事業概要
同社はシステムエンジニアリングサービス事業を単一セグメントとして展開しており、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進事業、ビッグデータ分析事業、システム基盤事業、業務システムインテグレーション事業、コンサルティング事業といった多様なサービスを提供しています。顧客企業の情報システムを経営の基幹として捉え、デジタル技術を活用してビジネスプロセスやビジネスモデルの変革を支援することが主要なビジネスモデルです。特に、AI関連製品・サービスへの投資意欲の高まりや、DX推進に伴うレガシーシステムからの脱却ニーズを捉え、需要は堅調に推移しています。2026年5月期からは、テクノロジーソリューション事業、ビジネスソリューション事業、コンサルティング事業を担う3つの本部制へと組織体制を強化し、顧客課題解決に向けたサービス提供体制を強化しています。
直近決算ハイライト
2025年5月期における連結売上高は7,004,976千円(前期比5.2%増)となり、堅調な成長を維持しました。しかし、ベースアップ等による人件費増加やバックオフィス業務委託費の増加により販管費率が1.1ポイント上昇し、営業利益は555,336千円(同10.4%減)、経常利益は585,254千円(同10.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は427,349千円(同7.4%減)といずれも減益となりました。人件費率は前期比1.4ポイント上昇し27.7%となりました。セグメント別では、デジタル革新推進事業がServiceNow導入支援や生成AI利活用プロジェクトへの参画により売上高2,200,951千円(前期比20.9%増)、売上総利益率25.2%と好調でした。ビッグデータ分析事業も新規顧客案件の拡大等により売上高1,330,434千円(前期比16.7%増)となりましたが、案件の選択と集中を進める中で売上総利益率は21.1%に低下しました。システム基盤事業は1,812,747千円(前期比1.9%増)、業務システムインテグレーション事業は1,535,886千円(前期比1.2%増)と微増にとどまりました。コンサルティング事業は体制縮小の影響で売上高124,957千円(前期比68.7%減)と大幅に減少しました。
強みと競争優位性
同社の強みは、顧客企業のDX推進を支援する多様なサービスラインナップと、長年にわたる顧客との信頼関係にあります。特に、ServiceNow導入支援や生成AI活用プロジェクトへの参画は、最新技術への対応力と顧客ニーズへの的確な応えを示しています。また、オリジナルブランド「U-Way」シリーズの開発・拡充は、受託型ビジネスからの脱却と独自サービスの提供による収益源の多角化を目指す戦略であり、これが今後の競争優位性につながる可能性があります。2026年5月期からの本部制導入は、組織のスリム化と専門性の向上を図り、より迅速かつ的確な顧客対応を可能にするでしょう。さらに、DXコンサルティングサービスの提供や、ERP市場における成長機会の捉え方は、市場の変化に柔軟に対応し、新たなビジネスチャンスを創出する能力の表れと言えます。
リスク要因
同社が抱えるリスクとして、まず人材の確保・育成が挙げられます。IT・デジタル人材の採用競争が激化する中、優秀なエンジニアの確保と定着は事業拡大の生命線となります。また、生成AIの急速な普及は、生産性向上に寄与する一方で、機密情報の漏洩や著作権侵害といった新たなリスクも生じさせており、これらのリスク管理体制の構築が不可欠です。さらに、NTTデータグループ(21.1%)、野村総合研究所グループ(9.9%)といった大口顧客への依存度も無視できません。これらの顧客との取引が急激に減少した場合、業績に大きな影響を与える可能性があります。加えて、技術革新の速い情報サービス業界において、常に最新技術への対応が求められる点もリスク要因となります。
投資テーマとの関連
同社は、AI(人工知能)およびDX(デジタルトランスフォーメーション)といった、現在最も注目されている投資テーマに深く関わっています。特に、生成AIの活用は、同社が参画するプロジェクトにおいて既に売上拡大に貢献しており、今後もその重要性は増していくと考えられます。DX市場は2030年度に8兆円規模への拡大が見込まれており、同社はこの成長市場において、システム基盤構築、業務システムインテグレーション、コンサルティングなど多岐にわたるサービスを提供することで、その恩恵を受けることが期待されます。AI市場も2028年度には2兆7,780億円に達すると予測されており、同社のAI関連事業の成長ポテンシャルは高いと言えます。これらのテーマへの親和性の高さは、投資家にとって魅力的な要素となり得ます。