事業概要
当社グループは、1959年の創業以来、上下水道を中心とした「水のコンサルティング事業」に特化してきた建設コンサルティング事業者です。単一セグメントの事業を展開しており、社会インフラ、特にライフラインである上下水道や、防災関連の河川・砂防などの調査、計画、設計、工事監理といった技術的なコンサルティングを、主に官公庁をはじめとする公的機関からの受託で行っています。具体的には、水道部門、下水道部門における調査・計画・設計、流域水管理部門(河川・砂防、湖沼等における治水・防災、水利用、水環境)、建築部門、機電部門、そしてこれら全般に関わるDX部門の強化を進めています。2030年を目標とする「日水コングループビジョン2030」を推進し、「水のインパクトカンパニー」をパーパス、「水の統合インフラマネジメントの担い手」をミッションとして掲げ、持続可能な社会の実現を目指しています。
直近決算ハイライト
2025年12月期において、当社グループは堅調な事業環境のもと、連結受注高は前期比10.9%増の265億18百万円、連結受注残高は同9.1%増の247億59百万円と、受注面で増加しました。連結売上高は同3.7%増の244億13百万円となり、営業利益は同9.3%増の23億79百万円、経常利益は同15.2%増の25億06百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同16.0%増の17億30百万円と、増収増益を達成しました。事業分野別では、水道事業が同5.5%増の86億81百万円、下水道事業が同5.2%増の121億94百万円とそれぞれ堅調に推移しました。一方、河川その他分野は同4.6%減の35億37百万円となりました。これは、小水力発電等の新規事業も実施したものの、治水・利水業務等の受注減少の影響を受けたためです。
強みと競争優位性
当社グループの強みは、長年にわたり培ってきた上下水道を中心とした「水のコンサルティング事業」における専門性と、公的機関との強固な信頼関係にあります。特に、インフラの老朽化対策や国土強靭化といった社会的なニーズの高まりを背景に、ウォーターPPP関連業務や災害対策業務などで実績を積み重ねています。また、2030年ビジョンで掲げる「水の統合インフラマネジメント」の実現に向け、DX部門の強化や、官民連携(PPP/PFI)及び農業水利分野への注力など、新たな成長領域への展開を積極的に進めている点も競争優位性につながります。さらに、人材育成においては、ベテランから若手への技術伝承や、部門横断的な設計照査活動の強化に注力しており、技術力の維持・向上を図っていることも、事業継続と競争力強化の基盤となっています。
リスク要因
当社グループの事業運営には、いくつかのリスク要因が存在します。まず、成果品に瑕疵があった場合、人命に関わる事故や広範囲での指名停止、多額の改修費用の発生といった重大な影響を及ぼす可能性があります。また、建設コンサルティング事業は官公庁からの受注が中心であるため、補助金の減少やODA投資の縮小、顧客ニーズの変化への対応遅れは、受注減少につながるリスクがあります。激しい競合環境下での受注価格の低下や、競合他社の技術力・サービス力向上による相対的な優位性の喪失も業績に影響を与えかねません。さらに、顧客から預かる情報の漏洩リスクや、サイバー攻撃によるシステムダウン、自然災害や感染症の蔓延による事業継続への支障、そして労務管理の不備による過重労働やハラスメントのリスクも考慮すべき点です。これらのリスクに対し、ISO9001に基づく品質管理体制、法令遵守体制の整備、情報セキュリティ対策、BCP策定、ハラスメント防止策など、多岐にわたる管理体制を構築し、リスクの低減に努めています。
投資テーマとの関連
当社グループは、インフラ老朽化対策、国土強靭化、防災・減災といった、国家的な課題解決に直結する事業を展開しており、これらのテーマとの関連性は非常に深いです。特に、近年頻発する自然災害への対応として、インフラの強靭化や災害対策は喫緊の課題であり、公共事業関係費の安定的な推移が事業環境を後押ししています。また、「水の統合インフラマネジメント」の実現に向けた取り組みは、持続可能な社会の実現というSDGsの目標とも合致しており、ESG投資の観点からも注目される可能性があります。さらに、水インフラ事業におけるDX推進や、官民連携(PPP/PFI)の推進は、スマートシティやデジタルインフラといった、新たな投資テーマとも連携するポテンシャルを秘めています。これらの投資テーマへの貢献を通じて、社会課題解決と企業価値向上を両立させていくことが期待されます。