事業概要
当社グループは、「見えないものを見える化し、社会に新たな価値を生み出す」を経営理念に掲げ、スマートメーターを中核とした計測制御事業を国内外で展開しています。国内では、電力量計の製造・販売及び関連ソリューションサービスを提供する株式会社エネゲート、配・分電盤を製造販売する大崎電気システムズ株式会社などが主力です。海外では、EDMIグループとして、シンガポール、中国、マレーシア、英国、オーストラリアなどの拠点を統括し、電力量計及び関連システムの製造・販売・開発を手掛けています。近年は、電力以外の分野における「見える化」を通じて社会課題を解決するソリューション事業にも注力しており、脱炭素社会の実現などに貢献する新たな価値創出を目指しています。不動産事業も一部手掛けていますが、事業全体の売上構成比では計測制御事業が圧倒的に大きな割合を占めています。
直近決算ハイライト
2026年3月期において、当社グループは売上高1,009億円(前期比+3.9%)を達成し、堅調な成長を示しました。営業利益は65億円(前期比+14.5%)と大幅に増加し、利益率の改善が見られます。経常利益も66億円(前期比+21.9%)と伸び、当期純利益は58億円(前期比+64.9%)と、特に大きく伸長しました。これは、海外計測制御事業における事業ポートフォリオ見直しに伴う損失計上や海外子会社での事業構造改革費用を特別損失として計上したものの、政策保有株式や不動産の売却に伴う特別利益がこれを上回ったことによります。現金及び預金は184億円(前期比+40.7%)と増加し、営業キャッシュ・フローも89億円(前期比+28.6%)と潤沢な資金を生み出しています。株主還元も強化されており、1株配当は49円(前期比+122.7%)と大幅に増配されました。ROEは10.6%と、中期経営計画で掲げる目標値を達成・上回る水準となりました。
強みと競争優位性
当社の強みは、スマートメーターを中心とした計測制御分野における長年の実績と、国内外に広がる強固な事業基盤にあります。特に、国内においては主要電力会社との取引実績があり、関西電力送配電株式会社への販売実績は直近の売上高の約19.5%を占めるなど、安定した顧客基盤を有しています。海外においてもEDMIグループとしてグローバルに事業展開しており、オセアニア、欧州、新興国など多様な市場で事業を拡大しています。これにより、地域や顧客の偏りを減らし、需要変動リスクの分散を図っています。また、製品・サービスの継続的な改良や新製品投入による需要喚起、さらには電力以外の分野へのソリューション事業展開など、変化する市場ニーズに対応するための取り組みを継続しており、これが競争優位性の源泉となっています。
リスク要因
当社グループの事業運営における主要なリスクとして、まず需要変動リスクが挙げられます。これは、主要顧客への依存度が高いこと、そしてスマートメーターの交換サイクルが需要に影響を与えることに起因します。また、スマートメーター市場は国内外で有力企業との価格競争が激しく、価格下落リスクは常に存在します。サプライチェーンに関しては、部材調達における地政学的リスク(例:石油由来原材料の調達難)や、世界的な半導体不足とは異なるスペック帯の部材調達リスク、さらには銅や石油化学製品、燃料価格の上昇によるコスト増リスクも考慮が必要です。これらのコスト上昇を製品価格に十分に転嫁できない場合、収益を圧迫する可能性があります。海外事業展開においては、政治・経済情勢、紛争、為替レートの変動といったリスクに晒される可能性があります。加えて、製品・サービスの品質問題、研究開発の遅延、知的財産権侵害、人材確保の難しさ、自然災害なども、業績に影響を与える可能性があります。
投資テーマとの関連
当社グループは、スマートメーター事業を通じて、エネルギーの見える化、電力の安定供給、そして省エネルギー化に貢献しており、これは「脱炭素社会の実現」という大きな投資テーマと深く関連しています。スマートメーターの普及は、再生可能エネルギーの導入拡大や、電力系統の最適化、デマンドレスポンスの実現に不可欠な基盤技術であり、今後のエネルギーインフラの高度化において中心的な役割を担います。また、電力以外の分野における「見える化」を通じたソリューション事業の拡大は、IoT、DX(デジタルトランスフォーメーション)といったテーマとも結びついており、社会インフラのスマート化という広範なトレンドに乗ることで、新たな成長機会を創出する可能性があります。これらのテーマへの貢献度合いは、今後の事業戦略の進展とともにさらに高まっていくと期待されます。