事業概要
当社グループは、国内および世界150カ国を対象とした現地体験型オプショナルツアー専門のオンライン予約サイト「VELTRA(ベルトラ)」を運営するオンライン・トラベル・エージェント(OTA)事業を主力としています。約8,000社の催行会社と直接契約し、観光ツアー、文化体験、グルメ、エンターテインメント、クルーズ、スパなど、多岐にわたるジャンルのアクティビティを提供しています。旅行者はVELTRA上でツアー情報を検索・予約し、参加後には体験談を投稿できるという、旅行体験の一連の流れをオンライン上で完結できるサービスが特徴です。2025年12月末現在、約260万人の会員基盤を有しています。また、OTA事業以外にも、連結子会社リンクティビティ株式会社を通じて、観光関連事業者向けのITインフラ供給やチケットプラットフォーム事業を展開する観光IT事業も手掛けています。この二つの事業セグメントを通じて、旅行体験の提供と観光産業のDX支援という二つの軸で事業を展開しています。
直近決算ハイライト
2025年12月期通期連結決算では、営業収益は前年同期比6.4%増の45億8,162万7千円となり、5年ぶりに黒字転換を達成しました。特にOTA事業は、2.2%増の36億7,243万1千円の営業収益を計上し、営業利益率は11.6%から23.2%へと大幅に改善しました。これは、厳格なコスト管理と、法人向けサービス強化、クルーズ事業の展開などが奏功した結果です。観光IT事業も、インバウンド需要の増加や取扱商品の拡充により、24.0%増の8億9,154万9千円の営業収益を記録しましたが、ITインフラ事業への先行投資がかさんだため、営業損失は2億6,275万1千円となりました。これらの結果、連結営業利益は1億512万5千円(前年は1億7,559万4千円の営業損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億4,053万7千円(前年は4億794万3千円の親会社株主に帰属する当期純損失)と、当初計画には届かなかったものの、コロナ禍からの回復を印象づける黒字化を達成しました。
強みと競争優位性
当社の強みは、長年にわたり培ってきた国内外約8,000社のツアー催行会社との強固なネットワークと、それに裏打ちされた約22,000に及ぶ質の高いアクティビティ商品ラインナップの豊富さにあります。この「バリエーションの広さと奥行き」を追求した独自性の高い商品提供により、顧客満足度向上に努めています。また、約260万人の会員基盤という強力な顧客基盤も、継続的な収益獲得とマーケティング活動の基盤となります。さらに、OTA事業と観光IT事業という二つの事業ポートフォリオを持つことで、旅行者への直接的なサービス提供だけでなく、観光事業者へのDX支援という側面からも収益機会を創出しており、業界内でのユニークなポジションを築いています。特に、OTA事業においては、収益性の抜本的改善に向けた構造改革を推進し、最適化されたコスト構造を維持しつつ、ユーザー利便性向上と独自性ある商品拡充を図ることで、さらなる成長と収益性向上が期待できます。
リスク要因
当社グループは、事業運営において複数のリスクに直面しています。まず、事業の性質上、海外および日本国内での自然災害、テロ、戦争、感染症等の発生は、ツアー実施困難や需要の著しい減少につながる可能性があります。また、旅行者への人的被害発生時には、風評被害による信用低下のリスクも存在します。競争環境の面では、大手OTA企業による現地体験ツアー分野への参入や、生成AIを活用したサービス登場による顧客ニーズの急速な変化に対応できない場合、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。システム障害やサイバー攻撃、個人情報流出のリスクも、ITサービスを基盤とする事業として常に注意が必要です。さらに、為替変動リスクや、国内旅行需要が集中しやすい第3四半期に業績が偏る季節的変動リスクも考慮すべき点です。これらのリスクに対し、同社はネットワーク強化、技術革新への対応、システム監視強化、情報管理体制の整備、為替予約取引等で対応を図っています。
投資テーマとの関連
当社の事業は、旅行・観光業界の回復と成長という大きな投資テーマと直接的に関連しています。特に、コロナ禍からの回復基調にあるインバウンド需要の拡大は、当社のOTA事業にとって追い風となっています。また、国内旅行市場においても、中央省庁との連携による国内観光施策の強化や、顧客ロイヤリティプログラムの拡充などを通じて、事業拡大を図っています。さらに、観光IT事業では、観光関連事業者のDX支援という側面から、デジタル化推進という投資テーマにも貢献しています。AI技術の活用によるパーソナライズされたサービス提供や、業務プロセスの自動化・効率化は、AI・DXといった成長テーマとも結びついており、将来的な競争優位性の確立に向けた取り組みが進められています。これらのテーマとの関連性は、今後の当社グループの成長戦略において重要な要素となるでしょう。