事業概要
当社グループは、給水栓・給排水金具・継手及び配管部材の製造・加工・仕入れ・販売を主軸とする専門メーカーである。国内においては、当社が製造・販売を担い、子会社である大連北村閥門有限公司(中国)は主に単水栓を製造し、国内向けに供給するとともに、中国国内での販売も手掛けている。また、KVK PHILIPPINES, INC.(フィリピン)は、当社から調達した部品の組付け加工を行い、当社へ供給する体制を構築している。このように、日本、中国、フィリピンの3拠点で、最適生産・最適調達体制を構築し、多様なニーズに対応する製品を効率的に供給することを目指している。主力製品はシングルレバー式水栓やサーモスタット式水栓であり、住宅設備市場において重要な役割を担っている。
直近決算ハイライト
2026年3月期において、当社グループは売上高309億円、前期比4.2%増と堅調な成長を達成し、過去最高を記録した。営業利益は27億円、同1.9%増、経常利益は31億円、同0.1%増、当期純利益は22億円、同3.7%増となり、増収増益を達成した。住宅市場が厳しい状況下にあったにも関わらず、得意先への受注活動に注力し、主力商品であるシングルレバー式水栓及びサーモスタット式水栓の受注が増加したことが売上拡大に貢献した。また、新工場棟建設に伴う補助金の交付などが経常利益を押し上げた要因として挙げられる。セグメント別では、日本国内事業が売上高307億円、同4.3%増と牽引したが、中国事業はグループ間売上増加の一方で原価上昇によりセグメント利益が同30.0%減となった。
強みと競争優位性
当社の強みは、企画・開発から生産・営業・アフターサービスまでを一貫して行う水栓金具専業メーカーである点にある。これにより、市場ニーズを的確に捉え、付加価値の高い製品開発を推進することが可能となっている。特に、お客様の声を聞き、課題解決に向けた提案を行うことで、価格競争とは一線を画した営業戦略を展開している。また、マルチリフォーム水栓シリーズは、取付穴径やピッチに左右されず施工できる利便性から、リフォーム需要に対応し好評を得ている。品質管理体制も徹底しており、市場不具合の削減や保証期間内修理件数の減少に繋がっており、顧客満足度向上に貢献している。さらに、日本・中国・フィリピンの3拠点による最適生産・最適調達体制は、コスト競争力と安定供給能力の基盤となっている。
リスク要因
当社グループは、複数の事業リスクに直面している。まず、アジア地域のサプライヤーに依存するサプライチェーンリスクが挙げられる。地政学的リスク等による部品供給の遅延は生産調整・停止につながる可能性がある。また、国内需要に大きく影響される経済動向リスク、同業他社との厳しい価格競争リスク、水漏れ等を引き起こす製品不良リスクも存在する。原材料価格の高騰、特に銅価格の動向や中東情勢の緊迫化による原油価格高騰は、製造コスト増加の要因となり得る。さらに、海外事業展開における法規制変更や政治的混乱、為替相場の変動リスク、自然災害による生産ライン中断リスクも考慮すべき点である。岐阜県での人材確保の難しさや、環境関連法規への対応遅れも経営成績に影響を与える可能性がある。
投資テーマとの関連
当社は、住宅設備分野において、水回り商品の提供を通じて人々の生活を豊かにすることを目指している。現代の住宅市場では、少子高齢化や世帯数の減少による新設住宅市場の縮小が予想される一方、住宅ストック活用型市場への転換や、健康・快適性・環境共生といった新たな価値観に基づくリフォーム需要が拡大している。当社は、こうしたリフォーム市場や、多様化するライフスタイルに対応する製品開発に注力しており、持続可能な社会の実現に貢献する「サステナビリティ視点での経営基盤強化」を中期経営計画の戦略の一つに掲げている。環境配慮型製品の開発や、省資源・省エネルギーに配慮した生産活動を推進しており、環境意識の高まりという投資テーマとも関連が深い。