事業概要
当社グループは、創業以来「開拓の精神で顧客に奉仕する」を社是とし、顧客第一主義を基本方針に、技術と品質でナンバーワンを目指しています。事業は「巻線機事業」と「送風機・住設関連事業」の2つのセグメントで構成されています。巻線機事業では、家電、自動車、産業・医療機器、OA/AV機器、通信分野向けに、モーター用およびボビンコイル用の巻線設備を顧客の要望に応じて開発、設計、製造、販売しています。この分野では、株式会社小田原オートメーション長岡、Odawara Automation Inc.などを主要な関係会社としてグローバルに展開しています。一方、送風機・住設関連事業では、室内空調、工作機械冷却などに用いられる小型送風機(クロスフローファン、軸流ファン等)や、浴室用防水照明器具、住宅・ビル換気関連製品を製造・販売しています。この分野では、ローヤル電機株式会社、楽揚電機(香港)有限公司などを主要な関係会社としています。
直近決算ハイライト
当連結会計年度において、当社グループは過去最高の売上高と利益を達成しました。連結売上高は18,238百万円と前年同期比38.4%増、営業利益は3,051百万円(同162.2%増)、経常利益は3,183百万円(同145.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,315百万円(同167.6%増)となりました。これは、中期経営計画で掲げた売上高180億円、営業利益18億円の目標を1年前倒しで達成するものであり、特筆すべき成果です。セグメント別では、巻線機事業が売上高13,583百万円(同49.4%増)、セグメント利益3,331百万円(同117.0%増)といずれも過去最高を記録しました。これは、EV用モーター巻線システム関連案件や大型案件の引き渡し前倒し、消耗品・予備品等の好調が牽引しました。送風機・住設関連事業も、工作機械・産業用ロボット向け軸流ファンの需要回復や浴室照明器具の堅調な推移により、売上高4,655百万円(同14.0%増)、セグメント利益136百万円(同4,587.7%増)と大きく改善しました。
強みと競争優位性
当社グループの強みは、巻線機事業における長年の経験と技術力にあります。特に、自動車産業の電動化(xEV)の進展に伴う駆動モーター・発電機用巻線システムやブラシレスモーター用巻線システムの需要拡大に対応できる技術開発力は、競争優位性の源泉です。中期経営計画では、これらの分野における競争力強化を重点施策として掲げており、技術・スピード・品質・コストの各面で競争力を高める方針です。また、グローバルな販売・サービス体制の構築も進めており、中国市場や北米市場での販売・サービス体制強化は、地域特性を踏まえた戦略として、事業拡大に貢献すると考えられます。送風機・住設関連事業においても、軸流ファンにおける耐油、耐水、耐振動といった付加価値の高い製品開発や、浴室照明器具の専門性を活かした事業展開は、ニッチ市場での優位性を確立しています。さらに、2025年10月に稼働を開始した巻線機事業の生産子会社の新社屋および大型工場は、生産能力増強に寄与し、今後の需要拡大への対応力を強化するものです。
リスク要因
当社グループが直面するリスクとして、まず巻線機事業における需要予測の難しさが挙げられます。主要顧客である家電、自動車、産業機器分野の技術革新や設備投資動向に左右されるため、業績への影響が懸念されます。また、新製品・新技術の研究開発競争の激化は、研究開発費の負担増加につながる可能性があります。送風機・住設関連事業では、中国展開における米中対立や日中関係、台湾有事といった地政学リスクが、業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、グローバル展開に伴う世界各国の法規・税制の変更、知的財産権侵害のリスク、サイバーセキュリティリスクも存在します。自然災害や事故、疾病の発生は、事業拠点や部材調達先への影響を通じて、生産・出荷の遅延につながる恐れがあります。原材料や部材、外注費の高騰も、業績を圧迫する要因となり得ます。これらのリスクに対して、事業継続計画(BCP)の策定やリスク管理体制の構築を進めていますが、予期せぬ事態への対応は常に課題となります。
投資テーマとの関連
当社グループは、自動車の電動化(xEV)という世界的なメガトレンドに直接的に関連しています。巻線機事業は、xEVの駆動モーター・発電機用巻線システムやブラシレスモーター用巻線システムの需要拡大を捉えることで、事業成長が期待されます。自動運転やバイワイヤといった先進技術の進展は、モーター巻線機の需要をさらに喚起するキーとなります。また、省エネ化に伴う高効率モーターへの切り替えや、ヒューマノイドロボット、ドローンといった新たなモーター需要の増加も、巻線機市場の拡大に寄与する可能性があります。これらの動向は、EV、AI、ロボティクスといった投資テーマと深く関連しており、当社の技術開発力や市場開拓力次第では、これらのテーマへの貢献度を高めることが可能です。一方で、これらの成長分野における競争激化や技術革新のスピードへの迅速な対応が、投資テーマとの関連性をより強固なものにするための鍵となります。