事業概要
同社グループは、コンサルティング事業を主要事業として展開しており、通信業界を中心に、販売チャネルへの支援サービスを提供しています。事業内容は、「セールスプロモーション」「オンライン接客/セールス」「AIボーディング」の3つに大別されます。セールスプロモーション事業では、通信キャリアや販売店、移動体通信端末メーカーに対し、業界知見や販売経験を持つコンサルタントが、店舗運営や販売における課題解決策を提案し、オフライン・オンライン双方で販売チャネルを総合的に支援します。オンライン接客/セールス事業では、店舗運営の省人化・無人化を実現するためのDX支援として、オンライン接客システムの提供や、接客データの収集・分析による応対品質の可視化・平準化システムの開発を行います。また、インバウンド型に加えアウトバウンド型営業の仕組みも取り入れ、非対面接客の幅広い顧客層への対応を目指しています。AIボーディング事業では、通信業界の販売現場での経験とAI技術を融合させ、販売領域における包括的な人材育成支援として、AIを活用したソリューションを提供し、新人の早期戦力化などを支援しています。これらのサービスを通じて、「いつかの未来を、いつもの日々に~New Normal Acceleration」というパーパスのもと、先端技術の社会実装を目指しています。
直近決算ハイライト
2025年9月期(当連結会計年度)の業績は、売上高が61億3百万円で前年同期比1.7%減となりました。しかし、粗利の高いコンサルティング案件への注力や、SES事業における内製化による外注費抑制などのコスト構造見直しが奏功し、営業利益は5億59百万円と前年同期比16.4%増と増加しました。経常利益も4億97百万円(同9.9%増)となりました。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は4億32百万円となり、前年同期比26.1%減となりました。これは、不採算事業であったリモートワークボックス事業の売却益を計上した前年との比較によるものです。キャッシュ・フローでは、営業活動によるキャッシュ・フローは7億3百万円の収入となり、前連結会計年度の4億72百万円の収入から増加しました。投資活動では、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得により51百万円の支出となりました。財務活動では、自己株式の取得や長期借入金の返済などにより8億47百万円の支出となりました。期末の自己資本比率は61.9%と、健全な財務基盤を維持しています。
強みと競争優位性
同社グループの強みは、通信業界に特化して創業以来培ってきたセールスプロモーション分野における深い知見とノウハウにあります。これにより、通信キャリアや販売店が抱える多様な課題に対し、実効性の高いコンサルティングと販売支援を提供できる点が競争優位性となっています。また、時代の変化に合わせて、従来のオフライン支援に加え、オンライン接客システムやAIを活用した人材育成ソリューションといったデジタル技術を積極的に取り入れ、サービスを進化させている点も強みです。特に、2025年8月に取得した「bellFace」事業は、金融業界における高いシェアを持つオンライン接客システムであり、これにより新たな顧客基盤の獲得とオンライン接客サービス事業の更なる拡大が期待できます。さらに、DX推進の流れの中で、顧客のビジネス変革を支援するコンサルティング能力と、AIやデータ分析といった先端技術を組み合わせたサービス提供能力は、競合他社との差別化要因となり得ます。M&Aや資本・業務提携を積極的に活用し、事業ポートフォリオの多様化と競争力強化を図る戦略も、将来的な成長に向けた強みと言えます。
リスク要因
同社グループの主要なリスクとして、まずNTTドコモグループへの売上高依存度が2025年9月期において63.6%と非常に高いことが挙げられます。この特定取引先との関係に変化が生じた場合、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、通信業界は技術革新のスピードが速く、市場環境の変化に迅速に対応できない場合、事業に影響が生じるリスクがあります。セールスプロモーションサービスにおいては多数の競合が存在しており、他社に対する優位性が維持できなくなる可能性も指摘されています。さらに、コンサルティング事業における協力会社からの人員確保の難しさや外注コストの高騰も、サービスの円滑な提供を阻害する要因となり得ます。個人情報の漏洩リスクや、風評リスク、新規事業への投資先行による利益率低下や事業不振のリスクも存在します。代表者への依存、少数の人材への依存といった組織体制に関するリスクや、ストックオプション制度等による株式価値の希薄化リスクも考慮すべき点です。
投資テーマとの関連
同社グループは、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進という大きな社会潮流の中で、企業のビジネス変革を支援するコンサルティングサービスを提供しており、このテーマとの関連は深いです。特に、AI(人工知能)技術を活用した「AIボーディング」事業では、販売領域における人材育成プログラムの開発・提供を行っており、AIの社会実装という観点から投資テーマとの接点があります。また、コロナ禍以降浸透した新しい生活様式や働き方改革といった社会情勢に対応するため、オンライン接客/セールス事業を強化しており、これはリモートワークや非対面サービスといったテーマとも関連しています。2025年8月に取得した「bellFace」事業は、オンライン面談システムであり、金融業界におけるDX推進や、顧客接点のデジタル化といったテーマに直結します。M&Aや資本・業務提携を積極的に活用する姿勢は、業界再編や新たな事業領域への進出といったテーマとも連動する可能性があります。これらの取り組みは、先端技術の社会実装を目指す同社のパーパスとも合致しており、現代の投資テーマとの親和性は高いと言えます。