事業概要
E02024は、エレクトロニクス産業を中心に、ものづくりの要素技術を核としたグローバル企業を目指しています。主力事業は、半導体製造装置向けの真空シールや石英、セラミックス、シリコンパーツといったマテリアル製品を提供する「半導体等装置関連事業」です。また、サーモモジュールやパワー半導体用基板、センサーなどを手掛ける「電子デバイス事業」、電気自動車(EV)向けのパワー半導体用基板などを扱う「車載関連事業」も展開しています。これらの事業を通じて、高品質な製品を国際競争力のある価格で世界に供給することを目指しており、顧客満足と地球環境への配慮を企業理念に掲げています。売上高は2,889億円、営業利益は276億円を計上(2026年3月期)しており、半導体市場や自動車市場の動向が業績に大きく影響します。
直近決算ハイライト
2026年3月期の決算では、売上高は前期比5.3%増の2,889億円となり、堅調な成長を示しました。営業利益も同14.4%増の276億円と大きく伸びており、これは工場稼働率の向上や新工場の利益改善、製品構成の最適化が奏功した結果です。特に、半導体等装置関連事業が真空部品やセラミックスの需要増により同30.4%増と大きく伸長し、電子デバイス事業もAIサーバー投資に関連する光トランシーバー向け需要の好調さから同26.9%増となりました。一方で、EV市場の調整影響を受けた車載関連事業は売上高が4.0%減、営業利益が25.1%減と苦戦しました。経常利益は前期比2.0%増の261億円となりましたが、当期純利益は同5.1%減の149億円と、投資有価証券評価益の計上や特別損益の影響もあり、微減となりました。
強みと競争優位性
同社の強みは、長年にわたり培ってきた真空技術や精密金属加工技術、そして半導体製造プロセスに不可欠なマテリアル製品(石英、セラミックス、シリコンパーツ等)の製造能力にあります。特に、半導体製造装置メーカーからの需要が高い真空シールや各種製造装置向け金属加工製品、セラミックス製品、そして半導体製造プロセスに使用される石英製品や部品洗浄サービスは、市場の拡大に合わせて売上を伸ばしています。また、電子デバイス事業におけるサーモモジュールは、生成AIサーバー投資に関連する光トランシーバー向け需要を取り込み、業績に貢献しています。さらに、パワー半導体用基板の製造能力も有しており、EVや再生可能エネルギー分野での需要拡大も期待できます。これらの技術力と製品群を武器に、エレクトロニクス産業のサプライチェーンにおいて重要な地位を築いています。
リスク要因
同社が直面するリスクとしては、まずエレクトロニクス産業、特に半導体産業の景気循環の影響が挙げられます。半導体市場は4〜5年周期の「シリコンサイクル」と呼ばれる好不況の波があり、設備投資の抑制や在庫調整が発生すると、主力製品である真空シールや消耗部品の需要が大きく変動する可能性があります。また、自動車産業、特にEV市場の動向も、サーモモジュールやパワー半導体用基板の販売に影響を与えます。EV需要の調整局面は、売上や利益に下押し圧力となる可能性があります。さらに、主要な製造拠点を持つ中国における法規制の変更や米中摩擦、原材料価格の市況変動、為替相場の変動なども、業績に影響を及ぼす要因として考慮する必要があります。これらのリスクに対して、同社は事業ポートフォリオの分散や用途拡大、顧客との連携強化などで対応を図っています。
投資テーマとの関連
E02024は、AI(人工知能)、EV(電気自動車)、そして半導体関連という現代の主要な投資テーマと深く関連しています。AI分野では、生成AI投資の活況が、同社が供給するサーモモジュールや関連部品の需要を牽引しており、売上増加の要因となっています。EV分野においては、パワー半導体用基板やセンサー、サーモモジュールなどがEVの性能向上に不可欠であり、市場の成長とともに需要拡大が期待されます。半導体市場全体では、AIやデータセンター需要の拡大、そして各国の半導体産業保護政策などを背景に、長期的な成長が見込まれています。同社は、半導体製造装置向けのマテリアル製品や部品の供給を通じて、この成長トレンドの恩恵を受けることが期待されます。特に、半導体製造装置関連事業の堅調な業績は、これらの投資テーマとの強い結びつきを示唆しています。