事業概要
当期決算期(2026年2月期)の当社グループは、ドラッグストア事業を核に、地域住民の健康と快適な生活に貢献するサービスを提供しています。事業は多岐にわたり、医薬品、化粧品、雑貨、食品といった幅広い商品を取り扱う「物販事業」と、調剤薬局事業を柱とする「調剤事業」が中心です。2026年2月末現在、国内に5,676店舗、海外に35店舗を展開し、特に国内においては、地域でのシェア拡大と運営効率化を目的としたドミナント戦略を推進しています。2025年12月1日にはウエルシアホールディングス株式会社およびイオン株式会社との経営統合を完了し、組織体制の整備、商品政策、マーチャンダイジング、データ活用基盤、店舗開発機能の連携強化などを通じて、シナジー創出に向けた取り組みを本格化させています。この統合により、事業規模は大幅に拡大し、競争環境における優位性をさらに高めています。
直近決算ハイライト
2026年2月期決算において、当期グループは売上高1兆4,506億円を達成し、前期比+71.5%と大幅な伸長を見せました。これは、ウエルシアホールディングス株式会社との経営統合が主な要因です。営業利益は630億円(前期比+66.4%)、経常利益は631億円(前期比+66.7%)といずれも大きく増加し、収益性の改善も確認できます。特に当期純利益は427億円と、前期比+148.0%と目覚ましい伸びを示しました。これは、経営統合に伴う資本政策や一時的な影響などが反映された結果と考えられます。一方で、EPS(1株当たり当期純利益)は144.55円となり、前期比-59.1%と大きく減少しました。これは、株数増加などを要因として、1株あたりの利益が希薄化したためと推察されます。自己資本比率は53.1%と、前期比4.9ポイント上昇し、財務基盤も強化されています。
強みと競争優位性
当社の最大の強みは、ウエルシアホールディングス株式会社およびイオン株式会社との経営統合による事業規模の拡大と、それに伴うシナジー効果の創出です。これにより、仕入れにおける交渉力向上、プライベートブランドの強化、データ活用基盤の整備による顧客ニーズへの的確な対応、店舗開発機能の連携による効率的な出店戦略などが可能となります。また、ドラッグストア事業と調剤薬局事業を併設する店舗展開は、地域住民の健康ニーズにワンストップで応えることができ、顧客利便性の向上に繋がっています。ドミナント戦略による地域内での店舗網の集中は、物流効率の改善や地域におけるブランド認知度向上に貢献し、強固な顧客基盤の構築を後押ししています。さらに、医薬品や食品など生活必需品を幅広く取り扱うことで、景気変動に強い事業構造を構築している点も優位性と言えます。
リスク要因
当社の事業運営におけるリスクとして、まず、グループ各社の業績変動が持株会社である当社の業績に影響を与える可能性が挙げられます。また、M&A等により生じたのれんについて、連結子会社の収益力低下による減損損失が発生した場合、連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。医薬品医療機器等法や大規模小売店舗立地法といった法令・規制の改正や、薬剤師・登録販売者といった有資格者の確保が困難になった場合、出店政策や事業運営に支障をきたすリスクがあります。さらに、サイバー攻撃による個人情報漏洩や、自然災害による事業拠点への損害も、信用失墜や業績悪化に繋がる可能性があります。競争環境の激化や、店舗開発における出店場所の確保難、ドミナント戦略の遅延なども、収益を圧迫する要因となり得ます。
投資テーマとの関連
当社の事業は、高齢化社会の進展に伴う医療・健康関連需要の増加という、長期的な構造変化の恩恵を受けることが期待されます。特に、調剤薬局事業の強化や、健康食品、医療用具といったヘルスケア関連商品の品揃え拡充は、このテーマと強く結びついています。また、イオングループとの経営統合は、小売業界におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進という観点からも注目されます。電子棚札やインカム、業務スマートフォンなどの導入による店舗オペレーションの効率化、顧客IDおよび顧客データの統合によるデータ活用は、AIやビッグデータといった投資テーマとも関連が深いです。プライベートブランドの強化や、ASEAN地域への海外事業展開も、新たな成長ドライバーとして期待が寄せられます。