事業概要
CMKは、プリント配線板の開発、製造、販売を主力事業とする企業です。社是「発展と永続」を掲げ、安全で快適な社会の実現に貢献することを使命としています。主要な顧客層は自動車業界であり、車載市場向け製品が売上の大きな割合を占めています。その他、FA・産機、通信・基地局、半導体製造・検査機器、防衛・航空宇宙、鉄道、医療といった多様な新事業領域への拡販も推進し、事業ポートフォリオの多角化を図っています。グローバルに事業を展開しており、日本、中国、東南アジア、欧米に拠点を有しています。プリント配線板業界は、自動化やAI化の進展により中長期的な需要拡大が見込まれる一方、技術革新のスピードが速く、常に最新の技術動向に対応していくことが求められる競争環境にあります。
直近決算ハイライト
2026年3月期において、CMKは売上高1,002億円(前期比+4.9%)を達成し、増収となりました。これは、欧州市場でのEV需要の揺り戻しによる一部顧客の販売減少があったものの、日系主要顧客向けの販売が堅調に推移したことが寄与した結果です。しかし、利益面では、品質管理体制強化やタイ新工場の立ち上げ準備、生産体制再構築に伴う上期までの生産稼働率の低調さなどが響き、営業利益は28億円(前期比-26.8%)と減益となりました。タイ新工場の償却負担も利益を圧迫する要因となっています。為替差益の計上などにより経常利益は41億円(前期比-25.2%)となりましたが、特別利益として投資有価証券売却益を計上したことで、最終的な当期純利益は40億円(前期比+6.3%)と増益で着地しました。セグメント別では、日本および東南アジアでの車載向け販売増が全体を牽引しましたが、中国では欧州向け販売減、東南アジアではタイ新工場関連費用増が影響しました。
強みと競争優位性
CMKの強みの一つは、自動車業界における長年の実績と、大手自動車部品メーカーである株式会社デンソーを主要顧客とする強固な取引関係です。デンソー向け売上高は連結売上高の35.1%を占めており、安定した受注基盤となっています。また、プリント配線板業界において、自動化やAI化の進展を背景とした中長期的な需要拡大が見込まれる中で、継続的な研究開発活動による新製品・新技術の開発力も競争優位性につながります。タイ新工場や中国工場の設備投資による生産能力増強や生産性向上への取り組みも、将来的な収益基盤強化に貢献する可能性があります。さらに、グローバルな事業展開は、各市場の需要変動リスクを分散させる効果も期待できます。
リスク要因
CMKの事業運営における主要なリスク要因として、まず顧客市場及び需要構造に関するリスクが挙げられます。主力である自動車業界の動向、特にEV需要の変動や、原材料価格、エネルギーコスト、人件費の上昇、為替レートの変動は、原価競争力の低下や販売価格への影響を通じて、受注獲得に不利となる可能性があります。また、売上高の約40%を占める主要取引先への集中リスクも無視できません。主要取引先の生産・販売戦略や調達方針の変更は、当社の業績に大きな影響を及ぼす構造となっています。さらに、為替相場の変動リスク、金利上昇リスク、原材料調達リスク、海外事業展開に伴う政治・経済リスクなども、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
投資テーマとの関連
CMKは、自動車業界向け製品を主力としていることから、EV(電気自動車)シフトの動向やCASE(Connected, Autonomous, Shared, Electric)といった自動車業界のメガトレンドと密接に関連しています。直近決算ではEV需要の揺り戻しが欧州向け販売に影響を与えたものの、ADAS(先進運転支援システム)や統合ECUの普及拡大は、車載向けプリント配線板の需要を中長期的に後押しすると考えられます。また、半導体関連、通信インフラ、航空宇宙、医療機器といった新領域への拡販も推進しており、これらの分野はAI、IoT、5Gといった成長テーマとも関連が深いため、今後の事業展開によってはこれらの投資テーマからの恩恵を受ける可能性があります。ただし、主力事業が自動車業界に集中している点は、同業界の景気変動や構造変化の影響を受けやすいとも言えます。