事業概要
同社は、製造業・建設業向けのソリューションサービスと、環境分野を中心としたエンジニアリングサービスを主軸に事業を展開している。ソリューションサービス事業では、顧客の生産性・品質向上に資するシステムや、営業・アフターサービスを支援する独自開発システムを提供。特に、建設業界におけるDX推進を背景としたBIM/CIM関連ソリューションや、製造業向け営業支援ソリューションに強みを持つ。エンジニアリングサービス事業では、データ解析・数値シミュレーション技術を核に、環境分野における計算・解析サービスを提供。具体的には、防災・減災、国土強靭化、スマートシティ関連のコンサルティングや解析業務を手掛けている。近年では、DX、脱炭素、国土強靭化といった社会的な潮流を捉え、これらの分野での事業機会拡大を目指しており、両事業の強みを融合させたサービス展開を進めている。
直近決算ハイライト
2025年3月期連結決算では、売上高は前期比4.9%減の74億54百万円となった。これは、ソフトウエア販売の仲介契約への移行に伴う売上高減少が影響している。一方、営業利益は同28.0%増の11億99百万円と大幅な増益を達成した。売上原価が前期比11.5%減と大きく減少したことが寄与した。経常利益も同28.0%増の12億78百万円、当期純利益は同26.1%増の9億14百万円となり、収益性が大きく向上した。セグメント別では、ソリューションサービス事業は売上高が同6.9%減の53億47百万円、セグメント利益は同14.1%増の10億84百万円。エンジニアリングサービス事業は売上高が同0.7%増の21億06百万円、セグメント利益は同22.1%増の6億44百万円となった。特にエンジニアリングサービス事業では、水防災業務やまちづくり支援業務が堅調に推移し、増収増益に貢献した。
強みと競争優位性
同社の強みは、製造業・建設業におけるDX推進を支援するソリューション開発力と、環境分野における高度なデータ解析・シミュレーション技術にある。特に、BIM/CIMといった建設DX関連技術や、顧客接点を支援するSaaS型ソリューションの開発・提供能力は、市場からの需要を着実に捉えている。また、親会社であるトランス・コスモスとの連携も、BPOサービスとの組み合わせによる顧客への包括的なサービス提供や、海外スタートアップとの連携によるSaaSラインナップ拡充において、競争優位性を発揮している。さらに、大阪を基盤としつつも地域特性に立脚したビジネス展開や、変化を恐れない「攻めの経営姿勢」は、新しい技術や市場ニーズへの迅速な対応を可能にし、持続的な成長基盤となっている。これらの要素が複合的に作用し、同社独自のポジションを確立している。
リスク要因
同社が抱えるリスクとして、まずIT関連市場における技術革新のスピードが挙げられる。急速な技術変化への対応が遅れると、競争力の低下を招く可能性がある。また、主力事業であるソリューションサービスにおける請負契約の比率の高さから、不採算プロジェクトの発生リスクが存在する。プロジェクト管理の不備は、採算悪化や顧客への損害賠償に繋がる可能性がある。さらに、専門性の高い人材の確保・育成は、事業成長に不可欠であるものの、近年の人材獲得競争の激化により、その動向が業績に影響を及ぼす可能性がある。加えて、事業継続上保有する機密情報や顧客情報の情報セキュリティリスク、第三者の知的財産権侵害リスクなども、事業展開上の潜在的なリスクとして認識されている。
投資テーマとの関連
同社は、近年の社会的な重要課題である「脱炭素社会」や「国土強靭化」といった投資テーマと深く関連している。脱炭素化に向けた技術サービスの構築・提供は、移動手段や住宅・非住宅の脱炭素化、グリーンなまちづくりに貢献し、事業領域の拡大に繋がる。国土強靭化においては、防災・減災を中核とした人流シミュレーション等の技術を活用し、スマートシティやまちづくりへの貢献を通じて事業機会を創出している。また、製造業・建設業における生産年齢人口の減少や業務の非接触化といった課題に対し、DXソリューションを提供することで、これらのテーマにおける同社の役割は大きい。さらに、中期経営計画ではBIM/CIM領域やSaaSの拡充を掲げており、建設DXや製造業DXといったテーマとの親和性も高い。