事業概要
同社グループは、「日常に&を届ける」をミッションに掲げ、スマートフォンアプリ(APP事業)および宿泊施設運営(RET事業)を展開しています。APP事業では、大手出版社と協業し、スマートフォン向けマンガアプリ「マンガUP!」や「マンガPark」の開発・運用を主力としています。これらのアプリは、電子マンガのダウンロード課金や広告収入を収益源としています。また、占いアプリ「uraraca」や有名占い師監修のコンテンツ提供も行っており、電話・チャット相談による課金や月額利用料が収益となります。APP事業で培われたUI/UXデザイン構築力は、RET事業におけるサービス開発にも活かされており、事業間のシナジー効果を生み出しています。RET事業では、ホステルブランド「&AND HOSTEL」の運営受託や宿泊施設の利活用、不動産仲介・コンサルティングなどを手掛けており、インバウンド需要などを取り込むことで収益源の確保を目指しています。2025年8月期は、既存マンガ事業の利益確保に加え、占い事業の成長、RET事業の拡大、そして新規事業の創出による収益改善を図りました。
直近決算ハイライト
2025年8月期において、同社グループの売上高は3,209百万円となりました。これは、前期に計上した販売用不動産の売却による売上を除くと、前期比横ばいの結果となりました。APP事業では、新規連結した子会社や買収したサービス、占い事業の好調が売上を牽引しましたが、既存マンガアプリでは人気作品の完結によるMAU減少の影響も見られました。しかし、人気作品のメディア化やオリジナル作品販売が好調だったことから、ユーザー一人当たりの単価(ARPU)は伸長しました。APP事業のセグメント利益は59百万円を計上しました。RET事業では、円安を背景としたインバウンド宿泊客の好調により、稼働率が高水準で推移し、宿泊売上や不動産仲介手数料による収益も堅調に推移し、セグメント利益は27百万円となりました。その他事業は26百万円の売上高に対し、3百万円のセグメント損失となりました。全体としては、新規事業への投資負担が重く、営業損失270百万円、経常損失266百万円、親会社株主に帰属する当期純損失326百万円に着地しました。
強みと競争優位性
同社グループの最大の強みは、スマートフォンアプリ開発におけるUI/UXデザイン構築力です。これは、ユーザーが快適にサービスを利用できる体験を提供し、他社との差別化を図る上で不可欠な要素となっています。このUI/UXデザイン構築力は、主力であるAPP事業だけでなく、RET事業におけるサービス開発にも応用されており、事業間の垣根を越えたシナジー効果を生み出しています。APP事業においては、大手出版社との強固なパートナーシップが競争優位性となっています。これにより、人気タイトルの独占的な提供や、共同でのオリジナルタイトル開発・プロモーションが可能となり、事業リスクの分散と収益拡大の両立を図っています。また、ユーザー一人当たりの収益(ARPU)を伸長させる戦略は、競争の激しいアプリ市場において、効率的な収益確保に貢献しています。RET事業では、「&AND HOSTEL」ブランドの運営ノウハウや、不動産アドバイザリー・仲介といった多角的な収益モデルが、宿泊業界における競争優位性を構築しています。
リスク要因
同社グループの事業運営には複数のリスク要因が存在します。APP事業においては、スマートフォンアプリ市場のユーザー嗜好の移り変わりが激しく、コンテンツ提供がニーズに対応できない場合、収益に影響を及ぼす可能性があります。また、マンガアプリ市場は参入障壁が低く、競争が激化しており、市場成長の鈍化も懸念されます。技術革新への対応の遅れは、競争力の低下や追加コストの発生に繋がる可能性があります。RET事業においては、宿泊業界が景気動向や海外情勢の影響を受けやすい性質を持つため、個人消費の低迷や訪日外国人旅行客の減少が稼働率や客室単価に影響を与えるリスクがあります。不動産市場の変動や金利情勢も、開発・販売事業に影響を及ぼす可能性があります。さらに、両事業に共通するリスクとして、インターネット関連事業への法的規制の変更、システム障害、個人情報漏洩、優秀な人材の確保・育成の遅延、特定人物への依存、そして自然災害などが挙げられます。
投資テーマとの関連
同社グループは、APP事業においてマンガアプリや占いアプリを展開しており、エンターテイメント分野におけるコンテンツ提供を通じて、デジタルコンテンツやサブスクリプションサービスといった投資テーマとの関連があります。特に、マンガアプリ市場は電子書籍市場の大部分を占める成長分野であり、IP(知的財産)活用ビジネスの広がりという観点からも注目されます。大手出版社との連携によるIP活用やオリジナルIP創出への取り組みは、コンテンツホルダーとしての価値向上に繋がる可能性があります。また、RET事業における「&AND HOSTEL」は、インバウンド需要の回復や、近年の旅行スタイルの多様化といったテーマに関連しています。テクノロジーを活用した宿泊施設運営は、DX(デジタルトランスフォーメーション)という観点からも一定の関連性が見られます。AIや半導体、EVといった最先端技術テーマとは直接的な関連性は薄いものの、テクノロジーを活用したサービス提供という点では、広義のデジタル関連テーマとして位置づけることができます。