事業概要
当企業グループは、連結子会社11社、関連会社1社から構成され、多岐にわたる事業を展開しています。主力事業は、コラーゲン・ケーシング、ゼラチン及びコラーゲンペプチド、コラーゲン化粧品及び健康食品、皮革関連製品の製造販売および仕入販売です。これらに加え、輸入食品や穀物の販売、iPS細胞培養基材や医療用コラーゲンの製造販売、不動産賃貸といった事業も手掛けています。事業セグメントは、コラーゲン・ケーシング事業、ゼラチン関連事業、化粧品関連事業、皮革関連事業、賃貸・不動産事業、食品その他事業の6つに区分されています。コラーゲン・ケーシング事業では、主にソーセージなどの食品用途に用いられるケーシングを製造・販売しています。ゼラチン関連事業では、食品、医薬品、化粧品などに幅広く利用されるゼラチンやコラーゲンペプチドを提供しています。化粧品関連事業では、自社ブランドのコラーゲン化粧品や健康食品を展開し、株式会社ニッピコラーゲン化粧品を通じて販売しています。皮革関連事業では、靴用革や自動車用革などを取り扱っています。賃貸・不動産事業では、東京都と大阪市で不動産賃貸事業を、食品その他事業では、有機穀物、輸入食材、iPS細胞培養基材などを扱っています。2026年3月期においては、売上高473億円、営業利益42億円、経常利益42億円、当期純利益28億円を計上しています。
直近決算ハイライト
2026年3月期の連結業績は、売上高が前期比3.8%減の473億円となりました。これは、ゼラチン関連事業でのソフトカプセル用途や食品用途の販売不振、皮革関連事業における革靴需要の減少や中国経済の減速によるハンドル用革の需要減などが主な要因です。一方で、営業利益は同14.5%増の42億円、経常利益は同16.3%増の42億円と増益を達成しました。コラーゲン・ケーシング事業ではコスト増や生産性低下により減益となったものの、ゼラチン関連事業では原料価格の安定化やコストダウン施策が奏功し、化粧品関連事業では販売好調により増収増益となったことが利益を押し上げました。親会社株主に帰属する当期純利益は同15.3%増の28億円となりましたが、これはコラーゲン・ケーシング事業における不採算製造設備の減損損失438百万円を計上した影響を受けています。セグメント別では、コラーゲン・ケーシング事業の売上高は92億円(同1.0%減)、営業利益は8億円(同30.3%減)。ゼラチン関連事業は売上高126億円(同5.0%減)ながら営業利益は24億円(同49.3%増)。化粧品関連事業は売上高83億円(同7.2%増)、営業利益13億円(同31.9%増)。皮革関連事業は売上高59億円(同19.0%減)、営業利益1億円(同20.2%減)でした。
強みと競争優位性
当企業グループは、長年にわたり培ってきたコラーゲン、ゼラチン、皮革に関する専門知識と技術力を強みとしています。特に、コラーゲン・ケーシング事業においては、多様なニーズに対応する少量多品種製造体制の構築を進めており、顧客の細かな要望に応える柔軟性を持っています。ゼラチン関連事業では、健康志向の高まりを背景とした需要拡大に対し、由来原料や調達先の見直し、生産性改善によるコスト競争力強化を図り、収益基盤の強化に取り組んでいます。化粧品関連事業では、スペシャルケア領域における強みを活かした商品構成と顧客基盤の拡充に注力しています。また、皮革事業においては、アパレル用途やオンラインショップ向け販売が堅調に推移しており、市場環境の変化に対応するための新製品開発や用途展開を進めています。不動産賃貸事業も安定した収益源となっており、東京都足立区と大阪市浪速区の拠点を有効活用し、資産価値向上と事業収益の最大化を目指しています。これらの多様な事業ポートフォリオと、各事業における長年の経験とノウハウが、競争優位性を支えています。
リスク要因
経営陣が認識している主要なリスクとして、開発力や技術力に関する将来性の不確実性が挙げられます。安価品や新規参入者との競争が激化する中で、開発品が必ずしも優位に立つとは限らない状況です。また、製品の多くが輸入品であるため、関税率の改廃や新規規制といった法規制の変更が取引に影響を与える可能性があります。大規模災害や感染症の拡大は、主要生産拠点である静岡県への影響やサプライチェーンの停滞、需要の減退を通じて、経営成績に深刻な影響を与えるリスクがあります。さらに、金利上昇、為替変動、原料価格の変動といった外部要因も、コスト増加や収益変動の要因となり得ます。設備投資に係るリスクとしては、市場規模の縮小による生産能力過多や投資回収困難などが想定されます。在庫の滞留や販売価格の下落による棚卸資産評価損、不動産開発における想定外の損失計上、製品品質問題に起因する信用失墜や賠償リスク、第三者の知的財産権侵害リスク、海外事業における法規制変更や政治・経済混乱、取引先の信用リスク、サイバー攻撃による情報漏洩リスクなども、経営成績に影響を与える可能性があります。
投資テーマとの関連
当企業グループの事業は、直接的にAI、半導体、EVといった先端技術テーマとの関連性は薄いものの、間接的な関連性や将来的なポテンシャルを秘めている可能性があります。例えば、iPS細胞関連製品や医療用コラーゲンといったバイオ関連事業は、再生医療や先端医療分野の発展と結びついており、今後の成長が期待されます。また、ゼラチンやペプチドは、医薬品や健康食品分野で広く利用されており、健康寿命の延伸やウェルネス志向の高まりといったメガトレンドとの親和性があります。皮革関連事業においては、自動車業界のEVシフトに伴う素材ニーズの変化に対応していくことが求められます。さらに、持続可能性(サステナビリティ)への取り組みを強化しており、環境負荷低減や資源循環といったテーマへの貢献も期待されます。企業価値向上を目指す中でのROE7%達成に向けた経営戦略は、ESG投資の観点からも注目される可能性があります。ただし、現状では、これらの投資テーマとの直接的な関連性は限定的であると言えます。