事業概要
KLASS株式会社(旧社名:株式会社アサヒ)は、インテリア事業、畳事業、ソリューション&ネットワーク事業を主軸とする「プロフェッショナルセグメント」、コンシューマ事業、ソーラー・エネルギー事業、売電事業からなる「コンシューマセグメント」、産業機器事業、食品機器事業からなる「インダストリーセグメント」、そして株式会社ROSECCを擁する「ニュー・インダストリーセグメント」の4つのセグメントで多角的に事業を展開しています。特にプロフェッショナルセグメントは売上高の約7割を占め、同社の事業基盤となっています。インテリア事業では自動壁紙糊付機や内装工事用テープ、床材剥がし機などを、畳事業では畳製造装置や関連資材を提供しています。ソリューション&ネットワーク事業は、同社が目指す2.4次産業型企業への転換を推進する役割を担い、ITシステムを活用したサービス提供を目指しています。コンシューマセグメントでは特殊機能畳やソーラー発電システム、インダストリーセグメントではコア技術を活かしたオーダーメイド産業用機器や厨房用省力化機器を展開しています。ニュー・インダストリーセグメントでは、子会社ROSECCのロボット制御技術などを活用し、新たな市場開拓を進めています。
直近決算ハイライト
2025年9月期(当連結会計年度)の売上高は95億69百万円と、前期比2.2%減となりました。これは、インダストリーセグメントにおける大型案件の端境期による大幅な売上減少が主な要因です。しかし、損益面では大幅な改善が見られ、営業利益は2億67百万円(前期比132.1%増)、経常利益は2億50百万円(前期比123.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億72百万円(前期比126.5%増)と、前期のマイナス要因解消や収益率の改善により、大幅な増益を達成しました。セグメント別では、プロフェッショナルセグメントは売上高67億52百万円(前期比0.9%増)で営業損失90百万円(前期は営業損失184百万円)と損失幅を縮小しました。コンシューマセグメントは売上高7億45百万円(前期比5.6%増)、営業利益20百万円(前期は営業損失12百万円)と黒字転換しました。インダストリーセグメントは売上高12億27百万円(前期比28.7%減)と減収でしたが、営業利益2億39百万円(前期比15.7%減)と利益を確保しました。ニュー・インダストリーセグメントは売上高8億44百万円(前期比27.3%増)、営業利益83百万円(同200.8%増)と大きく成長しました。
強みと競争優位性
同社は、インテリア内装施工機器市場、特に壁紙糊付機市場において圧倒的なシェアを誇っており、長年にわたる実績と高品質な製品供給により、競合他社との差別化を図っています。また、畳製造装置市場でもトップシェアを維持しており、単なる装置販売に留まらず、畳店への経営近代化コンサルティングを提供することで、顧客との強固な関係を構築しています。このコンサルティングは、伝統産業の継承という側面も持ち合わせており、サステナビリティ推進にも繋がっています。70年以上にわたる各種製品開発・製造の実績から得られたコア技術を、顧客仕様による産業機器市場にも展開しており、多様なニーズに応える開発力と技術力が競争優位性となっています。さらに、新社名「KLASS」への変更と共に、2.4次産業型企業への展開を掲げ、ハードウェアだけでなくソフトウェア・サービスの提供へと事業領域を拡大しようとしており、蓄積された無形財(販売ルート、知名度、ITシステム、開発技術力等)を活用した新たな価値創造を目指している点も、将来的な強みとなり得ます。
リスク要因
国内需要の減退、特に新設住宅着工戸数の減少は、プロフェッショナルセグメントにおける畳事業やインテリア事業の業績に影響を与える可能性があります。また、住宅の洋風化による畳需要の減少は、畳店の減少を招き、同社の畳製造装置の販売にも影響を及ぼすリスクがあります。建物内装工法の変化により、壁紙糊付機市場が縮小する可能性も懸念されます。原材料価格や物流コストの高騰は、収益性を圧迫する要因となり得ますが、同社は価格改定等で対応を図っています。さらに、特定の仕入先への依存、知的財産権に関するリスク、金利変動リスク、製品の品質問題、研究開発における不確実性、システム関連の障害、そして代表取締役社長への依存度が高い経営体制も、潜在的なリスクとして挙げられます。これらのリスクに対し、同社は製商品拡充、マーケット拡大、コンサルティング強化、技術開発、サプライヤーとの連携強化、品質管理強化、経営体制整備等で対応策を講じていますが、リスクが顕在化した場合の影響は否定できません。
投資テーマとの関連
同社は、人手不足解消や生産性向上に貢献する自動化・省力化機器の開発・販売に注力しており、これは「DX(デジタルトランスフォーメーション)」や「スマートファクトリー」といった投資テーマとの関連性が高いと言えます。特に、産業機器事業において、二次電池製造装置や脱炭素関連装置、さらにはロボット制御技術を活用したウォータージェット機器などの開発は、環境問題への対応や先端技術分野への貢献を示唆しており、「EV(電気自動車)」や「再生可能エネルギー」といったテーマとも間接的な関連が見られます。また、AIやIoT技術の活用も視野に入れた製品開発を進めており、将来的なAI関連技術への展開も期待されます。新社名「KLASS」のもと、2.4次産業型企業への転換を目指し、ハードウェアに加えソフトウェア・サービスの提供を強化する戦略は、テクノロジーを活用した事業変革という観点からも、投資テーマとの親和性が高いと考えられます。