事業概要
当社グループは、独自の「アナログコア技術」を核とした事業展開を行う価値創出企業です。創業以来培ってきた「混合分散(まぜる)」「精密塗布(ぬる)」「高精度成形(かためる)」の技術を基盤に、エネルギー、機能性部材料、光学・システム、価値共創の4つの事業セグメントを通じて、社会の持続可能な発展に貢献することを目指しています。特に、エネルギー事業では一次電池や二次電池、機能性部材料事業では塗布型セパレータや建築・建材用テープ、光学・システム事業では車載カメラレンズユニットや半導体DMSなどを展開しています。これらの事業は、自動車、ICT/AI、医療、インフラといった成長分野に深く関わっており、各分野におけるメガトレンドを捉えた製品・サービスを提供しています。2026年3月期の売上高は1,294億円となっています。
直近決算ハイライト
2026年3月期の連結売上高は1,294億円となり、前期比-0.3%と微減でしたが、営業利益は79億円(前期比-15.3%)、経常利益は86億円(前期比-12.0%)と、利益面では減益となりました。これは、一部原材料費の高騰や半導体関連製品の回復遅延、健康・理美容製品への米国の関税措置の影響などが要因として挙げられます。しかしながら、当期純利益は83億円(前期比+102.0%)と大幅に増加しました。これは、主に一時的な特別利益の計上などが影響したと考えられます。ROEは前期の4.4%から9.3%へと大きく改善しており、資本効率の向上が見られました。営業キャッシュフローは84億円(前期比-14.9%)となり、利益の減少に伴いキャッシュ創出力もやや低下しました。1株配当は50.00円を維持しています。
強みと競争優位性
当社の最大の強みは、長年にわたり培ってきた「アナログコア技術」にあります。この独自の技術基盤は、特にエネルギー、機能性部材料、光学・システムといった分野で、他社にはない差別化された製品開発を可能にしています。例えば、エネルギー分野では、耐熱コイン形リチウム電池において世界トップシェアを誇り、その安全性と信頼性は高い評価を得ています。また、機能性部材料分野の塗布型セパレータや、光学・システム分野の車載カメラレンズユニット、半導体DMSなども、グローバル市場でトップグループに位置するシェアを獲得しており、技術力と市場での実績が競争優位性の源泉となっています。さらに、中期経営計画「MEX26」では、「モビリティ」「ICT/AI」「人/社会インフラ」の3分野に注力し、先行開発や積極的な設備投資を通じて、これらの成長分野における事業基盤を強化しています。
リスク要因
当社グループは、グローバル経済の動向、地政学リスク、為替相場の変動、原材料価格の変動といった外部環境の変化による影響を受ける可能性があります。特に、中国への製造拠点や協力工場の依存度が高いこと、海外売上高比率が高いことは、これらのリスクを増幅させる要因となり得ます。また、技術革新のスピードが速い分野で事業を展開しているため、先端技術の開発遅延や製品への適用が予定通りに進まない場合、競争力の低下を招くリスクがあります。さらに、激化する市場競争、知的財産権侵害のリスク、製品品質上の欠陥やリコール発生のリスク、サイバーセキュリティインシデントのリスクなども、事業継続や業績に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対し、事業継続計画の策定、サプライチェーンの多角化、情報セキュリティ対策の強化などを進めていますが、リスクの完全な回避は困難です。
投資テーマとの関連
当社グループは、中期経営計画「MEX26」において、メガトレンドとして「モビリティ革命」「ICT/AI革命」「人/社会インフラ高度化」を掲げ、これらの分野に注力しています。モビリティ分野では、自動運転や電動化に不可欠な車載用部品(耐熱コイン形リチウム電池、車載カメラレンズユニット、塗布型セパレータなど)を提供しており、EV(電気自動車)やADAS(先進運転支援システム)といった投資テーマと深く関連しています。ICT/AI分野では、半導体製造工程用テープや半導体DMSなどを展開しており、AIや半導体産業の成長恩恵を受ける可能性があります。人/社会インフラ分野では、医療機器用一次電池などを提供しており、ヘルスケアや社会インフラの高度化といったテーマにも貢献しています。特に、全固体電池の開発・量産化は、次世代バッテリー技術として将来性が期待されており、エネルギー関連の投資テーマとしても注目されます。