事業概要
当社グループは、株式会社博展を中核とし、デジタルエクスペリエンス株式会社、株式会社ニチナン、株式会社ヒラミヤの計4社で構成されています。パーパスとして「人と社会のコミュニケーションにココロを通わせ、未来へつなげる原動力をつくる」を掲げ、リアルとデジタルの両面から「体験」をデザインし、企業や社会の課題解決に貢献しています。主要事業は、企業の広告・販促活動に伴うイベントやマーケティングツールの企画、制作、運営であり、「エクスペリエンス・マーケティング事業」として展開しています。売上高の大部分を占めるのはリアルイベント分野であり、展示会ブースの設営や大規模イベントの運営などが含まれます。その他、デジタル分野や商環境分野も手掛けていますが、直近ではリアルイベント分野の回復が売上を牽引しています。多様な顧客基盤を持ち、特定の取引先に依存しない安定した取引構造を築いています。
直近決算ハイライト
2025年3月期(当連結会計年度)の業績は、売上高が前期比23.8%増の233億36百万円と大幅な成長を遂げました。この成長は主に、リアルイベント分野の売上高が同26.8%増の193億88百万円となったことによるものです。売上総利益も同31.6%増の74億90百万円と増加し、利益率も32.1%となりました。営業利益は同86.0%増の25億92百万円、経常利益は同86.9%増の25億81百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同91.6%増の19億13百万円といずれも大幅な増益を達成しました。これは、コロナ禍からの経済活動再開に伴うリアルイベント需要の回復が業績を押し上げた結果と言えます。一方で、デジタル分野の売上高は同21.4%減、商環境分野は同9.4%減と、一部事業分野では苦戦が見られました。手元資金も44億95百万円と、前期から大幅に増加しており、財務基盤の強化も進んでいます。
強みと競争優位性
当社グループの最大の強みは、リアルとデジタルの両方の領域を統合的にデザインし、顧客体験を軸とした企画・制作・運営を一貫して担える体制を構築している点にあります。これにより、顧客の多様なマーケティング課題に対し、きめ細やかなソリューションを提供することが可能です。特に、企業の販促活動やコミュニケーション施策において、リアルな体験を通じた価値提供へのニーズが継続している中で、この体験を核とした事業展開は市場からの高い評価を得ています。また、幅広い顧客層からの受注を確保しており、特定の取引先への依存度が低い安定した取引基盤も強みと言えます。さらに、品質・安全管理部門の設置や事故発生時の対応マニュアル整備、損害賠償責任保険の締結といったリスク管理体制の構築も、信頼性の向上に寄与しています。人材育成にも注力しており、継続的な研修実施により専門性の高い人材を育成することで、提案品質の向上と更なる品質向上を目指しています。
リスク要因
当社グループの事業は、国内経済の動向、特に企業の販促関連投資の増減に大きく左右されるという経済状況リスクを抱えています。長期間の景気低迷は、イベント規模の縮小や受注案件数の減少を招き、収益低下に繋がる可能性があります。また、事業遂行に不可欠な優秀な人材の確保・育成が困難になった場合や、有能な人材が流出した場合には、経営成績に影響を及ぼすリスクがあります。展示会・イベント運営における品質・安全管理も重要なリスク要因であり、重大な事故発生は顧客からの信頼喪失や案件受注の減少に繋がる恐れがあります。情報セキュリティおよび個人情報漏洩のリスクも存在し、これらが顕在化した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜といった影響が懸念されます。さらに、地震等の天災や感染症の拡大によるイベントの延期・中止、建設業法をはじめとする各種法令の遵守義務違反なども、業績に影響を与える可能性があります。
投資テーマとの関連
当社グループは、イベント企画・制作・運営という事業を通じて、企業と社会、そして人々のコミュニケーションをデザインしており、直接的なAIや半導体、EVといった先端技術テーマとの関連性は限定的です。しかし、企業のマーケティング活動における「体験価値」の重要性が高まる中で、リアルイベントとデジタル施策を組み合わせた統合的なコミュニケーション戦略の提供は、顧客企業のブランディングや販売促進に貢献するものです。特に、アフターコロナにおけるリアルイベントの復活は、経済活動の活性化と連動しており、景気回復や消費マインドの向上といったマクロ経済テーマとの関連性が見られます。また、企業のDX推進に伴い、オンラインイベントやハイブリッド型イベントの需要も高まっており、デジタル技術を活用した体験デザインへの取り組みは、中長期的な成長のドライバーとなり得ます。