事業概要
当社の主要事業はサイバーセキュリティサービスであり、SOC(Security Operation Center)サービスとコンサルティングサービスを二本柱として展開しています。SOCサービスでは、顧客のシステムを24時間365日体制で監視し、サイバー攻撃の検知・分析・対処を行います。KeepEye®のような自社開発製品も活用し、高度なセキュリティ対策を提供しています。コンサルティングサービスでは、セキュリティインシデントへの対応支援、不審メール訓練の実施、セキュリティアドバイザーとしての助言など、顧客のセキュリティ課題解決を支援します。2026年3月期においては、売上高23億円(前期比+20.1%)を達成し、特にSOCサービスの売上高は17.7億円(前期比+22.6%)と大きく伸長しました。コンサルティングサービスも5.7億円(前期比+13.0%)と堅調な成長を示しており、両サービスを連携させることで、顧客の事業成長を支える環境づくりに貢献することを目指しています。ストック型収益である年間契約が売上全体の84.4%を占めるビジネスモデルであり、安定的な収益基盤の構築に注力しています。
直近決算ハイライト
2026年3月期の決算では、売上高は23.3億円と前期比20.1%の増加を達成しました。営業利益は5.6億円(前期比+32.2%)、経常利益は5.6億円(前期比+31.2%)、当期純利益は4.1億円(前期比+31.1%)といずれも大幅な増収増益となりました。特に、収益性の高いSOCサービスが堅調に成長したことが、利益率の向上に大きく寄与したと考えられます。売上高営業利益率は約23.8%と高い水準を維持しており、収益性の確保と拡大が図られています。売上高の増加に伴い、総資産は30.2億円(前期比+11.6%)へと増加しましたが、現金及び預金も22.5億円(前期比+12.6%)と潤沢に確保されており、財務基盤の健全性が示されています。営業キャッシュ・フローも5.3億円(前期比+55.3%)と大きく改善しており、事業活動から生み出されるキャッシュ創出力の高さがうかがえます。EPSは72.96円(前期比+32.7%)と、利益成長に連動して一株当たりの利益も順調に増加しています。
強みと競争優位性
当社の強みは、サイバーセキュリティ事業に特化した専門性と、SOCサービスとコンサルティングサービスを連携させた独自のサービス提供体制にあります。市場のニーズを的確に捉え、日々進化する脅威に対応するための継続的な技術開発とサービス改善に努めており、これが顧客ニーズとのギャップを埋める基盤となっています。特に、コンサルティングサービスで培った経験や知見をSOCサービスに活かし、顧客の事業環境や経営視点に立ったきめ細やかなサービスを提供できる点が競争優位性となっています。また、年間契約を基本とするストック型収益モデルは、安定した収益基盤を構築し、解約率の低減に努めることで、継続的な事業成長を可能にしています。さらに、日本国内で開発したシステムを活用し、「やりすぎず、不足しない、変化に合わせた最適なサービス」を提供することで、各顧客の環境や状況に合わせた柔軟な対応を実現している点も、顧客からの信頼獲得に繋がっています。
リスク要因
サイバーセキュリティ事業は、日々変化する脅威や技術革新に対応する必要があり、サービスや技術の陳腐化、競合他社の優位性確立はリスク要因となり得ます。また、代理店との関係、派遣契約元や業務委託先との関係、そして顧客におけるセキュリティ事故の発生は、事業運営の安定性や信頼性に影響を与える可能性があります。当社の事業は単一事業であるため、市場全体の変化の影響を受けやすいというリスクも抱えています。さらに、優秀な人材の確保・育成、小規模組織における経営者への依存、高度化するサイバー攻撃への対応、そしてAI技術の悪用など、事業拡大に伴う組織体制の維持・強化も課題です。これらのリスクに対して、当社はリスク管理体制の整備や、サービス・製品の継続的な改良、人材育成、コンプライアンス体制の構築など、多岐にわたる対策を講じていますが、予期せぬ事象の発生や、想定を超える事態への対応には常に注意が必要です。
投資テーマとの関連
当社は、サイバーセキュリティという、AI、DX、IoT、クラウド化の進展に伴い、その重要性がますます高まっている分野で事業を展開しており、現代の主要な投資テーマと深く関連しています。特に、AI技術の利活用は、サービス品質の向上と開発スピードの加速に貢献する可能性を秘めており、生成AIを含むAI技術を自社サービスに取り込むことで、限られた人材でも高付加価値なサービスを安定的に提供できる体制構築を目指しています。一方で、AI技術の進化がサイバー攻撃の手法を高度化・自動化するリスクも認識しており、機会と脅威の両面に対応していくことが求められます。また、企業活動のデジタル化が進む中で、サイバー攻撃の標的が大手企業から中堅・中小企業、医療機関、インフラ施設へと拡大している現状は、当社のサービスに対する需要の継続的な拡大を示唆しており、日本経済の安全保障という観点からも、その役割は大きいと言えます。