事業概要
当社グループは、印刷事業、産業資材・電子部品製造事業、不動産賃貸等事業の3つを主軸に事業を展開しています。印刷事業では、出版物、広告宣伝物、業務用印刷物、包装・パッケージ、新聞など多岐にわたる製品を手掛けており、グループ全体で製造から販売、保管、輸送まで一貫した体制を構築しています。特に、新村印刷株式会社が扱う医薬・OTC向けの包装資材・パッケージ分野は、参入障壁の高さと成長性から、今後の重点領域と位置づけられています。産業資材・電子部品製造事業では、スクリーン印刷製品やエッチング精密製品を製造・販売しており、水晶振動子や電子部品向けの需要を取り込みつつ、医療・ヘルスケア分野や産業用センサー用途への応用拡大を目指しています。不動産賃貸等事業では、オフィスビルや倉庫跡地の賃貸、太陽光発電事業などを手掛けることで、事業ポートフォリオの多様化と資本効率の向上を図っています。
直近決算ハイライト
2026年3月期の業績は、売上高が前期比4.2%減の141億円となりました。これは、印刷事業における商業印刷物の減少や新聞印刷事業の生産移管などが影響したためです。損益面では、営業損失は69百万円(前期は1億58百万円の損失)と、損失幅は縮小しました。経常利益は23百万円(前期は49百万円の損失)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益などの特別利益12億23百万円を計上した一方で、減損損失などの特別損失11億43百万円も発生しましたが、最終的には3億53百万円(前期比400.6%増)となり、大幅な増加となりました。セグメント別では、印刷事業は売上高132億78百万円、セグメント損失3億71百万円となりました。産業資材・電子部品製造事業は売上高3億72百万円、セグメント損失58百万円。不動産賃貸等事業は売上高6億45百万円、セグメント利益3億59百万円と、各事業が堅調に推移しました。
強みと競争優位性
当社グループの強みは、長年培ってきた印刷技術を核とした多角的な事業展開にあります。特に、医薬・OTC向け包装資材・パッケージ分野は参入障壁が高く、成長領域として積極的に経営資源を投入しており、安定した収益基盤となることが期待されます。また、産業資材・電子部品製造事業においては、エッチング精密製品の分野で既存顧客の深耕を図りつつ、医療・ヘルスケア分野や産業用センサー用途への応用拡大を進めることで、特定業界への依存リスクを低減し、新たな市場を開拓しています。さらに、東京都心部における不動産賃貸事業は、安定した賃料収入をもたらし、事業ポートフォリオの安定化に寄与しています。過去の主要取引先である読売新聞東京本社やヤマト運輸株式会社との強固な信頼関係も、売上の約4割を占める重要な基盤となっています。
リスク要因
当社グループが認識している主要なリスクとして、まず原材料価格及び調達環境の変動が挙げられます。国際情勢の緊迫化やサプライチェーンの混乱により、用紙、インキ、フィルム等の価格上昇や供給不足が発生する可能性があります。また、印刷事業においては、デジタル化の加速による紙媒体の需要減少が構造的な課題となっています。産業資材・電子部品製造事業では、特定業界への依存による業績変動リスクを抱えています。さらに、競合他社との価格競争の激化による受注単価の下落リスクや、株式会社読売新聞東京本社、ヤマト運輸株式会社といった特定取引先への依存度が高いことも、業績に影響を与える可能性があります。個人情報の管理、製品の品質、情報システムとセキュリティ、法務・コンプライアンス、そして自然災害の発生なども、業績に重要な影響を与える潜在的リスクとして挙げられます。
投資テーマとの関連
当社グループは、直接的にAI、半導体、EVといった最先端の投資テーマに直接的に関わる事業を主軸としているわけではありません。しかし、産業資材・電子部品製造事業においては、半導体周辺用途や電子部品向け製品の製造を手掛けており、半導体産業の動向と間接的に関連しています。具体的には、水晶振動子メーカー向けの需要は堅調に推移しており、今後の半導体市場の成長に伴い、関連部品への需要増加が期待されます。また、医療・ヘルスケア分野への応用拡大は、ヘルスケア関連の投資テーマとの親和性を持つ可能性があります。さらに、環境配慮型社会のニーズに応える紙製軟包装材の拡販は、サステナビリティ関連の投資テーマとも関連が考えられます。不動産事業においては、都市開発やインフラ関連の投資テーマとの接点も考えられます。