事業概要
当社は、電気計測器の開発、生産、販売、サービスを主力事業とする研究開発型企業です。創業以来培ってきた計測技術を基盤に、産業の基盤を支える高品質な製品とサービスを提供しています。主要な顧客層は製造業であり、電機、自動車、電子部品、環境・新エネルギーといった多岐にわたる業界に製品を供給しています。特に、近年世界的に加速している脱炭素化の流れを捉え、再生可能エネルギーへの転換や、電気自動車(EV)の普及といった分野に注力し、高付加価値製品の開発・提供を通じて事業拡大を図っています。グローバル展開を積極的に進めており、海外売上高比率は63.6%に達しています(2025年12月期)。「測る」というコア技術を進化させ、顧客と共に持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
直近決算ハイライト
2025年12月期において、売上高は前連結会計年度比3.2%増の405億31百万円と着実な成長を遂げました。これは、バッテリー市場、モビリティ市場、コンポーネント市場におけるEV関連や半導体セクターからの堅調な需要に支えられた結果です。特に中国市場では大幅な売上増加が見られました。しかしながら、利益面では、創業90周年記念事業の一過性費用やDX推進に伴う先行投資が販売費及び一般管理費を増加させた影響により、営業利益は同9.8%減の67億91百万円、経常利益は同11.1%減の71億6百万円と減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益も同11.8%減の54億57百万円となりました。ROEは13.0%(目標15%以上)と未達であり、海外売上高比率も63.6%(目標70%以上)と目標達成には至りませんでした。
強みと競争優位性
当社の強みは、電気計測器分野における長年の経験と、それを支える高度な研究開発力にあります。顧客のニーズをいち早く捉え、他社にはない独自の製品を開発する「オンリーワン」志向が、競争優位性の源泉となっています。特に、脱炭素化や電動化といったメガトレンドに対応した製品開発力は、今後の成長ドライバーとなり得ます。グローバルに展開する販売網、特にアジア地域における顧客密着型の課題解決スタイルは、海外市場での競争力を高めています。また、単一事業セグメントである電気計測器事業に集中することで、専門性を深化させ、リソースを効率的に配分できる点も強みと言えます。株主資本コスト10%前後という厳格な目標設定のもと、ROE15%以上を目指す姿勢は、資本収益性向上への強いコミットメントを示しています。
リスク要因
当社の事業運営におけるリスク要因は多岐にわたります。まず、主要顧客である製造業の設備投資動向に業績が左右されやすい点が挙げられます。また、海外売上高比率が63.6%に達する中、海外市場、特に中国を中心としたアジア地域の地政学的リスクや法規制の変更、為替変動は業績に大きな影響を与える可能性があります。品質に関わる重大な問題発生時の損害賠償リスクや、半導体市場の動向に左右される原材料調達リスク、そして大規模な設備投資に伴う減価償却費負担の増加も懸念されます。さらに、競合企業との価格競争や、知的財産権侵害、情報セキュリティインシデント、自然災害や気候変動による影響も、潜在的なリスクとして認識されています。
投資テーマとの関連
当社は、「脱炭素化」および「EV(電気自動車)関連」という二つの主要な投資テーマと深く関連しています。世界的なエネルギー転換の流れの中で、再生可能エネルギー関連の設備投資が拡大しており、当社が提供する電気計測器は、そのインフラ構築や効率化に不可欠な役割を果たします。また、EVの普及に伴い、バッテリーや電源技術、関連部品の高性能化・小型軽量化が求められており、これらの分野に特化した当社の計測ソリューションは、需要の増加が見込まれます。さらに、半導体セクターの動向も事業に影響を与えるため、AIやIoTといったテーマとの間接的な関連性も存在します。これらの成長分野への貢献を通じて、持続的な企業価値向上を目指す姿勢は、長期的な視点での投資妙味を高める要素となります。