事業概要
当社の事業は、電力機器、回転機、プリント基板の3つの主要セグメントで構成されています。電力機器事業では、各種変圧器や制御機器の製造・販売、電力設備工事を手掛けており、一般送配電事業者や産業機器メーカーが主な顧客です。回転機事業では、建物や車載向けの空調用モーター、電動ベッド用アクチュエータ、水中ポンプ用モーターなどを製造・販売しています。電機・機械メーカーが主要な顧客層となります。プリント基板事業では、両面・多層基板からパッケージ基板用コアまで、多岐にわたるプリント基板の製造・販売を行っており、半導体パッケージメーカーなどが顧客です。これらの事業を通じて、電力の安定供給、社会生活の向上、デジタル社会の実現に貢献することを目指しています。2026年3月期においては、売上高1,294億円、営業利益112億円を計上しており、各事業が社会インフラや先端技術の発展を支えています。
直近決算ハイライト
2026年3月期の連結決算は、売上高が前期比7.6%増の1,294億円、営業利益が同28.7%増の112億円、経常利益が同27.9%増の119億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同27.6%増の85億円と、売上高・利益ともに過去最高を更新しました。この好調な業績は、電力機器事業とプリント基板事業の伸長によるものです。電力機器事業は、海外プラント工事の反動減があったものの、一般産業向け変圧器の堅調な受注により増収増益を達成しました。回転機事業は、中国における建物空調モーターや国内外の車載空調モーターの受注減少により、減収減益となりました。一方、プリント基板事業は、パッケージ基板用コアの好調な受注と新工場の稼働本格化により、大幅な増収増益となりました。自己資本比率は59.6%と健全な水準を維持しており、収益性の改善と財務基盤の強化が進んでいます。
強みと競争優位性
当社の強みは、電力機器、回転機、プリント基板という、社会インフラや先端産業に不可欠な3つの事業分野で安定した収益基盤を築いている点にあります。特に、電力機器事業における長年の実績と信頼性は、一般送配電事業者との強固な関係性を生み出しています。また、プリント基板事業においては、生成AI関連の需要拡大を捉え、パッケージ基板用コアの分野で高い競争力を発揮しています。新工場の稼働による生産能力の増強も、今後の成長を後押しする要因です。さらに、中期経営計画2028で掲げる「新製品・新事業の発掘・育成」「ものづくり力の強化」「経営基盤の強化」といった戦略を着実に実行しており、技術開発力と生産能力の向上を通じて、変化の速い市場環境においても競争優位性を維持・強化していく姿勢が見られます。
リスク要因
当社の事業運営には、いくつかのリスク要因が存在します。まず、特定の顧客への依存度が高い傾向があり、一般送配電事業者や電機・機械メーカー、半導体パッケージメーカーなどの業績や設備投資計画の動向が経営成績に影響を与える可能性があります。また、銅や鉄などの基礎素材価格、為替レートの変動は、材料費の上昇を通じて収益を圧迫するリスクがあります。海外事業においては、経済・政情の悪化や法規制の変更などが経営成績に影響を与える可能性があります。技術開発の遅れや競合他社の新技術・製品開発は、製品の優位性低下や販売価格の下落につながる恐れがあります。さらに、自然災害や感染症の発生は、生産活動やサプライチェーンに大きな影響を与える可能性があります。これらのリスクに対して、同社は情報収集、販路開拓、調達先の多様化、価格転嫁、BCP策定などの対策を講じていますが、リスクが顕在化した場合の影響は無視できません。
投資テーマとの関連
当社の事業は、現代社会における主要な投資テーマと深く関連しています。電力機器事業は、老朽化したインフラの更新や、再生可能エネルギーの普及に伴う電力需要の増加といったテーマに直結しています。回転機事業で手掛ける車載用モーターなどは、電気自動車(EV)市場の拡大というトレンドに乗る可能性があります。また、プリント基板事業、特にパッケージ基板用コアの製造は、AIの普及やデータセンターの増設といった、AI・半導体分野の成長と密接に関わっています。生成AI関連の需要拡大が業績を牽引したことは、こうしたテーマとの関連性の深さを示しています。DX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)といった社会全体の大きな潮流の中で、当社の製品・技術は、これらの変革を支える基盤として、今後も重要な役割を果たすことが期待されます。