、収益性向上に貢献しています。ISMS認証やSOC報告書の取得など、情報セキュリティ体制の強化に努めていることも、信頼性の向上に寄与しています。
リスク要因
インフォマートの事業拡大は、利用企業数の増加と月額顧客単価の増加に依存しており、これらの前提条件が満たされない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、事業は通信ネットワークとシステムに大きく依存しているため、自然災害やサイバー攻撃による通信・システム障害は、事業継続に重大なリスクとなります。個人情報の管理体制には万全を期していますが、情報流出や悪用が発生した場合、信用低下や損害賠償請求につながる恐れがあります。BtoBプラットフォーム事業は、電気通信事業法、電子帳簿保存法、インボイス制度、個人情報保護法など、広範な法的規制の適用を受けており、法制度の改廃への対応遅延やデータプライバシー規制の強化は、事業展開に制約を与える可能性があります。さらに、AI技術の急速な進化は、競争優位性の低下や既存ビジネスモデルの陳腐化を招くリスクも孕んでいます。優秀なIT人材の獲得競争の激化や人材流出も、事業継続・成長における懸念材料となります。
投資テーマとの関連
インフォマートの事業は、企業間取引のデジタル化(DX)を推進するBtoBプラットフォームの提供であり、現代のデジタルトランスフォーメーション(DX)という大きな投資テーマと密接に関連しています。特に、インボイス制度や電子帳簿保存法といった法改正を背景とした請求書業務のデジタル化(「BtoBプラットフォーム 請求書」)や、食品業界における受発注業務の効率化(「BtoBプラットフォーム 受発注」)、そして見積から発注・請求までをクラウド管理する「BtoBプラットフォーム TRADE」は、企業の業務効率化・コスト削減ニーズに直結しています。AI技術の進化にも言及しており、生成AIを含むAI技術の活用による業務プロセスの自動化やデータ分析の高度化といった、AI関連の投資テーマとも将来的に接点を持つ可能性があります。これらのテーマへの関心の高まりは、同社プラットフォームへの需要を刺激し、事業成長を後押しする要因となり得ます。