事業概要
当社グループは、「100億人・100歳時代」の豊かで持続可能な社会の実現を目標に掲げ、事業活動を通じて社会課題の解決を目指す「社会課題解決企業」として事業を展開しています。主要な事業セグメントは、シンクタンク・コンサルティングサービス(TTC)とITサービス(ITS)の二つです。TTCセグメントでは、調査・コンサルティング事業を核とし、官公庁や民間企業に対し、電力・エネルギー、医療・介護、ビジネスアナリティクス(BA)・AIといった分野を中心に、研究・提言から社会実装に至るまでの価値連鎖を強化しています。ITSセグメントでは、中核を担う三菱総研DCS株式会社が、大手メガバンクをはじめとする金融機関のDXパートナーとして、基幹システム開発・運用・保守や決済領域案件などを手掛けています。両セグメントは相互に連携し、社会課題解決に貢献するとともに、財務価値、非財務価値、社会価値の三つの価値を循環・拡大させることで、持続的な成長を目指すビジネスモデルを構築しています。2025年9月期においては、売上高1,214億58百万円、経常利益97億34百万円を達成しました。
直近決算ハイライト
2025年9月期通期決算において、当社グループは売上高1,214億58百万円(前年度比5.3%増)、営業利益80億10百万円(同13.5%増)、経常利益97億34百万円(同19.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益63億86百万円(同27.6%増)と、増収増益を達成しました。この好調な業績は、中期経営計画2026(中計2026)の2年目にあたり、当初の課題を踏まえつつ、TTCセグメントでは官公庁のICT関連(サイバーセキュリティ、ヘルスケア分野のDX等)や民間企業のシステム・事業戦略支援が、ITSセグメントでは公共向けシステム案件や金融・カード分野の決済領域案件がそれぞれ伸長したことが主な要因です。特に、上期におけるTTCの受注遅れやITSにおける不採算案件による減益から、第3四半期以降は両セグメントともに好調な受注を背景に売上が伸長し、TTCでは高い稼働維持と経費抑制、ITSでは不採算案件の収束や退職給付に係る一時的なプラス影響により利益率が改善しました。
強みと競争優位性
当社の強みは、シンクタンク・コンサルティングサービス(TTC)とITサービス(ITS)という二つの異なる強みを持つ事業セグメントを連携させ、多様な社会課題に対して包括的なソリューションを提供できる点にあります。TTCセグメントは、株式会社三菱総合研究所が中心となり、官公庁との長年の取引実績に裏打ちされた信頼と、広範かつ高度な専門性を有する人材による、政策立案や制度設計、社会実装に至るまでの深い知見を有しています。一方、ITSセグメントの中核を担う三菱総研DCS株式会社は、金融業界における基幹システム開発・運用・保守で培われた高い技術力と、メガバンクとの強固なリレーションシップを基盤としています。この二つの事業が連携することで、戦略立案からシステム開発・運用までを一気通貫で提供できる体制は、競合他社に対する強力な差別化要因となっています。また、「100億人・100歳時代」を見据えた持続可能な社会の実現という経営方針のもと、非財務価値(人的基盤、知的・共創基盤、社会信頼基盤)と社会価値の創出に注力しており、これが長期的な企業価値向上に繋がっています。
リスク要因
当社グループが認識している主要なリスクは多岐にわたります。まず、情報セキュリティに関するリスクとして、サイバー攻撃や情報漏洩の可能性があり、これらが信用失墜や損害賠償請求につながる可能性があります。次に、プロジェクト遂行に関するリスクでは、顧客要求の高度化や案件の複雑化、事業環境の変化により、当初見込んでいた採算性を確保できないリスクが挙げられます。また、売上高の28.7%を占める官公庁との取引においては、複雑化・高度化する事業内容への対応遅れや、競合他社との受注競争激化が業績に影響を与える可能性があります。さらに、生成AIの利活用においては、誤った情報提供による信頼性低下や、情報漏洩、著作権侵害のリスクに加え、生成AIの普及による自社事業機会の喪失も懸念されます。その他、人材確保難、グループガバナンス、大規模災害、退職給付債務、業績の季節変動なども、経営成績に影響を与えうる要因として挙げられます。これらのリスクに対し、社内規程の整備、社員教育、システム管理体制の強化、リスクモニタリング等の対策を講じていますが、予見できないリスクの発生可能性は否定できません。
投資テーマとの関連
当社の事業は、現代社会が直面する様々な投資テーマと深く関連しています。特に、ITサービスセグメントは、金融業界におけるDX推進や、官公庁における行政DXの推進といったテーマに直接的に貢献しています。また、シンクタンク・コンサルティングサービスセグメントでは、電力・エネルギー、医療・介護、ビジネスアナリティクス(BA)・AIといった分野に注力しており、これらはGX(グリーン・トランスフォーメーション)、ヘルスケア、AIといった、市場から注目を集める投資テーマと合致しています。生成AIの活用を積極的に推進している点も、AI技術の進化と社会実装というテーマとの関連性を示唆しています。さらに、「豊かで持続可能な社会の実現」という経営方針は、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の潮流とも整合性が高く、社会課題解決に資する企業としての価値向上に繋がる可能性があります。これらのテーマとの関連性の深さは、長期的な視点での企業価値向上と、それに伴う投資妙味を示唆するものと考えられます。