事業概要
当社は、設計開発アウトソーシング事業を中核とし、美容・健康商品製造販売事業、不動産賃貸事業を展開する企業です。設計開発アウトソーシング事業では、機械・機械部品の設計開発、ソフトウェア開発などを、3D-CADを駆使して行っています。この事業は、顧客企業へ技術者を派遣する「派遣業務」と、顧客から設計・開発業務を受託し成果物を納品する「請負業務」に大別されます。請負業務はさらに、自社事業所内で業務を行う「受託型」と、顧客先に常駐して業務を行う「常駐型」に分かれます。自動車・輸送機器分野が売上の約6割を占め、トヨタ自動車株式会社向け売上高が全体の約25%を占めるなど、特定の業界・企業への依存度が高い特徴があります。その他、3D-CAD教育、3Dプリント試作、解析業務なども手掛けています。美容・健康商品製造販売事業では、水素水の製造・販売やOEM受託製造を行っており、不動産賃貸事業も営んでいます。2025年4月にはベトナムに現地法人を設立し、グローバル展開も開始しました。
直近決算ハイライト
2025年9月期(通期)の業績は、売上高106億27百万円(前期比6.2%増)、営業利益9億63百万円(同6.7%増)、経常利益9億77百万円(同7.9%増)、当期純利益6億49百万円(同6.3%増)と、増収増益を達成しました。主力である設計開発アウトソーシング事業は、単価改善の進捗と請負業務における要員増加が業績を牽引し、売上高105億17百万円(同6.8%増)、セグメント利益(営業利益)18億39百万円(同4.7%増)となりました。特に請負売上高比率は58.6%と、付加価値の高い請負業務が事業の安定化に貢献しています。一方、美容・健康商品製造販売事業は、売上高1億44百万円(同1.9%減)と微減でしたが、配送形態の効率化による発送費削減が寄与し、セグメント利益は23百万円(前年は営業損失)と黒字転換しました。不動産賃貸事業は、売上高60百万円(同1.5%減)、セグメント利益21百万円(同18.3%減)となりましたが、賃貸物件は引き続き高稼働を維持しています。
強みと競争優位性
当社の強みは、長年にわたり培ってきた設計開発アウトソーシング事業における専門性と技術力、そして顧客との強固な信頼関係にあります。特に自動車関連分野においては、主要顧客であるトヨタ自動車株式会社との取引実績が24.8%を占めるように、深い関係性を構築しており、安定した受注基盤となっています。また、設計技術者集団を目指し、優秀な技術者の確保と教育に注力しており、技術者の年間平均稼働率が95.4%と高い水準を維持していることは、人材力の高さを裏付けています。請負業務比率を58.6%と、付加価値の高い業務を継続的に伸ばしている点も、単なる人材派遣にとどまらない競争優位性と言えます。さらに、「デジタルソリューション企業」への変革を目指し、ソフトウェア分野、デジタル解析ソリューション、顧客向けDXソリューションといった新領域への取り組みを強化していることは、将来的な成長に向けたポジティブな要素です。
リスク要因
当社の事業運営におけるリスクとしては、まず法規制の変更が挙げられます。労働者派遣法や請負業務に関連する民法、さらには水素水製造等に関わる食品衛生法などの改正・変更が事業に影響を及ぼす可能性があります。また、主力事業である設計開発アウトソーシング業界における競争激化は、技術者数の減少や単価下落を招き、業績悪化の要因となり得ます。人件費や社会保険料率の上昇も、売上原価の90%以上を占める労務費への影響から、収益性を圧迫するリスクとなります。さらに、自動車関連分野への依存度(約60%)の高さは、同業界の業績動向やEV普及、モジュール化といった構造変化の影響を受けやすい脆弱性を示しています。特定取引先(トヨタ自動車)への依存度(24.8%)も、同社の経営方針や投資動向の変更が業績に直接的な影響を与えるリスクとなり得ます。技術者の確保・定着も、事業拡大の鍵であり、不足や大量離職は稼働率低下に繋がりかねません。
投資テーマとの関連
当社は、自動車産業の技術革新、特にEV化や自動運転技術の進展に不可欠な設計開発サービスを提供している点で、EV(電気自動車)や次世代自動車といった投資テーマと関連が深いです。軽量化設計技術や、自動車の電動化に伴うソフトウェア・電子部品開発、組込/制御ソフトウェア開発分野への注力は、これらのテーマとの親和性を示しています。また、中期経営計画において「デジタルソリューション企業」を目指し、設計DX、AI・AR技術の応用、解析事業の拡大といった戦略を掲げていることは、AIやDX(デジタルトランスフォーメーション)といった成長テーマにも連動する可能性があります。ただし、現時点ではこれらの新規分野における売上構成比は低く、売上の大半は依然として自動車関連の設計開発アウトソーシングに依存しているため、テーマとの関連性の深さは今後の事業展開にかかっています。