事業概要
同社グループは、「世界にチャレンジするインターネットサービスを創る」という経営理念のもと、日常のスキマ時間を充実させる質の高いサービスや事業の創出に取り組んでいます。主要事業はエンターテイメント事業とITソリューション事業の二つです。エンターテイメント事業では、主力サービスであるマンガアプリ「マンガBANG!」の運営に加え、オリジナル作品の制作・配信、そして越境ECサイト「Fandom Tokyo」の運営を展開しています。ITソリューション事業では、SES(システムエンジニアリングサービス)事業を核とし、SEOメディアやポイ活アプリの開発・運営も手掛けています。2025年9月期には、エンターテイメント事業で売上高2,792,398千円、ITソリューション事業で売上高50,777千円を計上しました。売上高全体としては前年同期比20.7%減の2,843,175千円となりましたが、エンターテイメント事業はセグメント利益を確保し、ITソリューション事業も新規事業の立ち上げを進めています。
直近決算ハイライト
2025年9月期連結決算では、売上高は2,843,175千円(前年同期比20.7%減)、営業損失は361,169千円(前年同期は営業損失400,612千円)、経常損失は357,578千円(前年同期は経常損失403,486千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は372,270千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失589,444千円)となりました。エンターテイメント事業においては、広告宣伝費抑制によるMAU減少や広告単価下落の影響で課金収益・広告収益は減少したものの、オリジナル作品の制作強化によりコミックス売上が前年同期比62.8%増と好調に推移し、セグメント利益は5,758千円(前年同期はセグメント損失54,959千円)を確保しました。越境EC事業も2025年2月の開始以降、月間売上高10百万円超と順調な立ち上がりを見せています。ITソリューション事業では、SES事業の売上拡大や新規サービス開発への先行投資により、売上高は50,777千円となったものの、セグメント損失は45,551千円となりました。総資産は1,461,555千円と前期末比で488,680千円減少し、純資産は907,103千円と372,526千円減少しました。
強みと競争優位性
同社グループの競争優位性は、まず主力サービスであるマンガアプリ「マンガBANG!」におけるユーザー基盤と、そこから生まれるオリジナル作品制作能力にあります。特に、ヒット・メディアミックス化を目指すオリジナル作品の展開は、収益の重層化とIP(知的財産)価値の向上に繋がる可能性を秘めています。また、越境ECサイト「Fandom Tokyo」の立ち上げは、新たな収益源の確保とグローバル展開への布石となり得ます。ITソリューション事業においては、SES事業におけるエンジニアの採用・育成を通じて、事業基盤の強化を図っています。さらに、生成AIの利活用による業務効率化や、M&Aの活用による事業拡大も視野に入れており、変化の速いインターネットサービス分野において、持続的な成長を目指すための戦略的な取り組みを進めている点が強みと言えます。これらの多様な事業展開と、それに伴うビジネス構築力は、単一事業への依存リスクを低減し、将来的な収益構造の多様化に貢献する可能性があります。
リスク要因
同社グループが抱えるリスクは多岐にわたります。まず、マンガアプリ事業は、電子書籍市場の競争激化、ARPU(一人当たり顧客単価)の向上やユーザー獲得の想定外の遅延、法制度の改定による規制リスクに晒されています。また、売上の大部分をApple Inc.およびGoogle Inc.のプラットフォームに依存しているため、これらのプラットフォーム運営事業者の動向や手数料率の変動が業績に影響を与える可能性があります。海賊版サイトの流通による機会損失も懸念されます。ITソリューション事業におけるSES事業は、労働者派遣法との抵触リスクが潜在しています。さらに、事業の柱であるマンガアプリ事業への依存度が高く、新規事業の成長が計画通りに進まなかった場合のリスク、特定人物(代表取締役、CTO)への依存、優秀な人材の確保・育成の遅延、システム障害、新技術への対応遅れなども、財政状態や経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。越境EC事業においては、流行の変化や為替レート、関税、各国の法令・商慣習の違いへの対応が課題となります。
投資テーマとの関連
同社グループは、インターネットサービス分野において、複数の投資テーマと関連性を持っています。特に、マンガアプリ事業におけるオリジナル作品制作やWEBTOON制作への注力は、コンテンツ産業の成長、ひいてはメディアミックス展開やIP創出といったテーマと結びつきます。また、ITソリューション事業におけるSES事業の拡大や、SEOメディア、ポイ活アプリの開発は、IT人材の需要増加やデジタルマーケティング、SaaSといったテーマに関連します。さらに、越境EC事業は、グローバルコマースの拡大というテーマに位置づけられます。直近決算では、オリジナル作品の制作強化や越境ECサイト「Fandom Tokyo」の立ち上げ、ITソリューション事業への先行投資など、将来の成長に向けた取り組みが報告されており、これらの事業展開が今後のIT、コンテンツ、グローバル化といった投資テーマへの貢献度を高めていく可能性があります。生成AIの利活用は、AI技術の普及というトレンドにも乗るものです。