事業概要
スプリックスは「教育で人生を新しく。」を企業ミッションに掲げ、教育サービス事業を展開する企業グループです。主力事業は学習塾の運営であり、個別指導塾「森塾」、集団指導塾「湘南ゼミナール」、映像授業と対人サポートを組み合わせた大学進学塾「河合塾マナビス」の3つのブランドを展開しています。特に「森塾」では、先生1名に対し生徒2名までの個別指導形式を採用し、中学生を対象に「1科目20点以上成績アップ」を保証する成績保証制度を導入している点が特徴です。また、ITを活用した「自立学習RED」のフランチャイズ展開や、オンライン指導塾「そら塾」、教育教材「フォレスタ」シリーズの開発・販売、プログラミング教育関連事業、社会人向けダンススクール運営など、多岐にわたる教育関連サービスを提供しています。2025年9月期には、主要事業の堅調な推移に加え、新規事業も計画を上回る拡大を見せており、事業ポートフォリオの多様化が進んでいます。
直近決算ハイライト
2025年9月期決算において、スプリックスは顕著な業績成長を遂げました。売上高は前期比10.3%増の351億円となり、堅調な事業拡大を示しました。特に営業利益は前期比98.5%増の22億円と大幅に増加し、収益性の向上が際立ちました。経常利益も同95.6%増の22億円、当期純利益は同117.4%増の11億円と、利益面で大きく躍進しました。これは、中核事業である「森塾」の校舎数増加と生徒数増加、「湘南ゼミナール」の生徒数増加、そして「河合塾マナビス」の堅調な推移に加え、「その他」セグメントにおける新規事業の好調さが牽引した結果と考えられます。EBITDAも前期比40.2%増の31.5億円と、キャッシュ創出力も高まりました。株主還元としては、1株配当は38.00円で前期比据え置きでした。ROEは11.2%を記録し、資本効率も改善傾向にあります。
強みと競争優位性
スプリックスの強みは、個別指導塾「森塾」における「成績保証制度」という明確な付加価値提供にあります。これにより、学力向上を求める生徒とその保護者からの高い信頼を獲得し、安定した生徒数増加に繋がっています。また、「森塾」の現場ノウハウから生まれた教材「フォレスタ」シリーズは、指導する講師にとっても教えやすく、生徒にとっても分かりやすいという二重の利点があり、教材開発力という面でも競争優位性を持っています。さらに、集団指導塾「湘南ゼミナール」や大学受験塾「河合塾マナビス」といった多様な学習ニーズに応えるブランドポートフォリオを有している点も強みです。IT技術を活用した「自立学習RED」やオンライン指導「そら塾」といった新しい教育形態への対応や、プログラミング教育といった成長分野への投資も進めており、変化の激しい教育市場において、事業の幅と深さを広げています。
リスク要因
スプリックスの事業運営における主要なリスクとして、まず国内の少子化による学齢人口の減少が挙げられます。これは中長期的に生徒数に影響を与える可能性があり、新規開校やエリア拡大が計画通り進まない場合、業績に影響を与える可能性があります。また、教育サービス業界は参入障壁が比較的低いため、競合他社との激しい競争や新規参入のリスクも存在します。ブランド価値の低下や、顧客が満足する教育サービスを提供できない事態も、生徒数の減少に繋がりかねません。さらに、教育制度の変更や、新規事業が安定的な収益を生み出すまでの不確実性、災害や感染症の発生による事業停止リスク、個人情報や情報セキュリティに関するインシデント発生リスク、そして優秀な人材の確保・育成といった課題も、経営成績に影響を与える可能性があります。
投資テーマとの関連
スプリックスは、教育業界におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進という観点から、投資テーマとの関連性が考えられます。同社はITを活用した学習塾「自立学習RED」の運営や、オンライン個別指導塾「そら塾」の展開を通じて、デジタル技術を教育サービスに取り入れています。特に、AIタブレットを活用した基礎学力養成プログラム「SPRIX LEARNING」「DOJO」や、プログラミング能力検定の開発・運営は、AIやEdTech(エドテック)といった成長分野との親和性を示唆しています。少子化が進む中で、個々の生徒に最適化された学習体験を提供する個別最適化学習や、オンライン教育の需要は今後も高まることが予想され、スプリックスがこれらの分野で培ってきたノウハウや技術は、将来的な成長ドライバーとなる可能性があります。教育市場全体のデジタル化の流れに乗ることで、新たな収益機会を創出することが期待されます。