事業概要
当社グループは、主に横編機、デザインシステム、手袋靴下編機の製造販売を中核事業として展開しています。これらに加え、関連部品の製造販売や、繊維原料製造・販売、繊維製品製造・販売、さらにはホテル業といった「その他」の事業も手掛けています。製造は当社および子会社で行われ、販売は国内・海外ともに直販、商社、代理店経由で行われ、海外では複数の現地法人が販売を担っています。特に横編機事業は当社のコアビジネスであり、アパレル・ファッション業界における生産効率化やデザイン性の向上に貢献する製品を提供しています。デザインシステム関連事業では、ソフトウェアのサブスクリプションサービスや自動裁断機なども展開し、事業領域の拡大を図っています。その他の事業としては、繊維関連事業やホテル業があり、事業ポートフォリオの多様化に寄与しています。2026年3月期においては、売上高335億9百万円を計上しました。
直近決算ハイライト
2026年3月期の業績は、売上高が前期比3.0%増の335億9百万円となり、堅調な増加を示しました。利益面では、前期に計上した棚卸資産評価損や貸倒引当金繰入額などの一過性の費用・損失が大幅に減少したことにより、大幅な改善が見られました。営業損失は前期の119億14百万円から17億20百万円へと大幅に縮小しました。経常利益は前期の114億81百万円の損失から2億88百万円の黒字に転換し、当期純利益も前期の142億75百万円の損失から8億56百万円の黒字となりました。特に横編機事業では、アジア地域での受注回復や欧州市場での高級ブランド向け販売増加により、売上高が前期比2.7%増の238億66百万円、セグメント利益(営業利益)が前期の50億19百万円の損失から25億59百万円の黒字へと大きく改善しました。デザインシステム関連事業も、ソフトウェアサブスクリプションサービスの増加や自動裁断機の需要回復により、売上高が前期比7.8%増の30億36百万円、セグメント利益(営業利益)が前期比489.9%増の6億71百万円と好調でした。
強みと競争優位性
当社の強みは、長年にわたり培ってきた高度な技術力に裏打ちされた製品群、特にホールガーメント横編機をはじめとする革新的な製品開発力にあります。これにより、アパレル・ファッション業界において、デザイン性の向上、生産効率の改善、そしてサステナブルなモノづくりを支援するソリューションを提供できる点が競争優位性となっています。また、グローバルに展開する販売・サービスネットワークも強みの一つであり、世界各地の顧客ニーズに迅速かつ的確に対応する体制を構築しています。デザインシステム事業におけるサブスクリプションモデルの導入や、自動裁断機事業の拡大は、新たな収益源の確保と事業領域の拡大につながっており、将来的な成長に向けた基盤となっています。さらに、研究開発への積極的な投資と、変化する市場環境に対応するための継続的な経営基盤の再構築やソリューションビジネスの確立といった経営戦略も、競争優位性を維持・強化する上で重要な要素です。
リスク要因
当社グループの事業展開におけるリスクとしては、まず市場環境や競合状況の変動が挙げられます。消費者のライフスタイルの変化、環境意識の高まり、経済活動の停滞、天候不順などが主要販売先の設備投資に影響を与え、横編機等の需要を減退させる可能性があります。また、資材調達におけるサプライチェーンの混乱や原材料価格の高騰、資源不足による納期遅延リスクも存在します。さらに、為替レートの変動は海外売上高比率が高いことから業績に影響を及ぼす可能性があります。知的財産保護戦略の課題として、海外競合他社による模倣品の流通や、生成AI、SNSの普及に伴う新たなリスクも認識されています。その他、自然災害、国際紛争、感染症の拡大といった不可抗力要因、生産拠点の一極集中によるリスク、組織・人材に関するリスク、情報セキュリティリスク、コンプライアンス違反リスク、サステナビリティ課題への対応なども、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
投資テーマとの関連
当社の事業は、アパレル・ファッション業界のサプライチェーン効率化や、デジタル技術を活用したデザイン・生産プロセスの革新といったテーマと関連が深いです。特に、サステナビリティへの関心の高まりは、生産効率の向上や、必要量を必要な時に生産する「あるべきビジネスモデル」の構築を後押ししており、当社の技術やソリューションが貢献できる分野は大きいと考えられます。また、デザインシステム関連事業におけるソフトウェアサブスクリプションや、自動裁断機事業の拡大は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の流れとも合致しており、アパレル業界のデジタルトランスフォーメーションを推進する一翼を担う可能性があります。一方で、AIや自動化技術の進展は、当社の主力である横編機事業においても、さらなる技術革新や付加価値向上を促す可能性があり、今後の動向が注目されます。これらの投資テーマとの関連性は、中長期的な企業価値向上に寄与するポテンシャルを示唆しています。