事業概要
当社グループは、北海道を拠点に、旅客自動車運送事業を中核としつつ、建設業、清掃・警備業、不動産事業、観光・旅行事業、飲食業、介護福祉事業、自動車教習所運営など、多岐にわたる地域密着型事業を展開する企業集団である。中核事業である旅客自動車運送事業では、北海道中央バス株式会社がグループ全体を統括し、子会社であるニセコバス株式会社、札幌第一観光バス株式会社、空知中央バス株式会社と共に、乗合・貸切バス事業を運営している。特に、札幌圏における公共交通網の維持・発展に貢献する一方、観光需要を取り込むための新路線開設や増便にも注力している。建設業においては、子会社4社がインフラ整備やグループ内施設の建築を担い、清掃・警備業はグループ施設の維持管理を、不動産事業では資産活用や賃貸事業を展開している。観光関連事業では、ニセコアンヌプリ国際スキー場や小樽天狗山スキー場、ホテル、観光施設、飲食店の運営を通じて、地域経済の活性化に貢献している。その他、物品販売、介護福祉、自動車教習所運営など、地域社会のニーズに応える多様な事業ポートフォリオを構築し、グループ全体で連携しながら地域社会への貢献を目指している。
直近決算ハイライト
2026年3月期の決算は、売上高が384億円となり、前期比で6.7%増加した。営業利益は27億円(同17.1%増)、経常利益は30億円(同13.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は28億円(同22.9%増)と、増収増益を達成し、収益性が大きく向上した。この好調な業績は、主要事業である旅客自動車運送事業における運賃改定の効果や、新千歳空港連絡バス路線の増便・新設、修学旅行需要の増加が牽引した。建設業においても、公共投資や民間設備投資の増加を背景に、受注高・完成工事高ともに増加し、大幅な増収増益に貢献した。一方で、清掃業・警備業では外注費の増加により営業利益が微減、不動産事業や観光関連事業でも修繕費の増加などにより営業利益が減少したが、全体としては増収を維持した。キャッシュ・フロー面では、営業活動によるキャッシュ・フローが34億円(同14.9%増)と堅調に推移したものの、投資活動における定期預金の預入や有形固定資産の取得により、現金及び預金残高は118億円(同5.9%減)となった。
強みと競争優位性
当社グループの強みは、北海道という広範な地域における長年にわたる事業展開で培われた、強固な地域基盤とブランド力にある。特に、中核事業である旅客自動車運送事業においては、地域住民の生活を支える公共交通としての役割を担っており、その安定的なサービス提供能力は他社にはない信頼性と競争優位性を確立している。また、グループ全体で旅客自動車運送、建設、不動産、観光など多角的な事業を展開しているため、各事業間でシナジー効果を生み出しやすい構造となっている。例えば、グループ内で建設した施設を自社で運営したり、バス事業で培ったノウハウを観光事業に活かしたりすることが可能である。さらに、人材育成に力を入れており、自社で自動車教習所を運営し、乗務員研修などを実施することで、質の高い人材を安定的に確保・育成できる体制を構築している。これにより、労働集約型事業における人材不足リスクを一定程度緩和し、サービス品質の維持・向上につなげている。
リスク要因
当社グループの事業運営における主要なリスクとして、まず「労働力不足」が挙げられる。特に、主要事業である旅客自動車運送事業は労働集約型であり、運転士や整備士の採用・定着が困難な状況は、需要に応じた供給体制の維持に支障をきたす可能性がある。これに対し、賃金体系の見直しや福利厚生の充実、働き方改革などを推進しているものの、抜本的な解決には至っていない。また、旅客自動車運送事業や建設業においては、「重大事故等の発生」リスクも存在する。安全輸送・施工を最優先としているが、万が一事故が発生した場合は、社会的信用の失墜や事業停止処分につながり、業績に大きな影響を与える可能性がある。その他、感染症の拡大による事業への影響、燃料価格の変動、少子高齢化や過疎化に伴う利用者減少、各種法令規制の遵守、情報システム障害や個人情報漏洩リスクなども、経営成績に影響を与える要因として認識されている。
投資テーマとの関連
当社グループは、直接的にAIや半導体、EVといった先端技術分野に特化した事業を展開しているわけではないが、間接的な関連性を持つテーマも存在する。例えば、地域交通のDX推進は、自動運転技術やMaaS(Mobility as a Service)といった未来のモビリティ社会への移行という大きな潮流と結びつく可能性がある。また、建設事業においては、ICT投資による生産性向上や、持続可能な社会の実現に貢献するインフラ整備といったテーマとの関連性が考えられる。観光関連事業においては、インバウンド需要の回復や、地域資源を活かした新たな観光体験の創出が、観光立国推進といったテーマに寄与する。さらに、グループ全体として地域社会の持続的な発展に貢献する事業を展開しており、SDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献という観点からも、長期的な視点での投資テーマとの関連性が期待できる。特に、地域交通の維持・発展は、地方創生や過疎化対策といった社会課題解決に直結するテーマである。